効果音備忘録ーArpeggiatorの使い方ー
もれなく五月病に罹り、ただでさえ学校に行っていないのにアルバイトのために外出するのも億劫になってきました、学部4年の穴村です。
はじめに
今回はArpeggiatorの使い方についてを説明します。この機能に関しては作曲向けになっています。しかも、「あると便利」な機能ではありますが、力技でこの機能を使わずにも同じ音を再現することができるので、余力がある人は読んでください。
アルペジオ
この機能を理解するには、アルペジオというものを理解する必要があります。専門用語も織り交ぜて説明すると、コード(和音)に含まれる音をとある順番で一定の音価で演奏する事ということなのですが、意味がわからないのでもう少し掘り下げて説明します。まず、Cコード(ドミソ)を例に挙げて説明します。上の文でいうコードに含まれる音というのがドとミとソに当たります。音価は音の長さの事を指します。つまり、ドとミとソをとある順番に同じ長さで演奏することということです。アルペジオを何となく理解したところで「とある順番」についていくつかパターンがあるので紹介します。
上昇型
上の図のように低い音から高い音まで順番に演奏したのち、一番低い音まで戻って繰り返すタイプを上昇アルペジオといいます。例に挙げたCコードではド→ミ→ソの順番を繰り返します。
下降型
下降型はお察しの通り、上昇型の全く逆で高い音から低い音を順番に演奏したのち、一番高い音まで戻ってを繰り返すタイプで、下降アルペジオといいます。Cコードではソ→ミ→ドの順番を繰り返します。
他にも、上昇型と下降型を組み合わせてド→ミ→ソ→ミ→ドを繰り返すタイプなどもありますが、基本は上記の二つのタイプの組み合わせになります。
Arpeggiatorとは
アルペジエーターは打鍵した和音でアルペジオを作り、演奏してくれる機能です。その為、わざわざ何度も同じ音を打ち込む必要がなくなり、制作時間がグッと短くなる便利機能です。
Synth1におけるArpeggiatorの使い方
前回紹介したFilterの一つ下にあるこの部分がArpeggiatorです。
ON/OFFボタン
これを押すことでアルペジエーターの起動を制御することができます。
type
アルペジオの演奏パターンをここで選択します。Synth1には4種類があります。
→updown
上昇したのち下降するパターンを繰り返します。
Cコード→ドミソミドミソミド…
→up
上昇アルペジオ
Cコード→ドミソドミソドミソ…
→down
下降アルペジオ
Cコード→ソミドソミドソミド…
→random
文字通りランダムなので規則性はありません
range
アルペジオの演奏範囲を決めるボタンです。1octは1オクターブのことで、4オクターブまで設定が可能です。
beat
アルペジオの演奏スピードを決めることができます。演奏スピードは音符の長さで設定し、見方は以下の表のようになります。
音符の長さについてはこのコラムの本質から脱線するので、その手の詳しい記事を参考にしてください。
gate
ゲートは打鍵している音の発音時間を調整するパラメータで、右いっぱいに回すと音と音の間に隙間のない途切れない(レガート)アルペジオとなり、左に回すほど歯切れのよい(スタッカート)アルペジオになります。
おまけ(2021.05.21追記)
今回の機能は効果音制作向けというよりは作曲向けだという話をしてきましたが、もちろんこの機能を使って効果音を作成することも可能です。
この音源はArpeggiatorの1oct上昇型を4音重ねた和音にかけています。このように繰り返し同じ音のパターンを使用するタイプの効果音を作る際にも便利な機能で、これだけたくさん音が使われているのに、私が入力したノーツは4つのみとなっています。この機能で大分作業効率が上がり、時間短縮にもなるのでよかったら使ってみてください!
まとめ
今回はArpeggiatorの使い方の紹介をしました。効果音を作るのにはあまり使えなそうな機能にはなりますが、作曲にはかなり使い勝手のいい機能です。beatの設定が音符の長さを利用したものになっているので、最低限の音楽知識はあった方がいいような気がします(力技で一つ一つ試してみていい感じの長さを選ぶというような方法でもできますが)。次回はLFOの使い方を紹介します。LFOは面白いぞ。
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