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はじめに

【透析室で「目標を決める」ということ】
わたしは、週3回、月水金午前に血液透析を受けながら弁護士業をしています。10代の頃に腎機能低下を学校検診で指摘され、約15年の保存期を経て、30代で透析導入しました。
わたしが通う透析室では、毎年、「年間目標を決める」というものがあります(おそらくですが、透析患者に生きる目標をという取り組みなのではないかと思います。)。
わたしの初年度は、「毎週末、家でトレーニングをする」でした。これは、体力がないと透析も仕事もどんどんきつくなると思ったからです。1年目、この目標は無事に達成でき、体感としてとてもよかったので次の年以降も大々的に目標にはしないものの続けていくことにしました。
では、2年目の目標はというと、障害者が受け取れる「青い鳥郵便葉書」というものがあり、これを使って、友人のお子さんたち(未就学児)に絵手紙を書くことにしました。これも、20枚全て使い切り、無事に完走しました。
3年目、決めなきゃいけないけどまだ目標が見つからないな~というとき。宇奈月温泉の開湯100周年記念グッズとして、権利濫用のお守りが販売されるというニュースを見つけました。これはぜひとも欲しい、きっと早くいかないと当業界のみなさんが殺到して売り切れてしまう笑、…そう思い、ニュースを見た次の週くらいの平日に、「今日はお天気もいい。期日や打ち合わせなど何もない。体調もOK。よし、今日行っちゃおう!」と思い立ち、透析の中日に当たる木曜日、日帰りで宇奈月温泉に行き、お守りをいただけることになりました(人気がありすぎて現物はすでになく、郵送の予約をしてくる方式に。)。
これを次の日の透析室でスタッフの皆さんに話したところ、「え!すごい!」と。その当時、わたしは透析時に必ずめまいを起こしていて、透析日は体調が芳しくなかったのですが(透析終了後もそのまま数時間ベッドにいて、帰りはタクシー乗り場まで車いすで運んでもらう有様でした。)、中日は問題なく元気に過ごせており、それが分かるエピソードであったことがスタッフさんたちにも驚きと安堵をもたらしたようです。
わたしはもともと旅行は「ここに行きたい!」よりも友人などと楽しむための手段程度の位置づけだったので、あまりひとりで旅行することはなかったのですが、透析を始めてから人生には限りがあることを強く意識するようになり、旅行そのものを目的に、すなわち、「行ってみたい」「食べてみたい」「やってみたい」を叶えるように行動することにシフトしました。そのため、友人と行くことももちろんありますが、ひとりで行くことが増えました。友人はちょうど子育てに忙しい時期であることもあり、なかなか遠出に誘いにくくなったこともあり、行けるならひとりでもどんどん行こうと。
そして、こうしてわたしが旅行に出かけていることを把握した担当看護師さんが、「旅行、好きなんだよね?それなら今年の目標はとりあえず3回、可能なら6回、旅行に行くことにしよう!旅行は元気じゃなきゃ行けないからね。」と提案してくれて、3年目の目標が決まりました。

【透析3年目から始めた旅行スタイル】
わたしの旅行スタイルは、基本的に、「旅行透析をせず、通常の透析の合間に行って帰ってくる」です。
今の透析室が気に入っているのと、旅行透析でも透析自体がスキップできず現地で半日は取られてしまうのであまり可動可能時間は増えないかなと。それなら、日帰りや透析後出発の翌日(非透析日)帰宅というスタイルでどこまで行けるかやってみようと思い、上記のスタイルになっています。
わたしは東京在住で、新幹線も飛行機もそれなりに使いやすいエリアにいるので、動きやすい条件であるところも大きいと思います。ゴールドペーパードライバーなので、自動車は使えません。公共交通機関と徒歩でガンガン移動します。
そして、これはなりゆきで徐々になってきたということですが、「現地でお会いできる方がいれば、お会いしてみる」ことにしています。これまで、Xでつながっている透析患者さんや他のご病気で闘病しながら弁護士をしている同業の先生などにお会いしてきました。透析室ごとの違いや地域差などのお話しは、とても興味深いものです。

【noteを作ろうと思った理由】
同期の弁護士である友人から、「せっかくいろんなところに行っているのだし、何か文章にまとめてみてほしい。日帰りでもこんなに行けるのだというのを読んでみたい。話を聞いているだけでも、行けるところはこんなに広がっていて、『時間が取れなくて~』なんて言ってちゃダメだな、『行くぞ!』って決めて動かなきゃいけないんだなって思った。行ける範囲の認識がMiiの話で広がったよ。」とアドバイス?してもらったのが大きな理由です。
また、わたしの担当看護師さんが、どこか外部で事例研究をするに際し、「患者に目標を決めてもらう」という透析室の取り組みを報告することになり、そのモデルケースとしてわたしの旅行体験を使わせてほしいという申し入れを受けました。旅行は元気でなければ難しいし、さらに、いろんなエリアの透析患者さんや他のご病気を抱える方と交流しているのがとても良い、と。
看護師さんの発表は令和6年秋だそうで、その前にインタビューをさせてほしいと依頼されています。インタビューに向けて思い出すためにも、自分で整理のために書いておこうと思いました。

とはいえ、旅行・お出かけのことだけではなく、治療のことや仕事上のことなど雑多に書いていきます。
興味を持っていただけたら、チラッと覗いてやってくだされば幸いです🍀

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