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昔話

「ねぇ、君はどう思ってるの?」

卒業式が終わったあと校舎の違う人気のない教室に2人っきり。
今にも泣きそうな潤んだ瞳の裏にちゃんと正面から
自分の気持ちと僕の気持ちを受け止めようとする覚悟が
あることがわかった。わかってしまった。
そんな彼女を目の前に僕は言葉が出ずにいた。

「、、、」

きっと1分も経っていないと思うのだが
体感的には10分にも20分にも感じることが出来る
そんな長い沈黙だった。

「ちゃんと君がどう思ってるか聞かせてほしい」

沈黙を破ったのは彼女の方だった。
目の前に答えを待っている人がいるのに逃げることは出来ないと分かっていても、それでも、言葉が詰まって出ずにいた。いや、出したくなかった。の方が正しいのかもしれない。これを言ってしまえばきっと元の関係では無くなってしまう。きっと溝が出来てしまう。言わなきゃいけないことはもう既に頭では理解できているのに、あとは目の前にいる彼女に伝えるだけなのに、怖くて、声が出なかった。

その時、チャイムが鳴った。

僕は深呼吸をし、口を開いた。


ちゃんと彼女に伝わっただろうか。
不格好で、ちゃんとした内容で伝わったかはわからない。
なんなら、僕でさえ何を話したのか覚えれてない。

僕が彼女に自分の気持ちを伝えたあと
彼女は笑顔で僕に声をかけて夕日が差す教室を後にした。

「ちゃんと君の気持ちが聞けてよかった。これからも私たちは親友だからね!!…ありがとう。じゃあね」

きっと僕らはもう話すことは無いだろうと、お互い分かっている。それなのに後腐れない言葉で別れを告げた。
僕はしばらくその教室から動けずにいた。
何かを考えている訳ではなく、ただずっと胸の奥を誰かに握り潰されているのではと思うくらい苦しかった。
泣きはしなかった。泣きたいのは僕では無いのだから。
しばらくして僕も扉を開けた。もう来ることない、そして
最後の最後にちょっとした苦しく切ない思い出ができた夕日が差すあの教室を。


いやぁ、これ最後まで見てくれてる人いるんかな。
本当は少しずつ小出しして行こうかなと思ったんだけど
僕がめんどくなるからいいやと思いかなり省略した形で
投稿させて頂きました。
僕が体験した実話ですね。
この時は中々苦しい思いをしましたね。
なんなら今思い出しても未だに胸がキューってなります。
仕事中にふと、この事を思い出してずっとモヤモヤしてましたね。この時の判断は正しかったのか、など、、、。
何を考えたとこで過去に戻れる訳では無いので今更なんですけどね。ただあの子が元気で楽しく過ごせているならと思っています。正直めっちゃくちゃ好みの子だったので笑
もしこの話もっと詳しく知りたい!みたいな変わり者には
直接お話するので気軽にどうぞ。

という事でただ思い出したことを書いてみただけの回でした。

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