数島はいつまで怒れるのか RISE183


はじめに


数島大陸
17歳
第2代RISEフライ級王者

数島が怒りのFEVER TIMEに入り始めた経緯は、ここでダラダラ書くよりも動画見てもらった方が早いです

自分としては、非常に素晴らしい展開だと思ってます
数島、いいキャラ手に入れたなー

上記動画への龍心からのアンサー動画でも反撃の材料とされてましたが、元々数島はSNSなどで自分をアピールするタイプではありませんでした

これはRISEの選手の多くに当てはまる改善した方が良い点なのですが、試合で素晴らしいパフォーマンスを残してるのにSNSを活用しないのは非常に勿体ない
以前、RISEの小野さんも指摘されてました

そりゃあSNS、特にXなんてのは肥溜めみたいな連中も少なからずいます
数島選手の怒りのポストに「じゃあ抜けろ」「王者なら黙ってどんと構えてろ」とか無責任に返信する輩もいますからね

しかし、そんなデメリットを補って余りあるリターンが得られる可能性があるのもSNS
プロであるからには数字も追い求めないと、結局チャンスを逃して損をするのは選手自身ですからね

特に引退後とかは、我々一般ファンは現役の間こそチケット買ったりして応援出来ますが、その後の人生まで支援するのは難しい
そこでSNSなどを駆使して人脈を広げておけば、セカンドライフに備えることに繋がるのではないでしょうか

閑話休題

高い実力を持ちながら発信力に欠けていた数島
しかし発信力がゼロだったかと言われると、そうではありません

「キックボクサーは、泣かないぜ!」


実際に流行っているかは別にして、「数島と言えばコレ」というキャッチフレーズを生み出したのは素晴らしい(元ネタあるんですかね?知っている方がいたら教えてください)
試合後のマイクでも欠かさず言ってたはず

実際に流行っているかは別にして、SNSでは無口な数島なりにアピールをしようという気概と素質はあったように思えます

そんな彼に訪れた転機

それが、「RISEに怒るチャンピオン数島」です

事の発端はRISE WS横浜大会
RISE側の不手際により那須川龍心の試合後にリングに上がれなかった
数島はベルトと重たいケースを持ってわざわざ横浜まで来たのに、あんまりな仕打ち
まぁ、これはRISEに100%落ち度があります

誰にでもミスはありますし、取り立てて外野が「けしからん!」と憤慨するようなレベルの話ではないですが
多分裏ではスタッフが数島に平身低頭で謝ってたんじゃないですかね

しかし、それはあくまで発端

勝たそうとしてるのはRISEというかABEM……おっと

恐らくこの発言の裏には、大阪大会での龍心vs塚本の判定が多少なりとも影響しているのではないでしょうか

あれもTEPPEN判定だなんだと言われてましたね

個人的には29-29でドローかなと思いました
30-29那須川は「んん?」と思いましたが、マストで振り分けるなら龍心でもおかしくない
当時の実力は互角も互角で、多分3Rだったら当日の本人達のコンディションで結果は変わるでしょう

そもそもTEPPEN判定なるものが実在するのかは、今回横に置いておきます(それを考察するほどRISE観戦歴は長くないし)

数島は他にも

「『RISEはガチ』って言う割には数字ばっかり気にしてないか?」
「人気がマッチメイクに影響するのは仕方ないが、判定に影響すんのは駄目だ」

というような旨の発言をしていますが、実際に龍心が知名度による恩恵を判定で受けたか?と言われると、首をかしげざるを得ません

しかし、そんなことは数島が一番良く分かっているはず

数島の本当の狙い


どこまで計算づくなのかは分かりませんが、これまでの発言により、数島は決して少なくない民意を味方につけました
判定をする審判団への牽制も意図としてあるでしょうが、それよりも
「なんとなく龍心が気に食わない」「恋リアなんぞに現を抜かしおって、けしからん」「どうせTEPPEN判定あるんだろ」「天心のファッションがダサい」
と言ったような、RISEファンの中に一定数は確実にいるうっすらと龍心アンチ達に向かって旗を降った

「俺が龍心と、あいつを優遇するRISEに目にもの見せてくれよう!ついてこい!」

てな感じに

最近は龍心よりもRISEに矛先を向けてますが(所属団体潰したらあかん)

なんか切れ方が梅野源治っぽくなってきましたが

ともあれ、数島大陸という王者に
そしてRISE183で行われるタイトルマッチにこれまでとは異なる熱が集まり始めたのは間違いないです
チケットも完売目前のはず

これが本当のアンガーマネジメントと言ったところでしょうか

王者だからこそ言いたいことは言うべし


数島に限らず、王者であろうと無かろうと運営に対して不満があるならはっきりと発言した方がいいです
RISEだと、大﨑孔稀が比較的はっきり発言するタイプです
この前のONEの試合凄かったなぁ……

王者だろうと言いたいことは言う、当然のことです

それに、RISE183の会見で数島が「RISEはガチって言う割には数字ばっかり気にしてんちゃうかと思うんですけど、伊藤さんどう思いますか?」
と切り込むと、伊藤代表はニッコニコでしたからね

中村記者とのインタビュー動画で毎回のように伊藤代表が重視しているのが「プロ意識」です
強さとか真面目さとは別に、
「どう自分をプロデュースするか」
「いかに自分を出すか」
これこそがプロとしての格闘家に求められるものである、と

それに、「全選手に言えるが、試合は相手との戦いだけでなく、vs RISEでもある」とも度々発言してます

失礼を承知で言えば、今まで一王者に過ぎなかった若手の数島が、はっきりと自分の意見を鋭くぶつけてきた
それもSNSだけでなく、直接
嬉しい気持ちが大きかったのではないでしょうか

どこぞの団体のプロデューサーと違って、好き嫌いで王者を干したりする人ではないでしょうから
お気に入りの選手をプッシュすることはありますが(中村寛とか白鳥とか)

さて、数島にとって大変なのはむしろここからです

数島は、いつまで怒り続けられるのか?


怒ったり憎み続けるのって、それはそれで結構パワーがいります

それに、数島は龍心が嫌いって訳ではないと思うんですよ
調整試合の有無とかは文句つけてましたが、挑戦者として相応しいことは認めてましたし
実際、松本天志と塚本に勝ったらそりゃタイトルマッチしかないでしょう

RISEへの怒りだってそうです
例えば、数島が危惧していた通り龍心が微妙な判定で勝ったとしましょう
そしたら怒りは持続する可能性はあります
「俺は納得してない!リマッチさせろ!」ってね
RISEで言ったら原口vsペッチ2の時の原口とか
K-1で言ったら軍司とか

問題はむしろ、数島が防衛した時です
何なら個人的な勝敗予想で言うと、八割がた数島が防衛すると思いますよ
KOは難しくても、ダウンは取れるんじゃないですかね
現状、数島に勝てる可能性が一番高いのはこの階級で塚本望夢だと思ってます(それも五分五分より分が悪いでしょうけど)

極めて妥当な判定で数島が防衛した時、果たしてその怒りは何処へ行くのか

RIZINであれば、怒り猛る梅野にhy4_4yhというガソリンをぶっかけてYAVAYキャラを作り、ブームを作りました(すっかり下火だけど)

かといってRISE、あるいはABEMAがそれを真似するのは難しいでしょう
反逆者キャラを寛容に(むしろ前向きに)受け止めている団体ですから、そういう方向性のプロモに難色を示すことは考えづらいですが
何故なら防衛後の数島に、RISEへの怒りという炎が無くなっている可能性が高いからです
火のない所に煙は立たぬなら、火のない所に焚きつける事も出来ません

先述の通り、伊藤代表は特定の選手を冷遇する人ではない
その上、RISEは概ね所属選手に好ましく思われているように見えます

ぶっちゃけ、各所から不満が滲むような団体だったらバンバン選手出て行ってますよ

K-1のようにブランドがあるわけでもない
ONEのようにファイトマネーが他のキック団体より特別高いとは思えない
RIZINのように大箱を満員御礼にする集客力があるわけでもない

それでもこれだけ実力のある選手が集い、「RISEを背負う」「RISEをデカくする」と公言する王者がいるのは何故か

それだけの魅力と信頼を、選手が感じているからではないでしょうか
だからこそ、キック団体として国内No.2の位置を確保しつつあるのではないでしょうか(と言いながら、実際キックで一番客入り好調なのはKNOCK OUTだったりもするのですが。横一線かな?)

引退した一馬さんが、RISEの為に色々企画をしたりSNSで発信しているのもその証左だと思います

あんまりRISEを上げ過ぎると信者だと思われるのでこのへんで(別にいいけど)

何が言いたいかというと、数島は勝ったら勝ったでもうキレ芸キャラを続けるだけの怒りの燃料が無いのでは、ということです
勝ち切った龍心に対して「これからも優遇されんじゃねぇ!」ってキレるのはただの因縁つけたいやつだし
RISEに対して「二度とあいつを優遇すんなよ!」とキレるのもおかしいし
冷遇するような団体じゃないから「丁重に扱え!チャンピオン舐めんな!」ってキレるのも難しいし

何より本当に、心の底からRISEが嫌いなら出ていくだろうし(絶対それはないと思いますが)

キレる対象が無くなった今、数島の王者としての真の発信力が試されます

何事も継続しなければ、一過性のブームにすらならず終わってしまいます
ちょっとバズって終わるだけ

おわりに

RISE181から始まった大森の春

ここからRISEに出場する多くの選手が、Xで自分に試合を告知したり、アピールを少しずつ始めるようになりました
それがここ最近の後楽園大会の好調に繋がっていると思われます
まさに継続は力なり

これを毎回続けていれば、天心がいた時以来の大箱満員も夢ではないはず

それと同じように、数島も今回で得た民衆の支持と数字を更に伸ばすには、RISEに物申す系以外のアプローチを考え、発信し続ける必要があります

那須川龍心に試合以外でも勝つために

RISEを本当に見返す為に

「そんなん無理や!」なんて泣き言は言わないはずです

何故なら……

キックボクサーは、泣かないぜ!

それでは、ここまで読んでくれた方々ありがとうございました
残された年内のRISE興行は全て現地に行きますので、お会いすることがあったらよろしくお願いします

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