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渋皮煮記2020(前編)

秋です。
秋だけど冬真っ盛りな光景が楽しめるポケモン剣盾DLC冠の雪原が配信されたことが記憶に新しい今日この日ですが進捗どうですか? 私ですか? 最初の草むらではしゃいでキャンプしてカレー食ってはしゃいでます。何夜目かはもう知りません。光る子に出会うまでカレーは食います 出ません おまもりとか知らん知らん

さて光っても光らなくても現実で雪が降る前にゲームを置いてやらねばならないことが、人にはあります。

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はい。栗です。

栗おいしいよね。栗は好きです。毎日栗ご飯で良いくらい好きですが新鮮な拾い立ての栗が手に入るのはやはり秋だけです。秋しか見れない光景です。
どうですかこのロマンが詰まった光景。積まれているのはマロンですが。わはははははは

じゃあ渋皮煮を作ります。

数年前からチャレンジし始めた渋皮煮。今年もやります渋皮煮。渋皮煮は好きですか? 私は煮込むことを楽しみに生きています。

さて事前準備として、県内某所の直売所から2キロ程度仕入れてきたこの栗をですね。持ち帰ってすぐに熱湯で1分ほど釜茹でに処して、虫止めを施しました。
スーパーの既になんかしらの処理してあるだろう栗とか、すぐに茹でるつもりの栗とかなら良いのですが、置いといた栗が虫に食われて……なんていう悲劇は栗にはよくあることです。のでそういう処置を念のためやっといて、干してよく乾かして、これを袋に入れ結露しないよう口を開けたままの状態で野菜室にぶちこんどきました。二週間。
一応この行為はですね、栗は野菜室で三日とか一ヶ月とか寝かしとくと甘味を増すのだとかそういう噂話に基づいたあれですけど単純に渋皮煮はくそ時間泥棒レシピなので今は無理だなちょうど良い日にやろうって置いといたら配信日来てゲームとかで忙しくてでも限界の一ヶ月置いとくと野菜室のスペース的に邪魔問題が出てくるわけでいい加減どうにかしろって状況になるわけで、まぁ二週間くらい置けば甘くなってるかな。そんか感じです。

初日と二週間後とで茹で栗を食べ比べてもみましたが、糖度の違いを感じられたかというとこの鈍感舌ではうーーん……まぁ……………………、砂糖で煮ればどこまでも甘くなれます。茹で栗はうまい

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剥きます。

こういう剥く道具があるので使うわけですが、もちろん包丁でも構いません。
栗の剥き方は様々あると思うので各自で己に合うと判断した方法でやるべきです。今年の私の場合は検索結果を参考に、沸かした熱湯に五個から十個くらい、まぁこれくらいなら一気に剥けるかなという量をボトボト入れて一杯お茶飲んでから熱された鬼皮を剥いていく流れです。あんまり入れると剥いてる内に冷めますので、都度お湯を沸かし、冷めない内に剥ける量を剥いてく、という感じで。
火傷注意、というより剥いてたら包丁持ってる指にタコできるので軍手は必須。

さて渋皮煮というのは、つまり渋皮ごと煮るということです。

渋皮、鬼皮というメイン皮の下にある渋いやつ。この薄い皮だけを残したいわけですね。
この渋皮は非常に繊細です。傷付けてはいけません。ほんの僅かでも傷付こうものならそこから煮崩れてしまいます。この皮剥きが最難関と言っても良いくらいです。逆にここを乗り越えればもう煮るだけです。勝てます。ちょっとうそです。でもマジで一番めんどくせーところです。
固い皮だけを慎重に剥いて行きましょう。

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そう、こういう剥いたところから渋皮のさらに下の栗の身本体のお肌が見えてしまう状態はもう失敗も失敗でお前はよーーーー!一個目からよーーーーーー!!!!!!ほんとさーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!

一年もブランクがあれば仕方ないですね。

仕方ないのでこういうのは渋皮も完全に剥ききって栗ご飯用とします。

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はい。綺麗に鬼皮が剥けました。

だいぶ失敗してんじゃねーかっていうのは良いんですよ。
良いですか。何も全てを渋皮煮にするつもりはないんです。私は栗ご飯が食べたい。栗ご飯用のむき栗も用意することは確固たる目的の一つです。三分の一くらいはただのむき栗にしなければならないのです。最初からそのつもりでした~、良いんです~~~

剥いたらお水に浸けときます。なお軍手すごいやりづらいからゴム手袋に変えた

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どんどん剥きます

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最終的な勝者です。

だいたい……二個に一個の割合で……………失敗……………………、始めからそのつもりでした。目的は二つ。二つに別れて当然です。ちょうど半分ずつくらいの天才的な仕分けです。栗ご飯が増えたよ!!ヤッターーー!!!!!!!!^^

でこれを更に、一個ずつ確認していきます。手間ですがこれが馬鹿にできない作業です。
見逃していた傷、痛み、虫食い、そんなものを弾いていきます。
不自然な黒い穴が空いてたら高確率で虫がそこに居ますね。処したので死んでますけど。もう慣れたもので冷静にそこだけ切り落として栗ご飯行きです
あと異臭がしたら間違いなくどこか痛んでます。無事な部分があれば栗ご飯行き
失敗してたら栗ご飯行き
これもなんかだめそう?と渋皮剥いてみたけど完全に無傷の綺麗なやつだったのも真顔で栗ご飯行き

栗ご飯用は水気を拭いてジップロックなどに入れて冷凍庫行きです。おいしいよね。栗ご飯。

では残った真の勝者を配分を決めるため計量します。

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剥けた状態の渋皮栗 700g
に対し
砂糖 450g

というのが今回の決定分量です。
これは本当、人により様々なのですが砂糖は栗の60%が定番で、保存用にと考えるならさらにもりもり増やしていく感じでしょうか。
私も色々試してる途中です。あまりこれって%を決めてません。お砂糖は大好きなので500でも良いかなとも思ったけどどうせすぐ食うやろという適当な判断でキリ良く削減で。

醤油入りとかラム酒風味とか、試すには試したし美味しかったんですが結局シンプルな方が応用効くなと思ったので砂糖一本に絞りますけど仕上げに醤油とかラム酒とかそういうのは有り

なお写真の砂糖の茶色いとこは半分きび砂糖にしようかないや足りんかったわやめとこ、という迷いの現れです。茶色いお砂糖もコクが出てイイヨ!
分けてあるのは少ない方がちょうど全体の三分の一という点が伏線 別に伏線ではない

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いよいよ煮に入ります。

鍋(理想はホーロー鍋)に栗とたっぷりの水、そしてそれと一緒に入れるのが重曹小匙1です。

アクを抜き、かつ皮を柔らかくする為ですが人によっては重曹無しの方が栗の風味が残って良い、という意見を持つ世の中ですけど手間と消費時間が増えるわりに私の鈍感舌には違いが全然分からんかったので楽な道を選ぶ それが人間 好きな道を歩んでください。

煮たったら弱火にして10分。

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これが地獄の釜だよ

秋にだけ見れます。
さて渋皮煮の煮の作業にあたって、絶対遵守の三ヶ条があります。

・静かに
・優しく
・潤いを

栗ちゃんも繊細なので……………………。

まず静かに、とは煮込んでるときにグツグツグラグラ沸かさないで、ということです。絶対弱火。乙女心を揺れ動かしてしまうと鍋の中で勝手に傷付かれて後でこちらも傷付きます。

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火から下ろしたら、鍋肌に沿わすように細く優しく水を入れます。ジャバジャバやると傷付く
そしてもうひとつ、熱い内に空気に触れさせてしまうとあっという間に乾燥し固くなってしまうので、これも傷付く原因に

水が入れ代わり透明になったら、今度は重曹無しで煮ていきますがここで朝が近くなったので蓋をして一旦寝ました。人間なので。

ここから翌日作業です。

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掃除という作業に入ります。
冷めた栗の筋を取っていきます。なんだかんだで丸一日経過してるので冷めきってるわけですが……。
大きな筋はぺろっと剥き、あとまとわりついてる黒いモサモサを指で優しくゴシゴシこすって落としていきます。優しくです。爪とか長いと刺さって傷付くのであらかじめ切っとくか手袋しましょう。私は爪を切りすぎると巻き爪で痛いという不自由な体をしているので爪には甘くて何度か刺さった 泣いた

てかこれ水が白濁してるんですよね。どの子かが傷付いてる証拠だしそいつは煮崩れる可能性大なので取り出さなきゃなんですけど、犯人探ししてこの子らにつらい思いをさせるのも忍びないじゃないですか。私がつらいんですけど。これ以上栗ご飯を増やしたくない

ある程度綺麗にしたら別のボウルとかで水に浸けときます。潤いは常に。
まぁ筋の方は煮てる内に剥がれてくんでここでは神経質になりすぎず鍋に戻し、新しいお水でまた茹で10分、優しい流水晒し、お掃除。これを1セットとして、再度繰り返します。

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綺麗にしたやつです。

こびりついたものや細かい溝などは爪楊枝で落としました。あんまりゴリゴリやると傷付いて泣く もうしょうがない 先生誰一人欠けることなく優勝したいです ちょっとの傷は目こぼしします。

二、三回はやって茹でても水が濁らない状態まで持っていくのがベストっぽいです。重曹無しだともう何セットか増やすと良いです。うちの子はなんかどうしても白濁するので諦めました。大丈夫大丈夫 崩れてなければなんとかなる

というかなんとかなりそうなくらいに固かったんですよね。
煮崩れるのは柔らかくなったからだと思いますが、固いと当然ながらあんまり崩れません。栗の種類によって茹で加減は調整すべきでしょうね。
というのも、柔らかい渋皮煮が食べたいならここで柔らかくしておく必要があるからです。
覚えておきたいポイントなのですが、栗は砂糖が入るともう柔らかくはならないそうです。むしろ下手すると固くなります。浸透圧とかなんとかで。

初めての渋皮煮、めちゃくちゃ固くてまるでゴム噛んでるみたいでした。あんなのはもういやだ

というわけで味見。アク抜きに関しては放置してたのもあり、もう良いかなっていうのはあったんですが、柔らかさも要チェックです。渋味と柔らかさを確認をします。個数が減るの勿体無いけど大事です。固いです。もっかい茹でました。
軽く数十分ゲームしてる間に茹でてみて、これはこれ以上柔らかくはならんのではと思ったので区切りを付けて、もう蜜での煮に入ります。

ここで取り分けてた三分の一の砂糖の答えなんですけど。
栗の柔らかさを保つために、砂糖は三回に分けて加えていきます。

栗が浸かるであろうくらいの水と三分の一のお砂糖を火に掛け、アッツアツの蜜を作ります。

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そこに潤いの中に避けといた栗を戻し、一煮立ちさせ、蓋。

これちょっと水多かった気がする。最終的に煮詰めればええからええやろ わはは

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鍋かわいいでしょ。

はい。じゃあここで人間は寝ます。その間に栗も寝ます。ここまであたかも渋皮煮のレシピ記事のように書いてるものの実際のところ成功するかどうか現時点では全く謎のただの体験記です。怖いですね。

後半に続く おやすみ