クラギ弾き語りマラソン(16曲目)

アラサーなら誰もがエモい気持ちになるであろう曲を見つけたのでちょっとシェアしてみたい。

最初の「No〜〜〜〜〜」だけで一瞬昔に帰れました。しかし心を強く持ち、現実から目を逸らすことをせず、残る2曲の振り返りをすませてしまおうと思います。あれ、目から汗が・・・

#15 小林明子「恋に落ちて-Fall in love-」

この曲大好き!!!

高校時代にどういう経路でか忘れたがこの曲を聴いてひと耳ぼれ。メロディが優雅で美しく、サビ終わりのベースが半音で下降するクリシェのフレーズが印象的で、一時期ハマって口ずさんでいた記憶がある。きれいな日本語の文体なのもいいんですよね(文体「は」ナ…)

ここでちょっとミュージックマガジン2021年8月号におけるこの曲の解説部分を抜粋してみたい。80年代歌謡曲ランキングBEST100という企画の1ページで、今回演奏する「恋に落ちて」が45位という好位置にランクインしていたのだ。

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不倫ドラマの主題歌としての影響力や田園都市線沿線のセレブ化といったトピックが挙げられていて実に興味深い。そう感じるのは私がそれより後に生まれているせいもあると思うが、こういうバブリーな現象への興味が長いことくすぶっている。ちなみに私が働き始めたころ田園都市線沿線に住むことを検討したことがある。鷺沼になかなかいい物件があったので内見にも行ったのだが、ネットの口コミや東京出身の友人の話をきくとどうやら想像以上に通勤ラッシュの電車の混雑が地獄であるらしいので結局入居は見送ったのだが。でもリモートワークが浸透しつつある今の状況なら検討しなおす余地はあるのかもしれない。

さて演奏の振り返りだが、このカバーは自分で結構気に入っている。撮る時間が遅くなったので近所迷惑を気にしてささやくような音量で歌ったのが功を奏し、張るよりも抑えた声のほうが自分の魅力が出るのではないかという発見ができた。おこがましいが中島美嘉の声に似ている部分もあるように思う。中島美嘉の歌声も初めて聴いた頃からずっと好きなのでそのうちカバーしてみたい。

もうひとつうまくいったのはギターと歌の連携ないし絡みである。「I'm just a woman ah fallin' love」での流れるような演奏は我ながら成功したなと思う。16曲目にしてやっと「イケボ以外の低音ボイス路線の開拓」のきざしが見えてきた気がする。ウィスパー路線はちょっと今後も研究してみたい。そうなると音量が落ちるので相対的に周りの雑音を拾いやすくなってしまうので良いマイクとマイクスタンドがほしくなってくるが、そんなものは今の私の実力では過ぎた贅沢である。

最後に一番書きたかったこと、衝撃を受けたことを。歌詞のヤバさである。どうヤバいかというと、まず歌詞主人公の心理である。「迷子のように立ちすくむ」というあたかも自分に非がないかのような心理描写や「私をすぐに届けたくて」という陳腐なメタファー(いや「私を届ける」て・・・)が、歌詞主人公の知的水準の程度や幼児性をあざやかに物語っている。次に、これを表現として成立させる作詞家の技術の高さがヤバイ。上記のような「不倫する女性の危ない心理」を表現するために意図的にこうした歌詞を書いたのではないか?憶測ではあるが、確信犯でこういう表現ができるのが職人としての作詞家なのかもしれない、と思い良い意味でヤバイと思った。そして最後に、このヤバイ歌詞があんなに美しいメロディにのせて歌われることのヤバさである。そんなのもう一発で覚えてしまいますわ・・・主題歌としての役割をすごく果たしているんじゃないかと想像する。ミュージックマガジンでも影響力が絶大だったということが書かれてましたしね。

以上、高校時代から好きだった懐メロについて思うところを書き起こすことができてスッキリした。トレンディドラマのことは分からないが、最初に張り付けたMVについて一応補足しておくと、土曜ドラマ「ごくせん2」は日本の西の果ての小島でも圧倒的な人気を誇っていました。

それにしても、1番の歌詞を2番では英語でくりかえす昭和歌謡しぐさ。洗練されていないかんじも含めて私は大好きです。

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