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効果音備忘録ーVoiceの使い方ー

もう少しで家にある漫画単行本の冊数が300冊に到達する学部4年穴村です。今の装備では書棚に入りきらずに箱に入れて床に直置きしているので収納方法をコロナ期間中に改めたいと思っております。

はじめに

今回扱うVoiceは音と音の繋ぎ方や、一度に複数音が出力できるかどうか等を決めたりすることができる機能です。リリース音が長すぎて音が重なりすぎてしまうことを防いだり、音と音を滑らかに繋ぐことを目的で使用されます。

polyとmonoとlegato

poly
ポリフォニック(Polyphonic)の略で、複数の音を同時に出力することができるモードです。特に何もなければ基本はこれを選びます。

mono
モノフォニック(Monophonic)と言い、モノ(Mono)というだけあって一つの音だけしか出力することができないモードです。前の音に重なっていたり、リリース音に重なる場合は前の音を切って後から入力されたものが優先されます。ベース音を再現する時や、リリース音が重なり合って響きが気持ち悪くなってしまったり音の頭がぼやけてしまったりする場合に使うことが多いです。響きよりメロディーラインの頭の発音をはっきりさせたいときに使用すると効果的です。

legato
monoと同じように、1つの音のみ発音します。音楽の発想記号であるレガートと同じく、なめらかに音を繋ぐという点がmonoとの違いです。EG(ADSR)を前の音から引き継ぐことができます。例えばリリース中に新しいノーツ(音符)を入力するとその時点での音量で次の音へ切り替わり、減衰を続けます。monoよりなめらかに音が切り替わる為、音が違和感なく流れるように変わるようにしたい時に使用すると効果的です。

unison

音楽経験者__特に吹奏楽経験者__は馴染みのある単語だと思います。ユニゾンとは同時に同じフレーズを演奏する事を指します。例えばピアノソロでユニゾンと言われた場合は右手と左手で同じフレーズを演奏することになります。ユニゾンによって得られる効果は合唱のように複数人で同じフレーズを演奏するため、音に厚みが出たり、迫力が出たりします。映画「天気の子」の「グランドエスケープ / RADWIMPS」のサビや、ブルボン「アルフォートミニチョコレート」CMソングの「群青 / yoasobi」のぷらそにかが歌うコーラス部分等を聴いた時の印象と同じようなことが起こります。ユニゾン数を増やせば増やす程効果が増幅します。

Synth1におけるVoiceの使い方

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poly / mono / legato
該当の文字の横にあるライト、もしくは文字をクリックすることで出力モードが切り替わります。

パネル

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出力モードがpolyになっている時にのみ効果が出ます。polyモードで同時に出力することができる音の数を指定することができます。最大32まで指定することができ、この数はユニゾンの音数を込みでの数です。

unison

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unisonボタンを押して隣のランプが点灯するとユニゾンが発生します。

num
unisonボタンの下にある数字パネルでユニゾン数を指定します。最大8まで指定することができます。数が多いほど音の密度が上がり、厚みが増します。

det(デチューン)
少しだけ原音と音程をずらして重ねることができます。この値を大きくするとずれが大きくなります。

phase(フェーザー)
ユニゾンした音の位相を同期させるものです。発音するタイミングによって音の質が変わってしまうことを防ぎます。私は特に何もこだわりがなければ大きめ(右いっぱい)に設定しています。

sprd(スプレッド)
左右どちらから鳴らすかを決めることができます。ユニゾンが2の時だけ違いがはっきりと明瞭にわかります。3以上の時は左右に広がるような空間系の効果が得られます。

pitch(ピッチ)
ユニゾン音のピッチを1増減するごとに1半音、原音からずらします。

portament(ポルタメント)

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グライドとも言います。ポルタメントは前の音から繋がっているようになめらかに音が鳴り始めるようにする機能です。パラメータを大きくするとより滑らかに音程が繋がったように音が鳴るようになります。ドラマ「女ともだち」の主題歌、「東京無理心中 / ドラマストア」の冒頭部分のシンセリードの音のようななめらかに音程が変わるメロディーを再現するのに使う機能です。

auto(オート)
通常、全ての音に適用されるが、これをオンにすると音が途切れた場合にポルタメントがかからなくなり、音が繋がっている(ノーツが隙間なく並べられている状態)時のみ機能するようになります。特にこだわりがなければオンにして使うことが多いです。

まとめ

今回はVoiceの使い方を紹介しました。ユニゾンはかなり優れものの機能で、少し物足りなさを感じたり、音を華やかに派手にしたいと感じたりした時に付け足すとボタン一つでかなり印象が変わるものです。ポルタメントも使いこなすことができるようになるとかなり制作できる効果音の幅が広がるので是非マスターしてもらえたらなと思います。次回はEffectの使い方を紹介します。

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