障がい者への差別発言について

少し前の話ですが、Twitterを見ていたら、佐賀県内の2市長が発達障害について差別的な発言をしたというニュースが目に入っりました。
これについて怒っている人がたくさんいる中で、僕は正直、まあしょうがないかな、と思いました。
障がい者への差別がしょうがない、ということではないです。

僕が言いたいのは、日本は障がいに対してまだまだ偏見や差別が多いと感じることです。

たった25年前まで、優生保護法で障害を持つ人たちに本人の同意を得ずに避妊・中絶手術をすることが合法だったのです。
今になってようやく賠償請求ができていますが、たった25年で差別や偏見がなくなるわけがありません。

海外アニメには障がいを持つ子供が出てくる

アメリカでは、子供向けのアニメに障がいを持つキャラクターが登場することも珍しくないのです。セサミストリートのジュリアやシンプソンズのラルフ、子供向けではないですがサウスパークのティミーとジミーなど、障がいを持つキャラクターが同じクラスの仲間として登場しています。日本で言うところのサザエさんやドラえもんに登場するようなものでしょうか。差別やいじめの対象や、いわゆる障がいを持つ「可哀想な子」として描かれているのではなく、健常者のキャラクターと同様にそれぞれが個性のあるキャラクターとして描かれています。しかも最近のことではなく、2~30年前から続くアニメでも当時から障がいを持つキャラクターがレギュラーキャラクターとして登場してきたのです。

一方で、日本ではサザエさんやドラえもんなどのアニメに、障がいを持つキャラクターがレギュラー出演している、ということはありませんよね。のび太君は障がいを持つ子供ではなくただ勉強の苦手な子供、という感じですし、サザエさんの堀川君もサイコパスなネタキャラ的なのであって、明らかに「障がいを持っている」というキャラクターは見かけません。たまに障がいを持つ人をテーマにしたドラマやテレビ番組はありますが、障がいを持つ人を主人公にして非日常の別世界のようや障がいを餌に涙を誘うように描かれることが多いと思います。

うまく共存できる環境が整っていない

学校でも障がい者学級の子供たちとの交流は一応ありますが、障がいを持つ子は他の子たちから距離を置かれていたり、学級委員に相手をさせて他の子たちは無視したり、いじめのターゲットにされたり、ということが多いでしょう。
障がいを持つ我が子を普通学級に入れたいという親御さんもここ最近増えてきましたが、正直今の日本の学校では厳しいのでは?と思います。海外では大人も子供も、障がいを持つ子供たちを受け入れる体制が整っていますが、日本は25年前まで障がい者への差別が合法に行われていた国です。たとえ子供たちが柔軟に対応できたとしても、先生や保護者の中には、差別や偏見を持つ人がまだまだ多いでしょう。

僕が冒頭のニュースを見て「しょうがない」と思ったのはここなんですよ。日本は障がいを持つ人たちとそうではない人たちがうまく共存できる環境がまだ出来上がっていない。障がいを持つ人を害虫のような意思疎通のできない邪魔な存在と思う人ってたくさんいます。工夫すれば意思疎通も普通にできますが、それを知らない人って多いと感じます。しかも、「自分は他の障がい者とは違う」「手帳は持ってるけど障がい者ではない」と、中には障がい者手帳を持つ人ですら他の障がい者を見下す人もいるのです。こういう人に限って手帳での割引をバリバリ使うので余計腹立ちます。

特に年配の方たちは、障がい者への差別や偏見が当たり前に行われていた中で育ったのですから、今更価値観を変えることはとても難しい。なので、そんな老害に対して怒ったところで、何も解決しないのです。
例え本人が謝罪したとしても、本人が過ちを認めたり、理解しているとは限りません。池袋の事故の被告のように、自分が悪いという証拠があるのにもかかわらず自分の非を認めない人もいます。そんな人に、形だけの謝罪をさせて満足するのでしょうか。

個人的には新しい価値観にアップデートしていく、という意味でも、この市長たちへ何かしらの処分が下ることを願いたいですが、障がいを持つ人たちへの偏見や差別が今でも当たり前である以上、とても難しいのでは?と思います。無職になって露頭を彷徨ってほしいですが。

最後に

というのがこの記事を見た僕の感想です。

僕は専門家でもなんでもないですが、障がい者への偏見や差別は、世界的に見てかなり遅れていると日々感じます。電車や公共の場で暴れたり変な言動をする人を盗撮してネットに上げて面白がったり、有名人の子供に障がいがあると嘲笑したり、障がいを持つというだけで人間ではない別の生物のように扱ったり。
僕自身もある障がいの傾向が見られると言われましたし、今まで障がいを持つ人たちと関わってきたので痛いほどわかります。

しかし、障がい者と関わったことのない人にとって、障がい者は未知の世界。なのでうまく関わる方法がわからなくて当然なのです。
それでも、障がいがあるというだけで、1人の人間に変わりありません
最初は関わり方がわからなくても仕方ないですが、見捨てずにうまく関わる方法を探してあげてください。障がいを持つ人たちは、全く意思疎通ができないわけではありませんし、工夫をすれば意思疎通ができるようになります。これは障がいの有無に関わらずだと思うのですが、いい大人が自分が関わりたくないからとコミュニケーションを断つことは恥ずかしいことだと思うのです。

これから先、障がいを持つ人たちや様々な事情を持つ人たちへの偏見がなくなり、うまく付き合える環境が整うことを心から願います。

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