クラロワでポルトガル人のクランに入った話

最近寂しくてクラロワを始めた。アリーナ9まで来て、知らないやつからクランへの招待が来た。外国語なのでチーム名も理念も読めなかったが、まあ行くかと飛び込んだ。

クラロワには寄付という制度があって、同じクラン内で「このカードがほしい」って言ったり「じゃああげる」って渡したりできる。単なる交換というだけでなくこれをやると微妙にボーナスが入るのでみんなやる。

僕も例に漏れずそのクランで寄付をやった。欲しいカードを募集しながら、仲間のポルトガル人に欲しがっているカードをあげた。クランに入って2、3日くらいの間、寄付をもらうより渡すほうが多かったがまあ初期投資的にこんなもんかなと思いつつ積極的に参加した。合間でポルトガル語が飛び交っているが僕には何のことかわからない。2行くらい手打ちでグーグル翻訳にぶち込んだらなんか微妙な翻訳が返って来て、ネットの砕けた会話を訳せるものではないと諦めた。疲れるし。

数日経って、僕はクランで一番アリーナランクの高い人間になった。同時に寄付数もクランで一番になった。いいのか? と思いつつも無理に下げるのもどうかと思っていたところ、その数日後にクランのリーダーが脱退した。去り際にポルトガル語で何かをたくさん書いていて、これは脱退理由がわかるかもしれない、と手打ちでグーグル翻訳にぶち込んだが、微妙な翻訳が帰ってくるだけでよくわからなかった。かろうじて「去るのは悪いことではない」と言ってるのがわかったくらい。僕の予想では、見ず知らずの日本人にランクを抜かされてしかも会話が通じない、もうクランやってける自信ねえよお、ってことかと思っていたが、微妙な訳をどう読んでもそんなニュアンスが見当たらない。

結局彼は何故脱退したのだろうと疑問に思いつつ、同時に代わりのリーダーは誰になったのかなと見てみた。なんと僕だった。

僕は知らないポルトガル人たちのクランのリーダーになっていた。

やれるはずがない。

僕は意を決して、英語でこう書いた。

「僕は日本語と英語しか読めないので他の人間をリーダーにしようと思う sonecaをリーダーにしてもいいか?」

sonecaというのはメンバーの一人で、僕を除くと一番ランクが高い人間である。

僕は返事を待った。たどたどしい英語が通じたろうか。

数時間経って、一人のメンバーが黙ってクランを脱退した。ヤバい。僕は何かを恐れた。もう終わりだと思った。僕には収拾がつけられない。

そもそも僕のせいなのかどうかもハッキリわかっていないが、すぐにsonecaをリーダーに昇格させ、僕はクランを脱退した。

それから数日経って、寂しい気持ちを引きずっている。言葉の通じないポルトガル人でも(もしかしたらスペイン語だったかなあれ よくわかってない)、一緒にフレンド戦をやってエモートを投げ合ったり、寄付を贈り合うのは楽しいものだった。

また一つ、インターネットから居場所を失ってしまった。僕は遠い目をしながら、彼らのいないクラッシュ・ロワイヤルが僕の目に色褪せていくのを悲しんでいた。

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