クリスマスが来るのでシュトレンが食べたくなって梅酒シュトレンを焼いた話
さて冬です。
12月、アドベントな期間に入ってそこそこ経過したこの頃ですが私も日本人のお祭り感覚で生きている一人なのでひゅー!いっちょクリスマスっぽいことしちゃるか!! みたいな盛り上がりは心の中に得るもののクリスマスとは本来何たるかという話はまた今度してください。シュトーレンが食べたい。
ところで覚えてますか? 梅酒ケーキを私は作りたかったそうです。残念ながら私は覚えています。作らないまま夏過ぎてゆく年くる年まぁいっか。そういうこともある。梅酒なんて寝かせる程良い説があるのだから来年とかに作れば良くなくなくないですか?
というわけで梅酒ケーキの為の仕込み、ここで使わせていただきます。
じゃあやろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
~1日目(準備)~
柚子です。
分解します。
使うのは皮
これを一晩水に浸けておくと苦味が抜けるらしいのでそうして、それを茹でこぼしていくわけなのでここで既にもう一晩が消費されているということですが便宜上1日目ということにして良いとする 二回ほど茹でこぼします。茹でて汁は無慈悲にこぼす
刻んで重量の33%の砂糖で煮ます。
わたを削り取ると苦味が減って良いらしいですが、苦味は嫌いじゃないのとあと柚子を一個しかご用意しなかったので質量を確保したい気持ちで目立つ筋を取ってふにゃけた表面を軽~くスプーンで撫でとく程度にしました。余裕を持って材料は用意しましょう。
あと糖は30%で良いんだけどグラニュー糖を後でまぶさないことも考えていやほんとは別に考えなくても良いけど気分が良い感じの%にした 33、好きな数字です。好きなポケモンのおもさも33.3です。ダグトリオではない
弱火で汁がなくなる程煮詰めたら、これをクッキングシートの上に並べて乾燥させます。
フードドライヤー使うとか放置とかでも良いんだけどオーブンで低温で手っ取り早く乾かしても良いので、30分くらい熱してから夜まで放置した
中身は刻んでチンしてジャム 別で食べます
ゴールです。これで柚子ピールの完成です。柚子一個で総量33g 気分がよい。
進みます。
出~~~! 梅酒~~~~~!!
夏と秋を越え、見事な琥珀に色付きました。こいつが仕事してくれるってわけよ
なお蓋がなんかガチガチに固まってて開けるまで10分くらい消費した。保管は気をつけましょう
刻んだ柚子ピール! なけなしのクコの実!! なんかその辺に残ってたレーズン一握り!!!
を梅酒に漬けてターンエンドです。
1日目が終了しました。おやすみ。
さてここで柚子を選んだ理由の話です。
基本的なシュトーレン入れるものといえばレーズン、ドライフルーツとナッツ、そして柑橘ピール。
柑橘といえばレモンやオレンジですね。レモンもオレンジも好きなのでそれでも良かったのですが、今回使用するのは梅酒です。梅酒とくればなんか柚子の方が合いそう。日本的に。
それだけの話なのでじゃあ進めます。
~2日目(本番)~
いよいよシュトーレン作りです。
作り方、配合は様々なページを見てなんか適当に割り出しました。粉は全体で250g。マジパンを巻かずにアーモンドプードルを直で混ぜ込む方のやつで。普通に好きなレシピにそのまま従って作るのが安泰
中種を作るわけよ。
バターたっぷり、砂糖(ドライフルーツ)たっぷりの生地では元気な発酵ができないということで中種法が採用されがちです。
耐糖性のイーストがあるならそれが良いでしょう。無いからいつものやつ 俺は赤サフを信じてるからよ
人肌のぬくもりの牛乳で溶いたイーストで100g程度分けといた粉捏ねる
捏ねた。マグカップのはなんだっけ 水だっけ 飲んだかもしれん。たぶん水分は全部牛乳で良いです。80くらい あと忘れてたけど酒漬けフルーツの汁が余るからその分牛乳減らして入れてもいいかも、いやちょっとだけ加糖になるからどうなるかな 発酵しすぎに気を付ければ良いかもしれません。
これをラップかけて寒すぎる部屋の中で比較的ぬくいストーブの近くに置いときました。発酵させます。
その間に混ぜるものの準備
昨日作った梅酒漬けに加え、ケーキ用に夏から残してた梅酒レーズン。ケーキとか知らんのでこの為のレーズン。そしてクルミ、ナッツがちょっとです。
ナッツなんですが、クコの実漬けましたよね? あれセリアのミックスナッツとかいう製菓材料から取ったやつ。その余りがかぼちゃの種とアーモンドです。それです。
これ一袋分ですが二倍三倍あっても良かったくらいに少ないので、ほんと計画して材料は用意しましょう。レーズンもちょっと少ないです。でも初挑戦なので塩梅が分からず、あえて全体的に控えた面もあります。中身入れすぎて後悔とかよくやるので
あと大事なものがもうひとつ
何に見えますか?
ヘドロです。
ちょっと見えるけど違います。
梅酒と並んで作っていた梅シロップの出涸らしの梅の実を、刻んでちょっとの水と砂糖で煮たものです。
ジャムというほど柔らかくならなかったけどペーストと言えるほど一体感は無いしそもそもひっくり返しても落ちんほどガチガチに固いし、もう完全に謎の物体ですけどなんか漬け物の一種に見えなくもない
梅シロップの出涸らしの梅の実の味がするものです。これも混ぜることによりさりげない梅感を演出する
バター100gに砂糖と卵黄とアーモンドプードルと塩を混ぜます。
順番が良いですよ。このように横着をするものではない
お菓子作りにお馴染みの行程ですね。パンにあるまじき光景なのでなんかケーキでも作ってんのかという気分になりますがシュトーレンってそもそも何でしょう。
シュトレン(独: Stollen)は、ドイツの菓子パン。オランダ語ではストル(蘭: stol)とされる。国内で広く認知されている表記の「シュトーレン」は、ドイツ語の発音としては正しくない。
引用:シュトレン - Wikipedia
菓子パンです。
シュトレンですか。私プレッツェルのことプレッツェルって呼ぶしシュークリームはシュークリームだしスーシーって言われてもジャパニーズ発音イズ スシ!!! とは訂正しない日本人なのでシュトーレンのこともシュトーレンで良いですか いいよ
料理に戻ると、本当はここでお好みのスパイスを投入するのですが、今回は柚子と梅の香りをありのままに感じたかったのであえてのスパイス無しです。スパイスの無いシュトーレンも世界には存在してもいいよ
台に移動して残りの粉をぶちまけます。パン捏ねる用のマットとかなにかしらあれば良いけど無いのでテーブルにラップでやるスタイル
で二倍くらいに膨らんでた中種、卵黄バタークリームを配置。これをカードで執拗にザクザクしたり手でひねりすり潰したりなどしてムラがなくなるまで捏ねていきます。
ここで思い付いて渋皮煮2020の固くなったやつを刻んだ
出来た生地とフルーツ&ナッツと栗と梅の何かが合流します。
夏、秋の私の仕事が冬の私に託されたわけです。
いやこれ平面に見えるけど山盛りなので「いやこれ多くない???」てかなり半信半疑でこねくり回してたけど結論を言っとくと結局少なかったんですが、ぼろぼろ溢れる中身に怖じ気づかない勇気が必要です。世の中のレシピ見るとマジで膨大な量のドライフルーツとナッツを入れてるのでレシピは信じましょう。それで成立するからレシピになってる
混ぜたやつと混ぜる前に適当に切り分けたやつをまとめたら、ベンチタイムです。お皿とか洗います。
二分割。丸めたやつに切り分けてたやつを被せます。
で、これを慎重に伸ばすと、具が剥き出しになることが回避されるという寸法ですが伸ばすと伸ばされるわけですね
破れてちょいちょい剥き出しにはなる。
もうちょい量が必要でした。学べたのでこれは無駄な経験ではない
成形します。
はいそれっぽい!
それっぽいブラザーズ!!!
よく見るずらした二つ折り方式ですね。ラップかけて放置で発酵しまーす
三時間くらいの放置でした。まぁ台所寒いし…寒すぎて発酵ものんびりだし…発酵はよくさせたいし…夜ご飯とかしたし………、
なんか若干口が開いた。180℃で焼くよ
バターを50gほど溶かします。
溶かしたらそれっぽい形が終了してた
30分後。
焼き上がりですやったーーーーーーー焦げとるやんけ!!!!!!!!!!!!!!!!!
開いて形崩れとるやんけ!!!!!!!!!!!!!!、!!
焼きむらがめちゃめちゃある上に火力が張り切りがちなうちのオーブンのことを信じ過ぎてしまった結果がこれだけど信じることは救われます。学びましたね。それっぽさは儚い
泣きながら執拗にバターを塗る
塗りながら表面の固くて食べられなさそうな黒焦げの具を取り除きます。これを出さないための生地二重作戦でしたがまぁーーー良いでしょう 次回がんばりましょう
熱いうちにグラニュー糖をまぶしてターンエンドです。
これをラップに包んで2日目が終了です。冷ましがてら一晩寝かせるとかで。人は焦げ目の無いそれっぽい形のシュトーレンの夢を見るのか おやすみ
~3日目(仕上げ)~
丸一日寝かしつけた本体です。
ここで余分なグラニュー糖を落とすわけですがなんかほとんど落ちちゃった 熱とバターでくっついて固まる筈ですがそういうの全然無かったのでグラニュー糖とかいうやつは夢だったかもしれない。そもそもグラニュー糖無しのレシピとかは世界に全然あるので全然良いです。
オラッッッ!!! メインイベントだぞ!!!!!!!!!!
オラッッッ!!!!!!
オラッッッッッ!!!!!!!!!!!
はい これで裏と側面がコーティングされたのであとは上から心行くまで粉糖をふるいかけるわけですがこれは心行っちゃった後の姿
ようやくシュトーレンあるいはシュトレンと呼ばれる一般的なシュトーレンの姿に追い付いたわけです。どうですか。白くなるとそれっぽさが戻ってきたのではないでしょうか。
それをこのようにラップに包み、念のためアルミホイルでくるみ、ジップロックにつっこんで、乾燥させないように寝かせます。
これで3日目が終了しました。お疲れさまでした。
というわけでここからがシュトーレンのお楽しみ、寝かせれば寝かせる程味が馴染み熟していくのでそれを日々一切れずつ心行くまで楽しもう、というのがアドベントなシュトーレンの味わい方ですよ。
出来た! ヤッター!! ですぐに食べるものではないのです。
少なくとも3日は寝かせてからが食べ頃の開始です。しゃらくせぇな。
1日で開けた。
シュトーレンダ!!!!!!!!!!!!!
ヤッターーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
どうですかこのそれっぽさ。シュトーレンっぽいなぁと誰もが思う仕上がりじゃないですか。
さてこう見ると、盛り沢山と思った具材もなんだか予想より弾幕薄めに思えるというかマジで控えめだったんだなって人は気付きます。なるほどね。まぁそれっぽいのでこれはこれで良しとしても良い
ただ期待した効果が不発だった部分もあります。
見えますか。この色。
メリークリスマス!!! といえば赤と緑。断面でクリスマスカラーの演出が見たい! と思い赤と緑といえばの懐かしのドレンチェリーを探し回ったけどドレンチェリーまじで無くて、ここらの田舎スーパーでは絶滅だったし最近製菓材料が熱い100均各所ですら無かったのでドレンチェリー諦めて、クコの実とかぼちゃの種という緑と赤が入ってるミックスナッツにしてみてついでにせっかくなので全体的にどことなく和風の材料に寄せた流れが存在する
んですが、ふやけたクコの実は捏ねてたら潰れたし種も少なすぎて緑も気付けぬレベルで楚々とした断面が生まれました。うーん それっぽいから良し
実食です。
下手に掴めば崩れそうなもろさのある生地をつまんで頬張ります。
まず感じたのが柚子。それから柚子の独特の苦味を含んだ風味。なんかバター あと柚子。ちょっと酸っぱい梅っぽい味が来てクルミの香ばしさ、柚子。すごい柚子。
柚子が優勝です。おめでとうございます。
いやマジで柚子がぶっちぎりで口の中を駆け抜けて行きました。たった33gにして“勝ち”を掴むそのポテンシャルにおののくばかりですがこれもう柚子シュトーレンです。梅はまだしも栗とかレーズンとかましてアーモンドなんて居たのか居ないのかマジどこ行った???
スパイス/ゼロであることがここまで柚子を引き立てるとは思いもしませんでした。スパイス入っても勝ってた説あります。まぁ柑橘一族ってそういうとこある 侮ってた
アルコールは現役で、ほわっと酔わせてくるような気配を漂わせ、まぁ梅酒かと問われたら梅酒かどうかはわかんねーなと。
とはいえ数ヵ月寝て多少とがりが無くなった梅酒には洋酒のようなガツンとした前のめりの強さが無く、比較的控えめな具材面子をきちんと後ろから引き立ててくれているように感じます。たまに来る梅の酸味とクルミの甘さが味としての全体のアクセントなのでこれはほんともっと多くてよかった あとミックスナッツも倍でよかった 固くさえなければ栗はまるごとでよかった
良く言えばまとまって穏やか。ちょっと厳しく言えばこれだという味の決め手に欠けるぶっちぎり柚子。そんな感じです。
とはいえまだ初日。これから毎日一歩ずつ味が育つのかもしれません。アドベントの楽しみというにはなんかあと二週間足らずで終了だけど食べたい気持ちがある時に食べるものじゃないですか 今だったので良いんですよ。今から毎日食べます。味の違いはおそらくこの鈍感舌にはわかりません
好きなものを好きな気分で好きなだけ入れられるのが手作りの良さ。人々も自分好みのシュトーレン、追求してみましょう。はい。します。来年がんばる。買った方が美味くても楽しいから良いんだよ でも色んなとこで買ったもの食べ比べるのが醍醐味な食べ物だとも思います。探してこよ!!!!
追記
トーストしたやつ美味い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!