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里帰りなし・ヘルプなしの育児休暇を完走しました

7月に子供が生まれ、先日まで2ヶ月半ほど育児休暇を取得していました。

私たち夫婦は東京都に住んでいますがふたりとも実家が九州・中国地方で、昨年末に妻の妊娠がわかったときにはすぐに里帰り出産をすることを決めました。
というのが、インターネットであれこれ調べてみたら実家が遠方の場合は里帰り出産をしているケースが多そうに見えたため、まあそういうものかと思ったからです。

ところが今年に入ってこんなご時世になりまして、県を跨いだ移動を制限するなんて話になるなど、かなり不安定な時勢になっていました。
夫婦で話し合って、妊娠・出産という不確実な事象に対し直前で慌てることになる要素を残しておくのは避けたいという気持ちから、里帰りをやめることに決めました。

また、還暦を越えた両家の両親にこんなご時世の東京に来てもらうのは双方ともに若干の心配があったため、状況が落ち着くまでは夫婦ふたりで育児をやっていくことにしました。

というわけであまりインターネットに事例がのってなくて不安いっぱいで始まった里帰りなし・ヘルプなしの育児休暇でしたが、なんとか無事に走りきったのでその事例をインターネットに残しておこうと思います。

育児の方針と作戦

私たちは、妻の希望もあってできるだけ母乳で育児をすることにしました。
そうすると妻は「交通事故並み」とも例えられる出産の疲労が残った体調で昼夜問わず3時間前後の間隔で授乳を行うこととなります。
これは明らかに妻にかかる負担が大きいので、以下の方針で1日を過ごすことにしました。

・日中の家事は全て私がやりその間妻はできるだけ休む
・夜間は私は休ませてもらい妻が授乳待機する
・授乳以外の育児は力を合わせる

夜間を妻に任せっきりにするのはとても申し訳なかったのですが、私はどうやっても母乳を出せないので、その分日中に私が頑張って妻に休んでもらうという作戦です。

育児休暇の1日の進み方

参考までに、以下に記憶を平坦にして整理したらこんな感じのスケジュールだったかもしれないというものを置いておきます。
日々の振れ幅が大きいのでこんな感じで進んだ1日はないのですが、やってること自体は網羅されているかなと思います。

07:00
子:授乳を求め泣く 授乳後は寝るかしばらくご機嫌にしたのち眠くて泣く
妻:授乳したのち子を私にたくし睡眠の延長戦
私:起床しひたすら子をあやす(寝たら好きなように過ごす)
10:00
子:授乳を求め泣く 授乳後は寝るかしばらくご機嫌にしたのち眠くて泣く
妻:睡眠の延長戦を終了し授乳
私:掃除・洗濯・スーパーへの買い出しなど
12:00
子:授乳を求め泣く 授乳後は寝るかしばらくご機嫌にしたのち眠くて泣く
妻:授乳の合間をぬって昼食
私:昼食の準備のち昼食のち後片付け
13:00
子:授乳を求め泣く 授乳後は寝るかしばらくご機嫌にしたのち眠くて泣く
妻:授乳したのち子を私にたくし睡眠の延長戦
私:ひたすら子をあやす(寝たら好きなように過ごす)
16:00
子:授乳を求め泣く 授乳後は寝るかしばらくご機嫌にしたのち眠くて泣く
妻:睡眠延長戦を終了し授乳
私:掃除・洗濯・夕食の仕込み・沐浴の準備・子をあやすなど
18:00
子:沐浴
妻:沐浴
私:沐浴
19:00
子:授乳を求め泣く 授乳後は寝るかしばらくご機嫌にしたのち眠くて泣く
妻:授乳の合間をぬって夕食
私:夕食の準備をしたのち夕食のち後片付け
22:00
子:授乳を求め泣く 授乳後は寝るかしばらくご機嫌にしたのち眠くて泣く
妻:シャワー浴びたり授乳してたらいつのまにかこの時間になっている
私:シャワー浴びたり家事してたらいつのまにかこの時間になっている
24:00
子:授乳を求め泣く 授乳後は寝るかしばらくご機嫌にしたのち眠くて泣く
妻:子が求めるままに授乳をする 子が寝てくれたら睡眠
私:申し訳ない申し訳ないと唱えながら寝る
02:00
子:授乳を求め泣く 授乳後は寝るかしばらくご機嫌にしたのち眠くて泣く
妻:子が求めるままに授乳をする 子が寝てくれたら睡眠
私:申し訳ない申し訳ないと唱えながら眠り続ける
04:00
子:授乳を求め泣く 授乳後は寝るかしばらくご機嫌にしたのち眠くて泣く
妻:子が求めるままに授乳をする 子が寝てくれたら睡眠
私:申し訳ない申し訳ないと唱えながら眠り続ける

※合間合間におむつ替えが発生する

ここからは日々で印象に残ったことを書きます。

授乳、すごい大変

育児が始まる前後で大きくイメージが変わったのは授乳です。
それまでは毎回10分くらいで終わるのかな、そしたら間の3時間くらい休んでもらえるな、くらいの感覚でいましたが、全然そんなことはありませんでした。特にうちの子は最初の方は授乳がうまく行えず、1回に1時間くらいかかっていたこともあります。
さらに赤ちゃんは授乳が終わってからきっかり数時間休んでくれるわけではないので、休むまもなく次の授乳ということも多々ありました。

妻の身体的な負担はもちろん、授乳がうまく行えないことの精神的な負担も相当だったようで、1回の授乳でかなり疲弊していました。
うちの子ははじめのころは授乳を嫌がるようなそぶりを見せることが多々あり、妻にとってはそれがかなりショックだったそうです。

全ての家事を自分がやっていると書きましたが、1日授乳を行うことは全ての家事をやることの2倍も3倍も大変そうだと感じました。
しかもこればかりは代わってあげられないので、ただただもどかしかったです。

幸いなことに1ヶ月を過ぎたあたりからだんだんスムーズに授乳ができるようになってきて、これを持ってようやく育児が軌道にのってきたと感じるほど授乳の大変さが身に染みました。

日中、たまに自由に過ごせる

新生児は1日に平均して15時間から20時間ほど寝るそうです。
うちの子も新生児のころはよく寝ていたので、そんなときは割と自由に過ごせました。

家事を済ませて子も妻も寝ているときには、子が目に届く場所で趣味のソフトウェアを作ったり読書したりして過ごすことができました。
長い時は1日3〜4時間くらい自由に過ごせて、「オッ、これは結構いろいろできるぞ」と思いAmazonで本を買い込んで、翌日になると子が終日ぐずぐずしていて何もできず買い込んだ本は積読となる、みたいなこともありました。
「計画的には過ごせないが束の間の自由が訪れる瞬間はある」という感じです。

1ヶ月を過ぎたあたりからなかなか布団で昼寝をしてくれなくなったので、このようなスタイルで読書したりしていました。

メンタル、やられる

赤ちゃんはとてもよく泣くのですが、泣き止まないときに結構メンタルがやられます。

私は自分自身に対してメンタルは安定している方だと思っていたのですが、実際に抱っこしている子が何をやっても泣き止まないと、あんなに日々かわいいと思っていた我が子に対しいらだちを感じたり、ああ、もうこれ無理だ〜みたいな気持ちになってしまい、落ち着いたあとに俺はなんてダメなんだ〜と落ち込む、みたいなことが何度かあり、自分自身に対する自信が崩れ去ってショックでした。

いろいろ参考文献に当たってみましたが、まとめると「赤ちゃんとはだいたいそういうものよ」という結論のようでした。
これはもう対策とかはないな、と思ったので夫婦で話しあって日中でも私がそういう気持ちになったら妻に交代してもらう、夜間でも妻がそういう気持ちになったら私が交代する、と決めました。

育児休暇、とてもよかった

思い返すと大変だったこともたくさん出てきますが、総じて取得してとてもよかったと感じています。

子は日々あっという間に成長し、毎日一緒にすごしていても「あれ?いつの間にそんな大きくなった?」と感じるほどです。
そんな子の成長を常に近くで見れたことはとても幸せでした。

また、妻と一緒にあーだこーだ言いながら育児できたことも楽しかったです。
嬉しいことも大変なことも共有しながら妻と毎日過ごせたことはとても大切な思い出になりました。

今回は意図せず里帰り出産をしないことになりましたが、もしこのようなご時世でなくても、里帰り出産をせず夫婦で頑張るというのはとても良い選択肢のひとつだと感じました。
まだまだ先の話ですが、私たち夫婦はここまでの出産・育児を通じて、ふたり目を考える時も里帰りしないかなという話になっているほど良い思い出になっています。

さいごに会社、ありがとう

こんな素晴らしい時間をくれた会社に感謝したいです。
同僚に何人か育児休暇を取得した人がいて「めっちゃ良いので取るのをおすすめしますよ〜」と言ってくれたし、上司に希望を伝えると「ぜひ取ってください!」と快諾してくれたし、とても感謝しています。

私の育児休暇中に大きいプレスリリースがあり、「おお、こんな大変な時期にすまない...」という気持ちもありましたが、今はそんな状況でも育休の取得に快諾してくれた会社に恩返ししたいという気持ちで働いています。

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あと心残りなのは、いまだに両家のご両親に直接孫を見せられていないことなので、早くこの状況が落ち着いてくれることを祈っています。

この記事をもって誰かのなんらかの参考になると幸いです。

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