2020年読んだ本
毎年年末にその年読んだ本を振り返っておくと数年後に楽しい思いができるかなと思って毎年振り返ることにしています。
2019年はこんな感じでした。
Design It!
2019年はソフトウエアの設計でとても苦労した年だったのですが、渡りに船と言った感じで訳書が出たので飛びつきました。
こうすればよかったのかーと思えることがたくさん書いてあって、設計スキルが成長できた...のではないでしょうか...そうであってほしい...難しいよね設計...
アメリカ黒人の歴史
恥ずかしながら30歳をすぎてようやくヒップホップにハマるという遅咲きな私だったのですが、N.W.Aが歌ってたことの課題感ってケンドリックラマーのgood kid, m.A.A.d cityでも全然解決されてねえなと思い、そういえばこの辺の背景ちゃんと知らなかったなと思い手に取りました。
この本を読んだあとBlack Lives Matterがあってより強くこの問題の難しさを感じ、歴史を学ぶことの重要さを改めて実感した本となりました。
MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣
ビジネスサイド(あんまりこの表現は好きではないが便宜的に)の人たちが話していることがわからんという気持ちがあり、同僚の方がお勧めしていた本を手にとってみました。
わかったのは、プログラミングとかと同様に一冊本を読んだだけで何かがわかるようになったりはしないということです!
とはいえめっちゃ平易な解説で初心者の私にとっても読みやすい本でした。
Web API: The Good Parts
社で輪読会をした本。
結構前(2014年)の本なのでどうかなあと思っていたのですが、かえって良いWeb APIの設計というのは枯れた技術であるということを実感できてよかったです。
ジョイ・インク
スクラム界隈で盛り上がっていた本。
読みながら弊社割とJoy, Incに近いなあと思ったりしてました。
プラグマティズム / プラグマティズム入門
名著「達人プログラマー」は原著では「The Pragmatic Programmer」というタイトルで、じゃあプラグマティックってなんやねんということでジェイムズの本を手にとりました。
が、哲学の原著に果敢に突撃して読破できるほどの哲学力を持ち合わせていなかったので早々に入門書に移行させていただきました。
プラグマティックな方法なるものは、なんら特殊な結果なのではなく、定位の態度であるに過ぎない。すなわち、最初のもの、原理、「範疇」、仮想的必然性から顔をそむけて、最後のもの、結実、帰結、事実に向かおうとする態度なのである。
W.ジェイムズ,桝田 啓三郎. プラグマティズム (Japanese Edition) (Kindle の位置No.907-910). Kindle 版.
プラグマティックがどういうことかわかるようになり、自分の考え方とも近い部分があるなあなどと思ったりしました。
トヨタ生産方式
経営学部生が大体1年生のときに読まされる本なのですが、当時全然面白くなかったという印象だったので逆に今読んだら面白いんじゃねと思って読んでみた本。
ある意味アジャイルの走りっぽい感じがしなくもなくて、普通に面白く読めました。経営学部ってある程度社会人経験を積んでから入ると一気に面白い学部になるのかもしれないし当時の私の勤勉さがまるで足りなかったのかもしれない。
明け方の若者たち
先輩やし読んどかなあかんかなくらいのテンションで読み始めたらめちゃくちゃ面白くてついエモいnoteを書いてしまいました。
男の子の名前事典
子の名前を考えてた。
論文の教室 レポートから卒論まで
文章を書くことに行き詰まりを感じていたところ社のCTOがお勧めしていたので読んだ本。
論文の書き方って組織で何か伝えるために話したり書いたりするスキルと近似していて、自分の意見に説得力を添えて伝えるためにどうすればいいかみたいなことがわかるようになった気がします。私はレポートのクオリティが著しく低いタイプの学生だったので、過去に戻れるならほんまああいうの大事なスキルやからちゃんとやるんやでって伝えてあげたいです。
超速!Webページ速度改善ガイド
フロントエンドの速度改善について何も知らないなと思ったので手にとった本。
ボトルネックになりがちなところが羅列されていて知見が広がりました。
はじめてママ&パパの妊娠・出産 育児
インターネットで調べると不安を煽るような情報が多く結構メンタルに来るので、夫婦で一緒に参照できる物理本を買ったのは大正解でした。
科学的に正しい子育て
ちゃんと研究に基づいて話されている子育ての本って少ないなと感じる中で求めてるものに近そうだったので読んでみた本。
この本のおかげで「ケーキ食べると乳腺炎になるらしいんだけど」と心配する妻に「それ大丈夫らしいよ」と教えてあげて罪悪感なくケーキを食べることができました。
本ではないんですがNetflixの 赤ちゃんを科学する も求めていたコンテンツに近くて面白かったです。
DNSがよくわかる教科書
これまでちゃんとDNSを触る仕事をしたことがなくて雰囲気でゆるふわな理解だったのでちゃんとしようと思って読みました。
私のような雰囲気理解野郎にはうってつけの本でとてもよかったです。
ザ・ゴール コミック版
読んだ方がいいんだろうけどそこまでリソース裂けねえなって本をコミックで読むの超いいなって思いました。
これ読んで以降TOCって当たり前なんだけどいろんな場所で引用されたり参照されたりする概念なんだなって思うようになったりしました。
餃子やと高級フレンチでは、どちらが儲かるか?
かつて簿記の授業で目も当てられない点を叩き出した私でも会計の基礎を理解できる良書でした。
たぶん、これを基礎にしてじゃあソフトウェアを売る会社だったらこういう風に考えるよね、みたいなことを学び始めるとより血肉になるんだと思う。思うだけで血肉になったりしないかな。
ユーザビリティエンジニアリング
UXについて知ろうと思って手にとった本。
これまでUXってなんかいい感じのイケてる人がいい感じにイケてるデザインをするっていうイメージだったんですが、この本の多くは調査方法・評価手法にさかれていて、正直こんな泥臭いんだって思いました。
イケてる人がいい感じにやるっていうイメージは180度覆されて、いかに全力ユーザーと向き合うかなんだなあと思い、私の中のIKKOさんが「本質〜」と叫びました。
Clean Architecture 達人に学ぶソフトウェアの構造と設計
正直この本の印象はQiitaか何かでみた玉ねぎの図でしかなくて、まあ読まなくていいかなと思ってたんですが、t-wadaさんがお勧めしていたので読んでみたら、これまでのソフトウェア開発の歴史において良いとされてきたアーキテクチャとはなんだったのか、それらの共通点はなんなのかという話がメインでめちゃくちゃ学びが多い本でした。
これと「オブジェクト指向設計実践ガイド」と交互に読むとかなり腹落ちがありました。
ザ・ファシリテーター
会議をスムーズに運営できるようになりてえなあと思って読んだ本。
一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書
高校のときに世界史を選択しなかったために世界の歴史がサピエンス全史に書いてあることしかわからないマンになってしまったので、ちゃんとするために読んだ本。
全然教科書感はなくて読みやすくておすすめなんですが、絶対に忘れないことはないです。人はすぐに悲しみ、痛みを忘れる。そういう生き物。
近代中国史
これめちゃくちゃ面白かったです。史実だけじゃなくてそのときの人々の経済活動について話すことで点と線がつながり、最後らへんはもうコレ伏線回収系やんってなりました。
自分の国の常識で他所の国の価値観にアレコレ言うのほんま良くないなって思うなどしました。
ヨーロッパ近代史
最近哲学や思想などに興味があるので、その辺の時代背景を詳細に知れてよかったです。
組織デザイン
とてもよかったの弊社のアドベントカレンダーのネタにするなどしました。
僕は君の「熱」に投資しよう
スタートアップのマジで最初の最初らへんの世界観がめちゃくちゃ良くわかる本。
ソフトウェアエンジニアをやっているとよく創業期のメンバーが書いたコードを保守するのが辛い論とか聞こえたりしますが、マジのスタートアップな世界観で死ぬ気でやるってどういうことか理解すると尊敬しか生まれず建設的な会話しかできなくなるので良いです。
Engineers in VOYAGE - 事業をエンジニアリングする技術者たち
会社の技術紹介というと割と「こんなモダンな技術をつかってイケてまっせ〜」みたいな話が多いと思うんですが、これはめちゃ生々しいんだけど頑張って事業を良くしていくみたいな話でとてもよかったです。
これ読んで触発されて書いたのが「STORESってMongoDBを使ってるらしいけど正直どうなの?」だったりします。
新コーチングが人を活かす
前職とかでコーチングの研修を受けさせられたりしたんですが、あれって本当に一般的なコーチングと乖離はしてないのか確認するために読んだ本。
乖離はしてなかった。
パーフェクトRuby on Rails
特に10章以降に必要を感じていた知見がつまりまくっていて大歓喜していました。
合わせて texta.fm を聞くとめちゃくちゃ勉強になります。正直このポッドキャストが2020年最もためになった知見ランキングナンバーワンです。
哲学がわかる 形而上学
プラグマティズムを読んで以降なんでもかんでもプラグマティックに解決しようとする自分に気付き、もしかしたらマズいかもしれんと思って読んだ本。
抽象的なものを考えるのが苦手という自覚があったので、読んでる途中も「これは...本当に...入門書なのか...」という気持ちになっていましたが、頑張って最後まで読んだらなんとか入門させてもらえました。
筆者がフラットな視点を持っている人っぽくて離脱しそうになるところをそっと引き戻してくれる感じが心地よかったです。
数学序説
センター試験の範囲しかちゃんと数学を勉強していないので、いい加減高校数学やろうと思って参考書をやってみるけどなんかイマイチやる気にならなくて、なんとかならんかなあと思って手にとった本。
数学という学問の全体が掴めるだけでなく、世界史や哲学と数学が結びつき、いかに数学が面白い学問かが理解できるようになって「そもそもなんでこんなこと勉強すんのよ」という気持ちが無くなる良書でした。
Clean Agile
アジャイル界隈で話題になっていたので読んだ本。
アジャイル系の本の中ではこれまで読んだ中で一番現実に即していて良い本だなと感じました。かなりお勧めできる一冊です。
希望はプロジェクトキラーだ。希望を持つとソフトウェアチームがマネージャーに進捗を誤解させてしまう。マネージャーがチームに「進捗どうですか?」と聞くと、希望があるので「順調です!」と答えてしまう。希望はソフトウェアプロジェクトをマネジメントするのに最悪の方法だ。アジャイルは早い段階から希望を殺し、継続的に冷たくて厳しい現実を提供する。
Robert C.Martin,角 征典,角谷 信太郎. Clean Agile 基本に立ち戻れ (Japanese Edition) (Kindle の位置No.651-654). Kindle 版.
選ぶ前に知っておきたいマンションの常識
マンション...選ぶのか...マジか...
問題解決力を鍛える!アルゴリズムとデータ構造
私がこういうの苦手すぎてナップサック問題の解法を腹落ちさせるのに1ヶ月かかったのでこれ読み切るのは数カ年計画になることを覚悟しています。
決済サービスとキャッシュレス社会の本質
ソフトウェアエンジニアとしてクレカ決済を抽象化された何かとして扱うことはあったのですが、この辺はちゃんと知っておかないといけないなあと思いました。
クレカ決済を扱う事業者としての責任みたいなものを感じるなど。
実践・倫理学
ふと気になって読み始めたのですが、世の中には形而上学的な考え方をしないと解決できない問題が多々あるのだなと思い知らされました。
まとめ
2020年は家にこもることが多く、結果いろんな本を読んだ気がします。
来年もいい本を読みたいなという気持ちと、もっと遊んだりいろんな人と話したりするのに時間がさけるようになりたいなあと思ったりしました。
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