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【第6回】地域における空き家管理事業という仕事

お世話になります、森本です。

さて、前回レアケースな転職のお話を書かせて頂きましたが、今回は空き家管理事業という小松組が取り組んでいる事業について書かせて頂きたいと思います。

ただ、冒頭に申し上げておくと、空き家管理事業は開始3年経過後もよく言えばスタートアップ段階であり、最近になってふるさと納税などでお申し込みも頂く機会も増えましたが、この事業が収益の柱になっているとは言えない状態です。早めにぶっちゃけときます(笑)

なので事業の話に加え、西粟倉の空き家問題の実情を追加的につらつらと書かせて下さい。

家、田んぼ畑、墓、なんでも管理お任せあれ!


小松組の空き家管理事業は主に西粟倉村にある家屋などで、村外に出ていて普段誰も住んでいない、と言う様な方を対象としたお家の管理を代行させて頂くサービスです。家屋だけでなく、田畑やお墓の管理も行なっています。実際家の管理よりも、お墓の管理を任せて頂く方が多く「お墓管理事業」と言う方がしっくりくる位管理をさせて頂いております(笑)

家屋に関しては流石に村の会社と言えど、おいそれと家に上がらせて頂くことは叶いません。

また、お墓は雑草や暮石の汚れなど目に見える形で掃除の必要性がある為、盆、正月、彼岸などの管理のニーズは非常に高いです。西粟倉は山際にあるお墓が多く、ご高齢になり重い物を持って上がれないので簡単な掃除と水を変えるといったご依頼も多く頂いております。

家は放置しても劣化しないでしょ?

答えはもちろん「ノー」ですが、明確にここがダメになるという、暮石のコケ汚れの様な外観的にインパクトのある変化は中々ないものです。

しかし、カビ、シロアリ、雨漏り、水道管のサビ…などが長年積み重なり、取り返しがつかなくなったり、多額の修理費がかかるといった事が突然やってきます。

管理したら劣化は止まるの?

明確に「イエス!」と言いたいですが、確実なデータがないのが悩みです。

実際、窓・扉を空け通風する、水道を流して管の水を入れ替える、冬場は水抜きをして凍結や破損に備える、シロアリの痕迹を確認する、台風・大雨や大雪後の被害確認…なんかをやらせて頂いていますが、同じ家は2つとして無いので(建売でも気候や携わる職人さんでも誤差が出ると思います)、劣化止まりましたよ!と大手を振っては言えないのです。

ですので、家の管理の意識を大家さんに高めてもらうしか無いのが実情です。

空き家は多くても住居不足が深刻すぎる


さてさて、小松組が空き家管理事業を始めた背景としては、西粟倉の住居不足を中長期的に解決するという思いがありました。

僕が移住した2016年頃は移住者の住居不足がピークになっておりました。単身世帯が増えた為、世帯数は過去最高を更新し続けているという、移住者が増えている地域の一つのベンチマークとなっている数字が大きな理由です。

当時は貸せる空き家はほぼ賃貸に回っているという雇用対策協議会、役場の方々の頑張りがありました。それも限界に達した為、現在は国民宿舎のシェアハウス化(未使用の旧棟の9部屋程を修繕)や住宅の新築というフェーズに移行しています。

とは言え、過去のアナウンスの成果や賃貸物件数の実績などから賃貸してもいいと言う大家さんが申し出てくださる為、小松組が窓口となって、業者さんの手配や片付け作業、現場管理も3年で5件程携わらせて頂いております。

西粟倉は賃貸物件の修繕などで補助金が出るので修繕費用の負担のハードルがそこまで高くないのも魅力のひとつです。

その方のライフスタイルに応じて家の管理が大変になった時の担い手として、家へのダメージを減らすと共に無縁仏の様な家を無くす事を当面のミッションとしています(村の人の観察眼は鋭いのでそんな状況になっている空き家は少ないですが笑)。

空き家≠古民家の西粟倉の空き家問題のこれから

こっそり空き家問題を呟いてた僕のツイッターアカウント(@akiya_cons)です(笑)

当時から古民家改修で空き家問題を解決みたいな記事をよく見かけたのですが、実際は大きな梁を見せる様な立派な古民家は絶滅危惧的に無くなっており、「今っぽい家」がこれから空き家の主役になっていくと思われます。

実際空き家管理事業を始めるにあたり全戸調査をした際、約50軒がお盆や正月に帰省する為普段は住まれていない家屋でした。それらの家は古民家と言えるものは少なく、管理のしやすい「今っぽい家」です。

管理される方の高齢化により帰省する事が困難になっていく方も増えていくと思われますので、この50軒(現在は少なくなっている)が空き家予備軍となっていると言えます。

こういった事も踏まえながら、これからも事業邁進してまいります!


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