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[暮らしの中の仕事服] 志村電機珈琲焙煎所 志村麗美さん編

[暮らしの中の仕事服]
“私らしく働く、暮らしの時間“を描くショートドキュメンタリー

世界中を混乱の渦に陥れたパンデミックは人々の「命」そのものや「生活」へも大きな影響を及ぼしました。今回の事で私達は方向転換を余儀なくされましたが、誰もが暮らしや仕事、生きる事について考える機会となったのではないでしょうか。利益や物質的価値ではなく一人一人に与えられた“限られた時間”の中で、自分自身が心地よいと感じる体験、感動や喜びが本当の豊かさなのかもしれない。固定概念に縛られる事なく、自分の気持ちに正直に「私らしい」働き方を実現している女性にはこれからの時代を生きる上で必要なヒントが沢山込められています。「暮らしの中にある働く時間」が一人一人の大切で豊かな時間になるように、新しい時代に生きる人の仕事服をMOREPLUSは作っていきたいと考えています。


[志村電機珈琲焙煎所 志村麗美さん]

豊島園駅から歩いて10分ほどの坂を登った所に、志村電機珈琲焙煎所はあります。店名になっている通り、旦那様が電機屋さん、奥様の麗美さんが珈琲焙煎所とカフェを運営されているちょっと珍しい組み合わせのお店です。壁を設けず電機屋さんと珈琲焙煎所は一緒の空間にあり、ご夫婦でサポートし合いながら運営されています。
店内は珈琲だけではなく、ツボを刺激するお茶菓子も豊富なのが楽しい。でも1番の魅力は店主の麗美さんが入れてくださる珈琲とそこで過ごす時間です。初めて訪れた方にも、気さくに話しかけて下さる麗美さんの優しい雰囲気と珈琲の香りがいつもの日常を特別な時間にしてくれます。
お客様を迎えるときはふんわりと、珈琲豆の説明をしてくださる時はキリリとアドバイスしてくれたり、淹れてくださる珈琲で思わず顔がホロリとなり自然と笑顔になる。
ボリュームのあるシルエットに首元、袖元が絞られている白いシャツは、メリハリのある雰囲気と仕草にフィットした。黒だと強すぎてしまい、麗美さんらしくないのだけど、グレーのオリジナルエプロンなら信頼できる本格的な珈琲焙煎所である事を保ちながら、麗美さんらしく使って頂けるアイテムだと思った。

・切り替えスイッチのお洋服

・夢に向かって繋がりを大事にしながら突き進む

・志村さんのCoffee ring


切り替えスイッチのお洋服


「お洋服は活力ですね、それがないと自分の楽しみがないくらい好き。仕事の時はよし頑張るぞって感じなので、やっぱり動きやすかったり、汚れが目立たない服の方がいいかなと思う。シンプルでおしゃれな方が、お店の感じも変わるし雰囲気とか品物一つ一つの価値が上がるかなという感じがありますよね」

とお話ししてくださった志村さん。
時に自分のやる気を後押ししてくれたり、環境の価値までも上げてくれるお洋服の力や魅力を志村さんのインタビューから改めて感じる事ができた。

志村さんが珈琲でお客様に笑顔を届けるように、モアプラスのお洋服も沢山の方の笑顔を届けられるのだなと実感した言葉だった。
志村さんに着ていただいた白いシャツワンピースには、バックプリントがさりげなく入っています。エプロンをしていても、背面に気を遣っているのがわかる上品なデザインです。


夢に向かって、繋がりを大切にしながら突き進む

幼稚園の頃のアルバムには将来の夢に「珈琲屋さんになる」と書いていたくらい、麗美さんの生活の中に珈琲は無くてはならない存在でした。
それもそのはず、志村麗美さんのお父さんは東向島で珈琲焙煎所と、九段下で喫茶店をされていたそうです。(現在九段下の店舗は閉店。焙煎所は時々稼働していらっしゃいます)
4人兄弟の長女の麗美さんはご両親の助けになりたいと言う一心で幼い頃から焙煎所のお手伝いをしていたと言います。一度は社会人も経験しておかないといけないと思い3年間社会経験を積みますが、務めている期間中やはり接客が好きでお仕事が終わってから九段下のお父さんのお店でアルバイトをしていたそうです。
ダブルワークの日々の中、やはり珈琲や接客のお仕事をしたいと思い、会社勤めを終えて本格的にお父さんのお店を手伝うようになりました。(下記写真は当時の喫茶店の店舗の写真)




「接客がとにかく好きなんですよね。珈琲飲む場所って自然と笑顔が生まれる場所だから好き。人が常にみんな笑っていて欲しいし。どうせ生きるなら笑っている方がいいじゃないですか。」


結婚式の前夜遅くまで、お店を手伝っていた麗美さん。
家族の助けになりたいという気持ちと、珈琲屋さんになりたいと言う夢について結婚を機に改めて考える事になります。
旦那様の電機屋さんを手伝う選択肢ももちろんありましたが自分の気持ちに正直になって旦那様の志村さん、義理のお母さんにも3年やってみてダメだったら諦めるという条件で店舗を作る了解を得て、当時25歳という若さで幼稚園の頃からの夢を現実のものにします。
初期の店名は「MR.BEANS」。珈琲焙煎がメインでスタートしました。当時の志村電機店のすぐそばにあった倉庫を改装して小さなスペースでしたが、麗美さんの夢が沢山詰まった思い出のお店です。開店した当時まだ幼かった子供達。2人のお子さんの下の子がまだお腹にいた時からきてくださっている常連さんが現在もいるそうです。

「どんなに小さな事でも積み重ねが大切です」

と話してくれた麗美さん。
子供達の成長の様に、お店の成長の為にも、どんな小さな事でも受け止めて、積み重ねていくのが大切。夢に向かって、家族やお客様との繋がりを大切にしながら、突き進む姿はともて凛としていてかっこいい。
麗美さんのお嬢さんはバイオリンを4歳の頃から始めて、現在は教える立場として社会にご自分の道を切り開いていこうとしています。麗美さんの子育て中の夢の中の1つに「娘の演奏会を自分の店でやりたい」という想いがありました。
その夢は2019年のクリスマスに現実の物になります。昨年の2020年も2回目の演奏会を行ったそうです。昨年はコロナがあったので、常連さんにお声掛けして小規模での実施となった様ですが母と子の共演、珈琲と音楽で人を笑顔にする。媒体は違えど、やっぱり笑っている方がいいよね、笑顔のある空間を一緒に作る力が備わっているように感じました。


麗美さんの次なる「夢」は、お父さんの焙煎を学ぶ事。
志村電機焙煎所では、鮮度を一番大切にしたいので少量から生豆を焙煎できる電機焙煎機のスタイル。初めて志村電機珈琲焙煎所の焙煎機を見た時は革新的で驚きました。
今でも珈琲豆を卸しているお父さんの焙煎機は大量に焙煎できるガスの焙煎機。最近ではガスで焙煎する人が減って来ているそうです。
次の夢が現実となった時、志村電機珈琲焙煎所がどんな風に進化するのかがとても楽しみです。
(下記写真はお父さんの焙煎機)




志村さんのCoffee ring

珈琲カップの跡がコースターに残る様子を「Coffee ring」と呼ぶそうです。
志村珈琲さんのお話しやお店を見ていると、珈琲から生まれる輪が沢山できる様に感じられて志村さんのCoffeeringという言葉が浮かびました。
ご両親の力になりたいと思ってお手伝いをしていた珈琲焙煎所や喫茶店のお仕事。MR.BEANSを経て、現在では志村電機珈琲焙煎所として街の顔となり沢山のお客様を笑顔にしてくれます。
店舗では最近注目されているオーガニックのお豆、しかもカフェインレスコーヒー、濃い味がおすすめの志村ブレンド。これらはお父さんの焙煎所で焙煎しているそうです。
インタビューの中で印象的だったのが、
「私が頑張れば、みんなきっと元気になる」
とおっしゃっていた事。
結婚しても、離れた場所で生活していても両親を思い、繋がれる方法を考えている
珈琲によって生まれた絆(リング)と、志村電機珈琲焙煎所から広がったコミュニティーや珈琲好きの輪(リング)が、この街から日本中、世界中に広がっていくとを願っています。

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https://moreplus.shop/

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