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ドラクエ3の世界から物価を通してロトシリーズの世界観を見る

ドラクエは学びの多い良いゲーム

ドラクエの世界の基本となるロトシリーズは、ドラクエ1~3の三部作となっていますが、時間軸では、ドラクエ3、1、2という順番になっています。

ロトシリーズの始まりにあたるのがドラクエ3の世界となります。

これまで、ドラクエ1「ドラクエ1の世界を現代の物価にしてみた」、ドラクエ2「ドラクエ2とドラクエ1の世界を現代の物価で比較してみた」と見てきたので、最後はドラクエ3で締めたいと思います。

ドラクエ3は、地球のような上の世界と下の世界と呼ばれるアレフガルドに分かれています。

太古の昔に神々に選ばれたものたちが、理想の新天地アレフガルドに移住し、その数百年後が、ドラクエ1の世界となります。

時間軸でいうとドラクエ3のラダトーム王はラルス1世で、ドラクエ1ではラルス16世となっています。(ドラクエ2は不明)

徳川幕府が家康から15代慶喜までで260年、室町幕府も15代足利義昭までで330年ほどと考えると、時間差は約300年ぐらいといえそうです。

なので、一番過去のドラクエ3から、ドラクエ1を挟んで、最後のドラクエ2までで約400年ほどです。

今回も、ドラクエ1(リメイク版)を基本とした1G=400円として、まずは宿屋から見ていきたいと思います。

あくまでお遊びの範疇なので、細かい点の不備はご容赦ください(笑)

ラダトームの宿屋の衝撃価格

ドラクエシリーズのスタート時点での宿屋というのは、所持金の少なさを考慮して、泊まりやすい金額に設定されがちです。

ドラクエ1のラダトームでは1泊:3G=1,200円、ドラクエ2のローレシアは1泊:4G=1,600円でした。

今回の物語の始まりのアリアハンの宿屋は、1泊:2G=800円と簡易宿泊所なみの低価格で提供されています。

ドラクエ1の時よりも、33%ほど安くなっていることから、ドラクエ3の世界の物価は、ドラクエ1の時代より低いと考えられそうです。

ロトシリーズの宿屋の料金を基準にしてみると、物価は緩やかに右肩上がりのようです。

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ただ、アレフガルドの王都でもあるラダトームの宿屋は1泊1G=400円と、スタート地点のアリアハンよりも安くなっています。

これは、近隣に大魔王ゾーマの城がある事が影響しているに違いないと思います。

悲しいかな、その後も、その城には竜王の一族が住み続けるので、もう事故物件のようなものです。


          DQ3     DQ1     DQ2
ラダトームの宿屋 1G=400円  3G=1,200円  2G=800円


ちなみに、メルキドの宿屋は、ドラクエ3でも1泊25G=10,000円なので、どの時間軸においてもラダトームの宿屋の安さはピカイチです。


庶民の味方のこんぼうも安い

当時の上の世界には、武具及び防具メーカーが多かったのか、種類が豊富なうえ、値段も全体的に割安でした。

庶民の味方のこんぼうも半額の30G=12,000円ほどで販売されていて、物価が安い事が分かります。


      DQ3      DQ1      DQ2
こんぼう   30G      60G      60G
どうの剣   100G     180G      100G
はがねの剣 1300G     1500G    1500G


また、防具の多くも、20~50%ほど安く販売されていました。

ぬのの服はセットアップで10G=4,000円となると、GUぐらいの価格帯でしょうか。

傾向として、時代の需要と供給の関係で、値段は上下しているようです。


     DQ3    DQ1   DQ2
ぬのの服  10G    20G    31G
かわの盾  90G    90G    90G


しかし、唯一、かわの盾だけは、この400年の間、90G=36,000円と変わらぬ値段で販売されて続けました。

まるで、うまい棒が「子どもへの恩返し」という理由で価格を10円に維持しているように、かわの盾メーカー側の信念を感じます。

ただ、微妙にサイズが小さくなったり、薄くなったりはしているとは思います。


転職の自由度が低い世界

ドラクエ3には、転職を司る「ダーマ神殿」と魂の蘇生を金銭で行う営利団体である「教会」が、上の世界に存在しています。

下の世界のアレフガルドにも、ラダトームとリムルダールに、すでに教会が進出していました。

ドラクエ3の時代の転職は、ダーマ神殿まで行かねばならない上に、現在の職業をレベル20まで研鑽していないと認められません。

インドのカースト制ほど厳格ではないものの、この世界では神の名のもとで転職の自由を制限されています。

しかし、ドラクエ1の時代の新天地アレフガルドにおいては、その制度は撤廃されており、ドラクエ2の時代にも、転職する権利への干渉は復活はしませんでした。

教会についても、ドラクエ1の時代には、ラダトームの王が魂の蘇生などの権限を掌握していましたが、100年後のドラクエ2の時代には教会勢力により権限を奪われており、教会は世界中の街に進出し繁栄を極めました。


      DQ3    DQ1    DQ2
聖水     20G    12G    40G
教会の存在  〇     ×      〇


そして、教会の繁栄している時期と、聖水の値段には相関関係がみられるようです。

新天地として創られたアレフガルドの理想と現実が表れているようで興味深いです。


ぱふぱふは無料サービスだった

ドラクエといえば、「ぱふぱふ」を抜きには語れません。

ドラクエ1や2にも登場する素敵なサービスの起源は、ドラクエ3のアッサラームにあります。

しかし、この当時のぱふぱふは、長旅の疲れを癒すために男性が無料でマッサージを行う現代の整体に近いものでした。

それが、時を経るうちに、女性が行う有料の別のサービスへと変化していたったようです。

そして値段も0Gから最終的には100Gまで大きく高騰しました。ダントツの値上がりです。


      DQ3    DQ1    DQ2
ぱふぱふ   0G     50G    100G

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それは、かつて昭和の日本に存在したトルコ風呂というサービス名と同じ雰囲気がします。

トルコ風呂も、ローマ時代から公衆浴場の文化を、オスマントルコが引き継いで、現代まで受け継がれたハンマームの日本語訳でしたが、いつのまにか大人のサービス名に使われてるようになってしまい、最終的には日本とトルコ間の国際問題に発展しました。

ぱふぱふも、上の世界からアレフガルドへと伝わる際に、サービス内容に変化が起きたのか、従来あるサービスに外来語であるぱふぱふを充てたのかのどちかかもしれません。

ちなみに、ドラクエ3のアッサラームも、現代のトルコ周辺に位置しています。何やら製作者の意図を感じます。


あらためて勇者一行による被害額を算出

ドラクエシリーズの醍醐味として、城や街、村で、タンスやクローゼットを開けたり、樽や壺を破壊して、アイテムを収集できます。

ただ、これは、ほとんど持ち主の許可を取らずに行っていますので、現代であれば、間違いなく窃盗罪という犯罪です。

例えば、ドラクエ3のスタート地点のアリアハンで、勇者たちによる被害額は、総額:348G=139,200円となります。

被害額
ちからのたね:240G=96,000円
ちいさなメダル×2:非売品 
毒けし草 :10G= 4,000円
ラックのたね:60G =24,000円
やくそう:8G= 3,200円
お金: 5G= 2,000円
お金 :25G =10,000円
合計 :348G =139,200円


円換算してみると、その額のまあまあな大きさに驚きと、罪悪感を覚えます。

4人パーティで城や家に乗り込んで、奪っていく様は、窃盗団や強盗団、まさに賊です。

しかも、盗賊のカギを手に入れると、さらにエスカレートしていきます。

さらに、敵の城でも、略奪の限りを尽くします。

ゾーマ側の被害額は、国宝級のちいさなメダルと賢者の石を含めて、総額:8,303G=3,321,200円です。

被害額
もろはの剣 :5,000G=2,000,000円
ちいさなメダル×4 :非売品
いのちの石 :800G=320,000円
賢者の石 :非売品
世界樹の葉 :3G =1,200円
いのりの指輪 :2500G=1,000,000円
合計:8,303G=3,321,200円


国からの支援を受けれないので、物資を現地調達しなければならないとはいえ、敵を倒して宝も奪うなんて、まるで中世ヨーロッパのバイキングのような所業です。

童話の桃太郎に関する最近の評論のように、ここで正義というものは何かを深く学べます。


まとめ

ドラゴンクエストシリーズは、子どもが社会のシステムを学ぶ良いゲームだったりします。

例えば、ドラゴンを倒す専用武器「ドラゴンキラー」ですが、1本15,000G=600万円もする高級品です。

この武器の元を取るためには、1匹107G=42,800円のドラゴンを、140体以上倒す必要があります。

しかし、11,250G=450万円で下取りしてくれる事を見込むと、実際は36匹ほど倒せば元をとれます。

手持ち資金が少なくても新しい武器を手に入れる事ができているように感じます。

まるで新車購入の「残クレ」のシステムのようです。

このような現代を彷彿とさせるような設定を見つけるのも、ドラゴンクエストシリーズの魅力の一つです。

ドラクエ1~3を、現代の物価を通じて見直してみると、とても魅力的な世界観だと再認識できました。

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