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お盆のお墓参りにて

私は毎年お盆の時期は夏フェスに忙しく、お墓参りは正月とお彼岸のみとなっていたが、今年の夏は全く予定がなかったので数年ぶりに実家のお墓参りに同行した。
私の実家の墓参りは車で30分〜1時間以内の範囲で3箇所ある。
・実家の墓
・母方の実家の墓
・祖母の実家の墓
(この三つなのだが最後の一つが謎である)

私は現在の家が遠方のため早朝より電車に乗って参加。
父、母、妹、姪(3歳)、私
狂ったメンバーを紹介するぜ!とはいかないが確実に狂っているのは母である。(めちゃくちゃ語弊があり不謹慎だけども)

一つ目の実家の墓より軽く雲行きが怪しくなってくる。
まず母親が「暑いから行きたくない」と車から降りるのを拒否。
その事に関して妹が「どうして母親が中心なのか、どうして母親は何をやっても許されるのか」という内容で不満を爆発させて号泣。
(幼少期から母親の願いは全て叶えられ、自身は我慢を強いるような生活がちょっと世間と違うという事が分かってから妹は実家への不信感がすごい)
お墓の前、炎天下の下で妹の苦しみが癒される方法が無いかという話し合いも意見はすり合わせできず。

昼食

二つ目の墓にて最大事件が起こる。
山上にある墓に向かう途中、行楽の大渋滞に巻き込まれる。
結果として12分で登れる山を2時間半。
身動きができない社内で母親が突然症状発症。
「暑い〜暑い〜助けて〜助けて〜怖い〜怖い〜こわいいいいいい!!!!」
「いやぁあああああああ!!!!!!」
「ギャァーーーーーーーー!!!!!!!!」
普通に生活していて大声を出すのはまぁ無いのだけども一般人だと子供と統合失調症の人なのかなと狭い車内で絶叫を聴きながらぼんやり思った。
慣れとは怖いもので、私は今年の正月に実家に帰省した際に夜通し叫ぶ母親の姿を見ていて今回の突然の症状も「またか」程度だった。

ここで幸いだったのか姪が爆睡中で絶叫車内でも起きなかった事である。
この事で姪がびっくりしてギャン泣きだと地獄だったと思う。

そしてもう一つの幸いは母親の症状はこの時だけでその後は父がなだめて平静を取り戻した事(と言っても終始文句は言い続けている。叫んではいないだけの状態)

姪が起きた後、持っていたおもちゃなどで遊んでいると姪は上機嫌で車内で楽しそうにキャッキャしていたのが全てを救った。
ちょうどおしゃべりで意思疎通ができ始めたので姪が話す度に大人が沸くという状態が功を奏して車内の中心人物が母親から姪になった。

車内はエアコンもあまり効かず、飲み物が無く、トイレにも行きたいような気もしているのに5分に一度10メートル進むような終わりの見えない状態の渋滞という危機的状況を救ったのは姪の無垢な魂であった。

行楽施設を抜けると渋滞?何それ状態のスイスイドライブウェイに突入した瞬間に車内は全員が「ヤッタァーーーーー!!!!!!!」「イエェエエエイ!!!!」とテンション爆上げでそれに姪も大興奮でキャー!となり。

私は失われたライブハウスの興奮のようなものを追体験?していた。

墓地の案内所でトイレを済ませ、自販機で水分補給をし。
生きている幸せを家族全員で噛みしめた。

はっきり言って母親の症状悪化、妹の出産により意思がバラバラになっていると感じた家族が一致団結した出来事であった。
最悪の状況から最高の状況に変わるというすごい体験をした日だった。

その後はノリノリになった我々は残りの三つ目の墓もさくっと参り、王将で餃子を買って予定していなかった実家での餃子パーティを開催し。
円満解散となった。
終始「姪ちゃんのおかげで助かった」という話だった。
今後ずっと語り、この時の気持ちを忘れないようにしたい共通話題が出来てよかった。
母親を腫れ物として扱っていた私たちと姪には決定的な差がある。
母親を気にしているか、気にしていないか。
もしかして、気にしている事を母親はわかっているのかもしれない。
統合失調症は謎が多いけども、まだ自意識が形成されていない姪が母親にとってどんな作用があるのか今後も見ていきたいと思った。

忘れないようにここに綴る。

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