君たちはどう生きるか


(本作品をまだ観ていない方は読まない方がよいです)

『君たちはどう生きるか』公開初日にユナイテッドシネマとしまえん
19時10分の回で観に行きました。
情報は入れずにと思ったのですが、声優さんと主題歌の情報だけ入ってしまいました。

前作の『風立ちぬ』は、
そのころ就職活動で第一希望の会社の面接がズタボロ・・・。
その直後に観に行って明るい気持ちになれるかと思ったら、
全然そんなテイストの映画じゃなくて
半分泣きそうになりながら放心状態で観た記憶があります。
(その会社に受かりました)

正直スタンスとしては、「だいぶ変化球で来るよな」と、
「いわゆるエンタメに特化した、わかりやすい主人公の感情、物語構成では来ないよな」と「宮崎駿かかってこい」みたいな気持ちで姿勢を正して着座して息を整えて観させていただきました。

のっけから、宮崎駿監督の、スタジオジブリの「これでもか」というアニメの表現のパンチに殴打されるかのような感覚。
表情の一つ一つ、人間の動物の景色の、動き一つ一つのきめ細やかなディテイルに目を奪われました。ドアを開けるところ、ベッドに寝転ぶところ・・・
そして思っていた通りの、わけわからなさ・・・。
でも、もうそれが良かった。歪で良いんだと、やりきってくれよと、スクリーンから宮崎駿の想いが滲み出てきてたような、ずっとワクワク、ずっと気持ち悪い、ずっとわけわからんけどスゴイアニメーション。それでいて飽きない。
こころの底から「なんだよこの凄いの」と思いました。

ストーリーは本当に謎なところは多かったですが
あのアニメをスクリーンでリアルタイムで味わえることに感謝しかありませんでした。
その日やっていた「コクリコ坂から」もちょうどいま、私が観たいテイストの作品でストーリーも忘れかけていた頃だったので録画して視聴。
いや、良いんですけど
やっぱ120パーセント駿の力量を感じずにはいられませんでした。
瞬き、表情、動きのひとつひとつの機微。この圧倒的描写力、監督力。

エンドロール後、明るくなった劇場は戸惑いにも似た異様な空気でゆっくり席を立ちだしゆっくり動き出しました。隣の方は大号泣していました。
僕は少し泣きました。

しばらくは、自分ひとりで嚙み締めたくて、
ユーチューブの人たちの考察や感想動画観たくなくて、観ませんでした。

これからコンテンツ市場はどうなっていくんだろう。
僕はどうしたいんだろう。
そんな気持ちになりつつも、
人生の大先輩の圧倒的大傑作に脳は心は魅了され、
死んでなくて良かったと心から思いました。
もうちょっと生きよう。その繰り返し。
明日も日銭を稼ぐ。美味しいもの食べたい。
フィジカル。
やりたいこと、叶えたいことを再度リストにでもしてみようか。
次はアイマックスで観てみようかな。

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