オーバーオールと12インチシングル

（前回までのあらすじ）

20代半ばで佐野元春さんの音楽に出会い、衝撃を受けた私は佐野さんに関わる仕事がやりたい一心で、ギョーカイに潜り込むコネを探しまくったところ、知り合いの知り合いに芸能界の人がいて、その方が紹介してくれたのが「アイドル・日髙のり子の現場マネージャー」という仕事でした。慣れないながらも、親切なのり子さんに助けられつつ１年半のあいだ担当。その後も別の女の子アイドル、男の子アイドルを担当したが、なかなか芸能界の水に馴染めず、退職の意思を固めた。

第２回：行きたい場所があったはず

某男の子アイドルのマネージャーとして、その日の現場はテレビの公開録画の会場。大勢のスタッフさんやタレントさんが慌ただしくバックステージを行き交う中、オーバーオールを着た男の子が目に止まった。……か、かわいい！ 釘づけとはこのことだった。