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効果音備忘録ーChorus / Flangerー

つい先日初心運転者期間を終えて初心者マークを付けずに運転ができるようになったものの、「初心者だから仕方ない」で済まされなくなってしまったことに心細さを感じている学部4年の穴村です。

はじめに

今回はいわゆる「モジュレーション系エフェクター」に属す、コーラス・フランジャーのお話です。音に歪を加えたエフェクトの回と同様に音の雰囲気(音色)を変化させる機能です。効果音は音源が短い分、音色がかなり重要になってきますので是非覚えたい機能です。

Chorus / Flangerとは

「はじめに」で紹介した通り、コーラス・フランジャーは「モジュレーション系エフェクター」というジャンルに属します。モジュレーション系エフェクターは音に揺らぎを与えることで音色を変化させるものを指しています。今回紹介するコーラスとフランジャーは原音に原音を変調させた遅延音を加えてダブリング(※次の段落で説明します)の効果を与えるものです。そして、コーラスとフランジャーの違いは遅延音の長さにあるため、Synth1では同じセクションで遅延音の長さによってコーラスとフランジャーを使い分けます。(とは言っても明確にここからコーラスで…みたいなものはありません。)ちなみに遅延時間はフランジャーが短め、コーラスが長めです。

ダブリングとは

例えば複数人で合唱をした場合、全員が全く同じクオリティーの声を出せるわけではないので、当然微量ながらも異なった複数の音が重なり合って響かせることになります。同じフレーズを何度も演奏した際に若干の音程の揺らぎや音色の変化が発生することを活かし、それらの音源を同時に再生することで得られる効果の事をダブリングと呼びます。音に厚みを出したい時に使われる手法です。一つの同じ歌唱音源をパンで左右に振ったとしてもあまり空間の広がりが感じられないのに対して、同じフレーズを歌う二つの音源を片方は左、もう片方を右に振ることで前者とは打って変わって左右に別の人がいるような感覚が得られます(結構面白いので自分で録音してやってみるといいです)。同じフレーズを二度歌うことから「ダブリング」と言われるようになりました。効果音でもパンで同じフレーズを左右に振りたい時はダブリングの効果を利用するとよりパンが活きるので、若干音程を変えたり、ほんの少し遅延させたりすると面白い音源が作れます。

Synth1におけるChorus / Flangerの使い方

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ON/OFFボタン
点灯でONになります。

type(タイプ)
ON/OFFボタンの隣にあるパネルでタイプを選択することができます。Synth1ではx1、x2、x4の3種類があります。x1がモノラル、x2がステレオ、x4が4相になります。モノラルの場合は左右で同じ音が鳴り、ステレオの場合は左右で若干変調音の位相をずらすことで左右で異なる音が出力されます。4相の場合はステレオの時よりさらに位相をずらしてよりエフェクトの効果を高めて音を厚くし、拡がりを持たせます。

time(タイム)
原音を基準にした遅延時間の設定ができます。0.05ms~30msまで設定することができます。左にひねると遅延時間が短くなり、逆にひねると長くなります。フランジャーの効果を狙う際は1ms周辺、コーラスの効果を狙う際は20ms周辺にセットすると良いです。よくわからなければ完成した音源を聴きながら少しずつ変化させてみる方法で調整してもいいと思います。

deph(デプス)
どの程度音に揺らぎを与えるのかを決めます。右にひねるほど効果が強くなります。効果を強めるとかなりクセが強くなるので余程こだわりがなければ小さめにしておくのが無難です。

rate(レイト)
揺らぎの速さを決めます。設定範囲は0.01~400Hzです。右にひねるほど早くなります。1Hzの時、1秒間に1回揺らぎが発生するため、400Hzに設定した場合は1秒間に400回音が揺れることになります。こちらもデプス同様にクセが出るので自然を求めるのであれば小さめに設定しておくことをお勧めします。

fdbk(フィードバック)
文字通り、再入力する音の量を決めます。-99~97%の範囲で設定が可能です。絶対値が大きいほど効果が大きくなります。正と負では異なる結果が得られ、原音とのバランスによっては金属音のような音等、かなり特徴のある音も出力できたりします。

level(レベル)
原音とエフェクト音のバランスを設定することができます。原音100の時つまみは左いっぱい(0)に回し、エフェクト音100の時つまみは右いっぱい(127)に回します。

まとめ

今回はChorus / Flangerの使い方を紹介しました。ここまででかなりいろんな種類の音が作れるようになったと思うので、是非いろんな機能を組み合わせてどんどん面白い効果音を作ってほしいなと思います。さて、次回で効果音備忘録シンセ編が最後になります。が、パソコンのみで入力を行う人は全く必要のない機能になりますので、実質今回が最終回のようなものになります。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。次回はWheel / MIDIの使い方を紹介します。鍵盤とかの外部機器をPCにつないで音源を作りたい!という人向けのお話です。気になる方はぜひ次回もお付き合いください。

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