3.朝日訴訟

さぁさぁ、お立ち会いお立ち会い。
3回目のテーマは朝日訴訟。憲法の社会権を学べば確実に出てくる判例さ。

それではさっそく事件概要

【概要】
結核患者である原告は、日本国政府から一カ月600円の生活保護給付金と医療扶助を受領して、国立岡山療養所で生活していたが、月々600円での生活は無理であり、保護給付金の増額を求めた。

1956年(昭和31年)、津山市の福祉事務所は、原告の兄に対し月1,500円の仕送りを命じた。市の福祉事務所は同年8月分から従来の日用品費(600円)の支給を原告本人に渡し、上回る分の900円を医療費の一部自己負担分とする保護変更処分(仕送りによって浮いた分の900円は医療費として療養所に納めよ、というもの)を行った。これに対し、原告が岡山県知事に不服申立てを行なったが却下され、次いで厚生大臣に不服申立てを行なうも、厚生大臣もこれを却下したことから、原告が行政不服審査法による訴訟を提起するに及んだものである。

原告の主張 編集
原告は、当時の「生活保護法による保護の基準」(昭和28年厚告第226号)による支給基準が低すぎると実感し、日本国憲法第25条、生活保護法に規定する「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障する水準には及ばないことから、日本国憲法違反にあたると主張する。

まず、社会権とは、簡単に言えば国による弱者保護を規定する条文でしょう。つまり、国家による自由に分類される。

具体的にいうと、生存権や教育を受ける権利、そして労働基本権といったところです。

今回問題になるのは憲法25条の生存権ですね。

1.すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2.国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

これもプログラム規定説、抽象的権利説、具体的権利説と別れるんですが、省略させてください笑

今回問題になるのは、最低限度の生活ってどんなもん?ってところ。
その程度によっては違憲になるでしょうか?

判決をみてみると、これは法的には厚生労働大臣の裁量にあるそうです。これは上でいうところのプログラム規定説を採ったかたちになります。
ついでに言うと、堀木訴訟という他の点で生存権を争ったものもこの説を採っています。
以下説明。

プログラム規定説とは、国民の権利を保障する憲法規定のなかで現実に法的効力をもたず,国家に対しその実現に努めるべき政治的,道義的目標と指針を示すにすぎないもの。

なんか釈然としませんよね。この辺政治家と行政をとにかく信頼するしかないっすね〜
医療費、社会保障費が国家財政を圧迫している現在の状況では、そういった費用を削減する事になったときにこの判例もまた大きな話題になるかもしれませんね。

ではでは。

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