持病について語り出す

長い冬に春が顔を出し始めた。花粉シーズン到来。今年も辛い季節がやってきたように感じる。僕の家族は両親、兄妹みんな花粉症を患っている。あの薬をみると一般よりかなり重度なのかなと感じる。当の僕はというと、、家族とは例外で花粉の影響を受けている感触は特にない。しかし何故この季節が辛いのか。前置きはこのくらいにしてタイトルの通り綴ろうと思う。

僕の持病、病名は「音嫌悪症」「ミソフォニア」と言われたりする。ある特定の音に対して大きな不快感を覚える病気である。おいおい、てめえバンドマンの分際で音嫌悪ってなめてんのかとブチ切れてるそこのあなた。一旦落ち着いて読んでほしい。僕は主に人間の生活音を中心に苦手な音がたくさん存在する。前置きで触れた花粉の季節が僕にとって辛いのは鼻水啜る音がたまらなく不快なのだ。このほかに苦手な音は口笛、歯磨きの音、咀嚼音、ため息、下手なビートボックスなどなど、いずれも他の人から出たもの。あとはマジックテープを剥がす音はとても苦手。あと一応バンドマンなのでピッチブレブレの歌も苦手である。

この病気が発症したきっかけは高校2年生の終わり頃である。大学受験に向けて勉強に精力していた冬休み。朝部活に行き、午後からは近所の図書館で勉強するという生活をしていた。ある時向かいに座った人の鼻水を啜る頻度がすごくなんとなく気になるようになった。次の日からもふと周りの音が気になるようになって集中できなくなっていた。気がついた頃には自分の勉強を阻害してくる周りのいろんな音が不愉快に感じるようになっていた。
ただあの頃はまさか病気だとは思わなかった。集中しきれていない自分がいるだけだと思い続けてひたすら勉強に励んだが僕の大学受験は大失敗。ちょうど2年前の3月に幕を閉じた。図書館で自習始める前にいつも聴いていたテンフィートの蜃気楼。聴くたびにあの時の辛い日々が蘇る。受験生生活を終えても症状が改善することは無く、この時初めてこの症状について詳しく調べてみることにした。すると一発でこの病名が出てきて同じ悩みを持った人や耳鼻科、精神科の先生の記事を見つけた。そこで見つけた精神科医の先生に相談できるメール窓口にこれまでの症状を相談した。その先生からこの病気の原因や脳の中で起こっている異常など、医療的な観点から詳しく教えてもらった。同時に薬などで完治させる方法が無いことも教えてもらった。おい！絶望か！^_^！

発症から3年くらい経つが今でも人混みではノイキャン付きのイヤホンが手放せないし大人数での打ち上げや飲み会はとても苦手。イベント派遣のバイトやってたけど暇な時間が多く、不特定多数の人の生活音が気になってしまうのがしんどすぎて幽霊になってしまった。今は静かで人の少ない田舎の温泉で忙しく働きながら必要最低限のメンバーでできるお得なジャンルのバンドをやって、症状に理解のある友達を増やしつつ輪を広げすぎないようにして生活している。以前この症状をとある友達に話した時そいつもマジックテープの音苦手なの知ってドカ沸きした。最近の悩みは二郎に行ってコールのタイミングまでイヤホン出来ないこと。ラー○ン大とか歴史○刻めとか隣同士近いからほんとにキツいんだよな。僕普段ご飯食べるの遅い方なのに二郎だけはまあまあのスピードで食べれるのは確実にこの症状のおかげ。

現在は症状は全く改善されてないもののある程度回避方法を身につけたおかげで高校生の頃よりはるかに生活しやすくなった。電車乗る時は曲間が短いアルバムをメインで聴くっていう徹底ぶりよ。UNISON SQUARE GARDENのMODE MOOD MODEってアルバム曲間短すぎてまじ優秀。ほんとに大好きありがとうございます。
具体的にどういう原理で起こってることなのかは是非調べてみてほしい。どう不愉快なのか、伝えるのはとても難しい。多分味わったことない感覚だと思う。初めてメロコアのライブ観た時の衝動ってやつと一緒で言語化できない。

ただ僕はこの症状と向き合うことで今まで考えてもいなかったところへの配慮ができるようになってたし、まさかこれ嫌な人いないでしょっていう自分の常識を疑うことができるようになった。苦労はしているものの何かと良いことに消化できている。他の人の目に見えない苦手なことに対して大きな懐を持って生きていこうと思う。これがタラタラ書いた文を収まりよくエンディングに持ってくためのいい事言ってる風な教訓である。

こんな病気がある事をこれからの季節に向けてみんなに知って欲しい。ただそれだけです。変に周りに気遣われるのも嫌、だって花粉症絶対辛いもん。みんなでこの季節乗り越えようぜってスタンスです。辛くなったらメロディックパンクのライブしよう。あの30分間うるっさいやんな、嫌な生活音とか聞こえんしついでにぶち上がれるし最高なんだよな。という事でいつでもライブハウスでうるさい音用意して待ってます。
電車移動中にいい暇つぶしになるのでまた随時更新していきます。最後まで読んでくれてありがとう。