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ネイタルで冥王星はあまり読まない ー 占星術・ホロスコープのお話

こんにちは。
お元気でいらっしゃいますでしょうか。
この頃なんかしんどい・・・そう言う方も多いのではないでしょうか。

そうなると出番が多くなってくるのが俄然占いの類です。
私もこう言う事に関わっているタイプの人間なので、占いはむしろ好きです。

   私、note・インスタの更新を遅延して何をしていたかと言うと、親しい方やその紹介で知り合いになった方の占いをしまくって過ごしていました。(ちなみに私が現在行っている占術はほぼタロットのみです)

でも、占いは「活用するもの」です。
「振り回されない」で使うものです。
ましてや「恐怖を煽られるため」に使うものではないです

また、自身のネイタルのチャートで、冥王星や天王星・海王星の役割を聞いてショックを受けている方へ。
ネイタルで読むべき点は「本人が持って生まれてきた素質」です。
それに個人のネイタルのホロスコープに良し悪しは存在しません。
その中でトランスサタニアンが示すものがあるとしたら、生まれた時の「世の中の情勢」です。
決して個人の惑星に、ダイレクトに色濃く悪い影響を及ぼす惑星ではありません。


それだけを言いたくて、この投稿をします。
マジカルオイルが趣旨のnoteなのにごめんなさい、でもこの記事が誰かの心を少しでも軽くできますように。




この投稿をしようと思ったわけ

こうしんどい事が多くなると、人は占いで確証っぽい未来が欲しくなり(怖いもの見たさで不幸な予言を気にしたくなる人もいると思う)、その延長で色々調べているうちに、自分の出生図まで気になり出したりします。
今はネットがあるので、調べれば調べるほど「不安」なところが目に着くでしょう。

人ってそんなもんなのです。
人は「見えない事」「不安な事」ほど信じやすいんです。

これは当然なんです。
動物の本能は「安定・安心」を望みます。
今でこそ文明が発達し、生存本能を刻一刻と脅かされる状況にない人が地球生活で多数を占めるわけですが、もっともっと太古のヒトは、明日の夕飯の有無どころか今夜オチオチ寝ることもできないくらい、生存本能を脅かされる生活をしていました。

今でも動物たちは成長するほど眠らなくなります。
それは熟睡なんかしていたら生命の危機に脅かされるからです。多分彼らは人より危険回避予知能力が高いのに、それでも眠るわけにいかないくらい生きることとは脅威の存在と背中合わせなんです。

そんな人間を含む"生き物"に必要なアンテナは、「不安を無視できない」方向に立てるしかないんです。いわゆる危険回避のための予知です。
でも予知・予見って100%当りませんよね。
人間の能力の限界が生み出してしまう最大の脅威は「予見できない不安」でした。
予見できない代表例が、暗闇で後ろから襲ってくる獣だったり、明日の事だったり、自然災害だったり、霊だったり…そういう「目に見えない事全般」ですからね。
現代人だって占いは、信じちゃうもんなんですよ。

で、お話は逸れましたが、詳しくはわからないけれど自分のホロスコープを見てネットで検索しちゃった人が一番怖いのが「冥王星」なのではないでしょうか。
だって、何読んだって大抵は怖いことしか書いてない。
ネイタルの月か太陽、火星あたりにアスペクトしていることを知って検索でもしようものなら、その記載内容に落ち込むことは必須でしょう。
でも大丈夫ですよ、ネイタルってあなた個人のネイタルのことですよね?しかもアスペクトですよね?
始原図とかじゃなくて。

個人のネイタルのアスペクトであれば、冥王星の影響はそこまで気にしなくていい。と私は経験から理解しているため、ほぼ使用しません。
よってタイトル通り、ネイタルのアスペクトでは巷で溢れるような深く暗い意味を持たせて読みません、冥王星。
どちらかと言うと、冥王星がどのハウスにあるかの方が意味があると思います。その上で、そのハウスと意味のある個人天体のアスペクトがあれば考慮します。


たまに「これは、神様から現生で大きな使命を与えられてきたな」って言うホロスコープにお目にかかりますが、こう言う方のホロスコープはトラサタがいい意味で(例えハードアスペクトだろうと)位置するハウスやASC/DC共に「こ、これは!!」とキマッて光っていることが多く、そういう方の場合はリーディングに考慮します。
このミッションは決して悪い意味ではなく、私はこう言うホロスコープを持つ方を「神様から授かった子」ではなく「神様からお預かりした子」と表現するくらい、偉大なミッションを持っている意味で使います。


ちなみにですが、トランジットでは個人のチャートでも、トラサタは考慮します。
また(日本の)昨今の情勢、とか言う大きなものを読むなら積極的に使います。

この違いは、トランスサタニアンは時代や社会や深層心理といった、個人の意識の枠を越えたところを読むと言う私個人の基本考えからです。
確かに社会情勢やそれに由来する深層心理は個人の人格や気持ちに影響を与えます。
集団心理は個人の心情を強く引っ張ります。
そういう意味で、時代が作るもの・時代が作る集団心理として、トランジットの場合は個人のホロスコープにもトラサタを考慮します。



ここまでで既に長くなりましたが、ネットで冥王星を調べて心落ち込んだ誰かの心の救いに少しでもなれたらと、私の冥王星の見解を以下で長々と述べようと思います。
読みたい方だけ読んでください笑。


まず冥王星の惑星としての実力と生い立ちについての疑問


冥王星が発見されたのは、1930年です。
2020年現在で70年しか発見から経っていないにも関わらず、天文学の世界では2006年には既に準惑星に降格しています。

降格の理由に、①自己重力が十分あるか、そして ②他天体を掃き散らすだけの”力”があるか、ってところに適合しなかったと言うのがあります。
大きさだけ言っても月やエリス、自身の衛星であるカロンにすら劣ります。
「え、冥王星って核兵器とかも表すでしょ?パワーありそうなんですけど」って言う意見にご期待添えない惑星としての事実があるのです。

天文学でも「それなら数多の星々も同様の惑星に…特にエリスなんて登録されるだけの冥王星以上の惑星としての実力あるっちゅうの、なぜ冥王星だけ特別扱いなのかなー?」って言うお話になりました。
最終的に「冥王星に意味付けすると、他の星々にも意味づけが必要・・・。それって必要?」って言う理由により、惑星から準惑星に降格になった経緯があります。
ネーミングと由来の神話の神様の格に対して、若干見かけ倒しなところが否めない部分があるのが冥王星。

私はこの惑星としての実力の点でまず1つの疑問を持ちました。
確かに海王星・天王星の軌道への影響力はあります(ちなみに、それは他の惑星同士も同じです)。
木星・土星の、太陽系惑星に影響を与える重力パワーときたら目を見張るものがありますが、冥王星にはそこまでの力もありません。

また冥王星を発見したのがアメリカと言うのも大きいですね。
近代国家間で天下の覇権を握ろうかと言われるアメリカが、唯一見つけた太陽系惑星が冥王星でした。
これはアメリカからしたら悲願の達成とも言っていいくらい、太陽系惑星の発見と言うのは、当時の科学の国力を誇示するのに十分値するものでした。
それにより、天文学でも占星術でも、冥王星は当時実力以上の過分な期待が寄せられたのではないでしょうか。



冥王星のネーミング

冥王星は英名でPluto。
ちなみに核を表す代表名みたいになっているプルトニウムはPuと表記し、冥王星にその由来があります。
そう聞くと「冥王星は核爆弾級のパワーがありそうなんじゃん!」って思われるかもしれませんが、順番が違います。
プルトニウム:Pu が冥王星のPlutoから名前をもらって名付けられました。

こうなると「ウランの名前の由来だけあるんだ」って言う意見はもちろん承ります。
しかし、人類初となる人工ウランであるネプツニウム:Npは、海王星:Neptuneを語源としていますので、占星術において冥王星だけが核の持つあらゆる性格を持つと言うのもあまり納得がしきれません。

それに名前の話をしますと、冥王星発見時の名前の候補には、アポロとかバッカス、なんならゼウスって言う初期候補もありました。
最終的に11歳の少女の意見が採用され、ローマ神話で冥界府の王であるプルート(ギリシャ神話では、ハデス)になったわけです。

冥王星(プルート)は、冥府という意味を持ちます。太陽系の最果ての惑星=冥王星から先は太陽の光が届かない冥府である、と言う意味あいです。
冥王星が太陽系惑星の「最後のそれ」であって欲しいと願われたであろうことが誰でも手に取るようにわかるくらい、アメリカの願い・熱がこもったようなネーミングになりました。(実際には科学が更に発展したことにより次々と星とその軌道が解明されていき、冥王星は最果ての惑星でもなんでもなかったわけですが)。
余談ですけど、アメリカは「一番」が大好き。ネーミングは大抵「一番」を連想させるネーミングをよくつけます。大統領専用機もエアフォース・ワンですしね。

ちなみにハデスの名前は、別名Plutonプルトーンと呼ばれておりますが、この意味は「富める者」って言う意味なんです。
ハデスは、地球の下に眠る鉱物資源の神様でもありますからね。現代で行ったら石油とかメタンガスも該当するんじゃないですかね。
(ビッグマネーな香りという意味では、ある意味、冥王星っぽいダークな側面も感じますが・・・)

少し話がそれましたが・・・
と言うことでネーミングから考えますと、アポロやバッカスになってたら占星術における冥王星の性格付けもガラッと変わっていたでしょうね。
って言うと、性格って後付けなんだっけ?占星術的に言えば、持って生まれたモンなんじゃないの?どちらかと言うと姓名判断的な感じ?名前が性格を決める的な?
って言うか、プルートの「富める者」って言う性格は占星術においてはどこ行ってしまったの?と言う考えが私の脳内で過ぎります。


冥王星の性格


さて冥王星が発見されたのは1930年。
世の中はどう言う時代だったか?
かいつまんで話すと1914年にヨーロッパで戦争が勃発して、アメリカ的にはそれは衝撃的な出来事として動揺を起こしたと言うような時代の、ちょっと後です。
この頃から歴史は近代戦争が色濃くなってきた上に、1929年には大恐慌が起こります(アメリカで)。
そんな頃に発見された冥王星。


ちなみに、それ以前に天王星が1781年に発見されていますが、当時の占星術師が即座に天王星を占星術に組み込みを行ったと言うとそうではありません。
長らく天王星・海王星は発見されてはいたものの、占星術の世界では触れられない(必要とされない)存在でした。

天王星・海王星を占星術に登用した、それの中心にいたのが「近代西洋占星術の父」と言われているアラン・レオって言う方です。
それら2惑星の占星術における性格付けも彼が行ったとされています。
冥王星は彼の死後に発見されており、誰が意味付をしたとか、意味ある意味付けがあったのかとか海外の文献も探したのですが、コレというものは見つかりませんでした。
事実アランの作成するホロスコープには天王星までしか載っていません


トランスサタニアンの意味づけ


ここからは私の想像の域を出ないという言い方をしておきますが・・・

冥王星はその持っているネーミングの意味と、当時の世相と、占星術における足りない役割と「生と死」がマッチングしちゃった感じなんではないでしょうか。なんか重要なところを、すごくライトな言い方しちゃいましたが。

ホロスコープ自体が個人の「生」(と「予見できるトラブル=死に繋がる脅威」)の傾向を表す盤そのものだったのに、それとは別に生死を意味する星って「個人のネイタル」に本当に必要だったのか?と個人的には思います。
事実、トランスサタニアンの役割というのは、古典惑星で担えるものが多いですしね。


他の個人的な見解としては、古典の占星術では解釈が微妙に足りないもの、例えば科学、が現代では出てきていて、術師として「今までは説明しきれなかったそれを説明するツールとして」新しい惑星を当てはめたんだろうな。って感じです。
個人のネイタルから本人の資質を読むのであれば、古典的な惑星でほぼ読めます。

少し話は紀元前に遡りますが…
それまでの占星術、というか天文学と占星術が一緒になってた時代には、主に「生活」に根ざして必要なツールでした。
種を植え食物を十分量収穫をし、潮の満ち引きによって変化する漁猟や赤ちゃんが生まれそうな日を月の形から予測し、川の氾濫を予測し、一年の単位を作ることで季節の反復を把握して生活しやすくする、そういう"生"に密着しているような物でした。
または戦争とか国の謀にも使われていました。
いずれにせよ個人的なことではなく、とてもダイナミックな使い方です。

その後B.C.1100年以降くらいに、個人の出生と惑星の配置には何か関係があるんじゃないかという試みで出生占星術というものが登場します。
これ以降の占星術は、現代では「古典占星術」と言われています。
その後19世紀終末・20世紀初頭のアランによる古典占星術の決別(とまでは言わないけれど)による、近代占星術の誕生。

この間に占星術の手法は色々変われど、人は同じです。
安定・安心した生活を続け、予測不可な見えない不安に怯えない生活をしたいと言う、根源的な生物の願いです。

人の願いは変わらないのに、世の中が大きく違う。
科学が進歩し、人々の生活が大きく変わりました。
その科学の進歩と、それによる生活の変化のを説明するものも、「予測」も担う占星術では必要ツールになるでしょう。

近代科学が発達するまでは、ごく一部の人が船を使い、生まれた土地から遠く離れることがあるくらいでした。多くの人はその土地で生まれ、その土地で生活をし、その土地に眠るというような一生でした。
これらの生活では、その土地=地球=宇宙そのものみたいなものです。

かの地の国が大きな戦争をしていようが、自分たちの土地で何もなければ戦争という世界を知らずに過ごすし、生まれ故郷が戦ばかりしている土地であったなら、戦は第三者からみた状況であって、その土地の人からしたらそれが日常でしかないわけです。
そんな生活が人類の歴史の大半以上を占めてきたのです。
飛行機が一般人にも使われ、一個人がネットで簡単に全世界へアクセスできる時代なんて、本当にここ50〜15年くらいのお話なんです。

占星術では”生まれ育った土地の状況”や、”その後の住んだ土地の状況”っていうのは、第三者がブラインドのまま情報なしにはネイタルのホロスコープから読むことは、なかなかできません。
なぜかと言うと、占星術においては、そういう”土地柄の様子”を必要としてこなかった時代と概念が大半だからです。
ホロスコープに「個人・家族単位を越えた周囲の状況」を読むことはできないのです。
アルアルのお国柄の気質も、ホロスコープには全然反映されませんしね。

それにですね、現代占星術にはアセンダントを見るためにも超重要と言われている生まれた時間(時分)ですが、それが正確にわかるようになったのは現代と言うかつい最近になってからの話ですからね。
もっと言うならば正確に生まれた月日の把握ですら割と近代の話です。
古典占星術では生まれた時間というのは使いますけど、なくても占えます。
占星術ってそういう存在でした、昔は。


長くなりましたが、じゃあ、トランスサタニアンと言われる、現代に発見された惑星は現代の占星術において何を担うのか。


海王星・天王星が意味付されたアラン全盛期時代的に不足していたのは、①変革と、②オカルティズム・スピリチュアルを説明する惑星です。
近代は科学と共に急速に繁栄してきました。それまでのスタイルとは全く違う科学の力による生活の変革が起きていた時代です。
この「なんか抗えない(科学の)力で世の中が変わってく!(それを産業革命と言います)」っいう事象やパワーを表す星の役割が既存惑星では足りなくなってくるわけです。
①のそれを占星術でアランから任されたのが天王星。

海王星は思いっきり②オカルティズム・スピリチャルな性格が乗っています。これも近代占星術においてはすごーく重要な項目でした。
時代的にもスピリチャルブームでしたし。
「よくわかんないこと」が脅威な人間にとって「よくわかんないこと」を何らかしらの力で「わかる」と言うために必要な意味を持つ星です。
占星術の力を使うモノにとって、この『当時最遠の惑星』だった海王星は、人のうまく説明できない「もやもやとしたあやふやな精神や能力」を説明したり使ったりする惑星として便利だったわけです。

そもそも天王星・海王星が占星術で惑星の役割を与えられたのは、天文学がこの2天体を惑星と言ったから。そのタイミングで、古典占星術では足りない事象を説明するのに適した惑星がフリーで存在していたから。

事実、アランの時代には、占星術において天王星・海王星の力は「ネイタルのホロスコープに重要なアスペクトしてたって、わかる人にしかわからない・使えない」とされています。
意味付された時点では、不明瞭な存在だったんです。
それに重要なアスペクトが絡んでたって「分かる人にしか分からないし、使い所も本人次第」って言う、なんともご都合の良い解釈がされていました。
今とは風向きが違います。なんか大人の事情の匂いがしますね。。。。


さてお待たせしました冥王星の意味です。


冥王星は新規惑星が発見されたら意味がつくと言う、近代占星術の流れに乗った3番目の星。
アメリカ悲願の惑星発見、本当の最遠(だと当時は思われていた)惑星。
それが冥王星。

この冥王星が発見された時代に必要だったのは、地球全体を揺らがすようなグローバルな話題=戦争に対応する惑星です。
今までの争いは地球から見たら、地域的なものでした。ローマやギリシアやエジプトの戦争であれ。
でもグローバルな時代、どこかで何か戦争があれば地球全体が揺らがされると言う、古典と言われる時代からは想像しえていなかった科学とグローバリズムの時代がやってきたわけです。
この地球全体を揺らがすような戦争の話題を乗っける惑星が必要です。
地球に住む人々全員がその事実を共有して怯えてしてしまうような話題を乗っけられる惑星です。
事実、冥王星が発見されてから10年後に第二次世界大戦が勃発し、占星術界隈で「やっぱりー・・・」って言う雰囲気になったことは想像に固くありません。

これを読むとやはり冥王星の性格を表す、生死=戦争にマッチングしますね。怖いですね。
でもこれは時代背景からしても、冥王星が引き受けるべき意味は「地球規模の脅威のお話」です。
確かに戦争やウィルスの脅威や、何万人がなくった天災の情報は、地球人の生活を脅かし、個人の人格にも影響を落とすでしょう。(ちなみにウィルスや病気の流行は、天王星か海王星と他のアスペクトで読みますね)

でもそれよりも冥王星が影響を及ぼす先ず最初のターゲットは地球であり、そこに住んでいる人全ての人に等しく降りかかるものです。
(このご時世になり、地球のどこか一部のエリアだけは我関せず、と言うような話題ではないはずです。)


ネイタルと冥王星


上に書いたような、そんな規模レベルの話題を持ってきた惑星が、個人のネイタルにアスペクトした時の話題で読むべき点として、「母親との確執」「父親との離別」等に代表されるような、そんな家庭レベルや個人レベルの細かい話に降り注ぐ強いストーリーではないはずです。
もしネイタルでの冥王星の影響を読むとしたら「その地球を揺るがすような事象の影響に対して感受性が高い」と言うものであるべきはずです。


(それにアラン没後に、占星術のどなたか大家がこの冥王星×個人天体の影響を決めたのか調べても全然はっきりしません。
誰が言い始めたか分からない、ただでさえまだ学問の位置付けに昇格していない占星術において、冥王星が個人天体とアスペクトを取ると「悪い意味にしか基本取れない解釈」を用いて流布するのは、占いを行う者にとって如何なものなのでしょうか・・・と言う気分になってきます。
こうなると「不安を煽って占い稼業をおこなう、占星術界のダークな部分」を覗いた気分にしか、私にはなりません。)

アスペクトが余程たくさんあって冥王星やそのほかのライツ・トラサタが際立って一つ強いチャートであれば、私は「神様から使命を授かって、社会や時代に影響を与えるための力を与えられた選ばれた人」とお答えしています。
そこに吉凶はないです、パワーの総量比較の問題なので。
(でもそれですら、使えている方は正直少ない。)

まぁ傾向を見ますと、そう言う影響力のある凄いことを為し得た方は、トラサタがハードだろうときいていることが多いです。
(それにトラサタがきいてなくても、凄いことをなし得ている方もおられますよ・・・)


時代が個人の人格形成に影響することは十分あり得ます。
2020年にマスクをつけて登園・登校し、同級生や先生の顔がよくわからない中で共同生活を過ごす。
そう言うコミュニティ時代を少しでも過ごした幼児〜低学年の人格形成に、この時代のこの風潮が彼らにとってまったく影響はないとは言い切れないでしょう。

でも、幼少期を思い出してください。
時代背景やグローバル情勢よりも、小さな赤ちゃん・子供が左右されるのは、個人が持っているDNAであり、家庭環境や兄弟構成と言う狭い範囲のコミュニティ(人間関係)と言う小さな小さな単位の世界です。
そこから成長につれコミュニティが広がり、家族だけでない他人に人格が傷つけられる事があるのも人生です。

宇宙から見たら砂粒のように小さな個人のネイタルを読むのに、一つのサインに12〜32年滞在する惑星の直接的かつ、確実に強力な個人への直接的な影響として読み取るのは、いささか暴力的です。
ネイタルチャートから読み取る、強い影響は個人天体同士と土星・木星の関係です。

冥王星が個人の人生に強く影響があるとすれば、それは
・位置するハウスの性格と冥王星との関係
・トランジットの冥王星の役割
です。


現代の占星術でのトラサタ以遠の位置付け

さて、冥王星以降も準惑星と言われるものは次々に発見されています。
それに伴って、混乱というか慌ただしくなりすぎているのが占星術界隈です。
冥王星に意味付けをしたのであれば、その後次々発見される惑星にも意味付けが必要なハズです。
その心意気を受けて、頑張ってくださっている方はたくさんいます。
エリス・マケマケ・ハウメア・クワオアーetc...挙げたらキリがない笑。

冥王星はこれら準惑星が出てくるまでは、最遠の惑星でした。
でも結果、そうではなかった。
そうなると「最遠の惑星」の意味付けは色褪せます。
冥王星を起点として、こっちと冥界との線引きからくる0か100かの強制力とか、全ての惑星を暗黒の凶に陥れるか復活させるかの凶暴さだとか。
「いやー、その向こうにも惑星いっぱいあったわ。」って状態が現代です。
しかも前述しましたが、天文学の中の冥王星は、準惑星の中では特筆すべき何かがあるわけではありません。大きさでも、重力でも。

ここで占星術師として疑問に感じなければならないことが発生します。
天王星・海王星に占星術的に意味付けされた理由は、天文学がこれらを「惑星だ」と言ったからです。
そっか、それなら土星までの時代から先の時代を表す意味でも持たせようかな。
それがこの2惑星。
冥王星はその後の惑星として一番先に発見されたので、占星術おいては盲目的に「意味付け」がされました。前例に倣い、です。
しかし天文学では冥王星は準惑星に降格し、さらには数多の準惑星が発見されている。
冥王星の降格をそっと無視して、準惑星の意味付けが進んでいるあたり、占星術とは?と言うのが体系化されていないのは明瞭です。
冥王星にこれだけの意味付をし、役割を持たせた割には、その根拠が宙ぶらりんな状態なのです。

余談

余談になりますが、
ホロスコープでは兄弟姉妹の有無の判定やその影響力をみるのは苦手です。
3ハウスが兄弟を表すとか言われていますが、ご自分のネイタルチャートをご覧になってドンピシャで納得できますか?

自分が兄弟姉妹の複雑な男女構成比の中で何番目で”育った(生まれた、じゃないところがミソ)”などは、個人の人格形成にとってはすっごく重要じゃないでしょうか???
でも、その兄弟関係の影響ってネイタルのチャートからは読めないんですよ。。。

私はここら辺の個人的な研究から、ネイタルのホロスコープより、どんな家族・兄弟姉妹構成で育ったかの方が、余程性格・気質を当たられる気がします(爆)
双子なんて尚更。占星術では説明しきれない其々の人生という事実が存在します。
生育環境での兄弟関係と言う割と重要なファクターを無視して、それらにおける影響を全て母(養育者)と父(人生観)に担わせていると言う実はちょっと足りない部分もあるのがホロスコープです。


まとめ

ネイタルのチャートで冥王星や天王星・海王星との(特にハード)アスペクトにショックを受けている方へ。
ネイタルで読むべき点は「本人が持って生まれてきた素質」です。
その資質をどういかすかによって人生が変わることは、上にも書きましたがほぼ同じホロスコープを持つのに違う人生を過ごす双子をご覧になれば分かるでしょう。
ましてや、潜在意識・集団心理を扱うトランスサタニアンの場合には、どちらかと言うと存在するハウスの方が影響をなしていることの方が強いです。

私は天王星・海王星であれば、ハウスの位置とライツのアスペクトによっては積極的に読みます(例:1〜3ハウスの天王星がライツとアスペクト・12ハウスの海王星がライツとアスペクト、など)。
冥王星はハウスだけでは読みません、ハウスのACSやMC、アスペクトとの組み合わせであれば意識します。

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