米軍ファッションを辞めた訳

僕らは俗に言う「トップガン世代」で、劇中のトム・クルーズに憧れて米海軍ファッションをしていた人が沢山いました。
また、MA-1は爆発的人気でした。
親の世代はハリウッドへの憧れがより強く、欧米、特にアメリカの影響がとても強かったと感じます。
僕は中でもヴィンテージファッションに興味があり、古いジーンズやMA-1が大好きでした。
知人がトップガンにハマりまくり、その影響を受けて自分も当時の海軍ジャケットに、米軍パッチを付けて着たりしていました。パッチは沢山の種類があり、地元では飽き足らず横須賀まで足を伸ばしました。

そんな中、何回目かの横須賀で、買い物をしてから何の気なしに入ったゲームセンターでの事です。

それは都内にあるような派手で大きなものでは無く、ひっそりと狭いスペースの中で少ないゲーム機がある、どこか懐かしさを感じるものでした。
人も少なく、米軍の方や現地の人がポツポツといただけでした。
「何かゲームやるかな…」
何台かあるテーブル型ゲーム機を見ていくと…
米軍の方が制服を着たまま、高い背を丸めてゲームをプレイしています。対戦型で、相手をしていたのは、
学生服を着ていた「普通の」中高生でした。
その光景は自分には驚きでしたが、物凄く自然な感じで、「ごく日常的な」空気が流れていました。

その時自分は米軍ジャケットは着ていませんでしたが、
何かとっても「ニセモノ感」を自身のファッションに感じてしまいました。

それ以前から、イスラム圏やアメリカと敵対関係にある国には着ていけないよな、くらいの認識はありましたが…
何と表現したら良いのか、恥ずかしい、何やってんだろ俺…
と自己嫌悪みたいな気持ちに襲われました。

それ以降、いわゆる「軍モノ」を購入したり、横須賀に買いに行ったりする事はありませんでした。
ファッション自体は、かなり高価な物もあるのでスパっと辞めたりは出来ませんでしたが、結局最終的には全て譲ったりして手離しました。

今でも、ヴィンテージ物を見ると「良い風合いだな」と好印象ではあるのですが、手に入れようとは思わなくなりましたね…
ミリタリーファッションを否定する気もありませんし、あくまで自分が感じた事です。
特に最近はミリタリー系の機能的な美しさを「良いところ取り」したものが出て来て、
軍な感じがしない、何処へでも着て行けるものも出て来ましたね。


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