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効果音備忘録ーDAWとVSTプラグインー

学生記事第1号を務めさせていただきます、学部3年の穴村です。
これは本当にどうでもいいんですけれども、学校の授業がオンラインでしばらく学校に行ってないため、3年と名乗るタイミングがほとんどなく、文字の並びに当惑しております。

はじめに

まず始めに、私の研究分野をご紹介いたします。タイトルの通り、私がメインとして扱っているのは「効果音」です。将来的には効果音の印象調査などをしたいなと考えています。私はこの森勢研究室に所属して2年目になるのですが、去年から行っている効果音制作を学んでいく上で得た知識をこちらの記事にまとめていこうと思っています。しかし、まだ未熟者故に表現の齟齬や解釈の違い等が起こる可能性は十分にありますので、この記事に対してもし疑問に思われた方がいらっしゃいましたら、教えていただけると幸いです。一緒に勉強していきましょう。

お品書き

今回の記事でご紹介するのは、DAWソフト及びVSTプラグインシンセについてとシンセサイザーの仕組みについてです。

DAWソフト

まず効果音を作り始めるにあたり、必要になるのがDAWソフトです。サウンドデザイナーやサウンドクリエイター等、「サウンド」にかかわるお仕事の募集要項には大体「DAWソフトが使えること」という趣旨の文面が入っているかと思います。それくらいサウンドの世界では必須スキルとなります。ところで世の中にはたくさんのDAWソフトがありますが、いったいどれを選んだらいいのでしょう?正直な話、私もこの観点については明確にこれというものはありません。ソフトによって一長一短ありますし、人によって重視することは異なります。すべてのソフトを使ったことがあるわけではないので、ここでは私が使ったことのあるソフトをご紹介します。

1.Studio One
 私が最初にダウンロードしたのはこのソフトです。このソフトのいい所は、既にソフトの中に様々な音色が用意されており、最低限の音楽知識があればダウンロードしてすぐに楽曲制作並びに効果音制作ができるところです。大体の楽器はこのソフトのプリセットで表現できると思います。しかし、細かい音作りが少なくとも無料版ではできない仕様になっています。更に、後で紹介しますが、VSTプラグインシンセ(後程詳しく説明します)が追加できない仕様になっています。なので、まずDAWソフトの使い方に慣れることや、MIDIの打ち込み方を覚えるなど、基本操作を学ぶのにはちょうどいいソフトだと思います。簡単に作曲してみたいな、という人にもおすすめです。どちらかというと効果音制作に使用するというよりは、楽曲制作向けのソフトのように感じました。

2.Cakewalk
 今も私が使用しているソフトがこのソフトです。こちらはさっき紹介したStudio Oneではできなかった細かい音作りと、VSTプラグインシンセの追加ができるようになっています。元々搭載されている音色はStudio Oneに劣るものの、VSTプラグインが自由に追加できるため、音色を作っていくのに適したものになっています。無料のソフトの中ではかなり優秀な方に入るのではないかなと思います。

VSTプラグインシンセ

まずVSTプラグインシンセとは何かの話をします。いきなり音楽的な話になるのですが、音の3大要素は「大きさ」「音程」「音色」となっています。VSTプラグインシンセではこの3つの要素を決めえることができます。もちろん、「大きさ」「音程」に関してはDAWソフト側で指定することもできますが、「音色」は基本的にVSTプラグインシンセの方で調整します。役割分担的にはDAWソフトで音程を打ち込み、VSTプラグインで細かい音程の調整並びに大きさと音色を調整したのちにDAWソフト側で最終的な音程を決めるといったようなイメージです。近年では無料で配布されているものが沢山あり、無料でもかなりクオリティの高いものもたくさん配布されていますので、興味がある方はググってみてください。このページですべて紹介しきれないので、今現在私が使っているVSTプラグインシンセの中で特に汎用性が高めなフリーVSTプラグインシンセを2つご紹介します。

1.SANA 8bit Plugin
 このシンセは基本的にいかにもシンセサイザーっぽい音(シンセサウンド)を作るのに適しています。ゲームっぽいピコピコ音や、サイレンといったような機械音を作るのが得意です。このシンセの最大の特徴は、音の波形を自分で描くことができる機能が搭載されていることです。大体のシンセでは基本波形(次回以降に紹介します)の中から選ぶタイプがほとんどなので、だいぶ音作りに慣れてきて、自分の中でどういった波形がどういう音を生み出すのかが身についてきたらこの機能の恩恵が受けられるかと思います。
▽見た目はこんな感じ

スクリーンショット (163)


2.Synth1
 このシンセは大体の事なら何でもできます。私は先にSANA 8bit Pluginを追加していたのですが、つまみの多さに驚きました。このコラムでは次回以降、Synth1をベースにシンセの使い方及びDAWソフトの使い方を紹介していこうと思っています。このシンセの最大の特徴は、このシンセを使用するサウンドクリエイターの方が多く、音の作り方や音色のプリセットを配布していたりするので、音作りの勉強が進めやすい点です。
▽見た目はこんな感じ(色は変更していますがフォーマットは同じ)

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シンセサイザーの仕組み

まず音作りの順序を説明していきます。軽音をやっている人以外はピンとこない人も多いと思いますが、音を加工していくのには順番が決まっています。シンセサイザーでは勝手に処理を順番に行ってくれるのですが、ギターやベースの音を加工しようと思った際に、エフェクターを並べる順番は大まかに決められています。音作りをするうえで徐々に意識してくる部分になるので頭の片隅にでも置いておいてもらえるといいかなと思います。

シンセサイザーの仕組み

この上の図が音を作っていく工程になります。音の波形を生み出すのがVCOの働きです。ここで自分が作る音波形を決めていきます。次に、その波形から出る音の中で不必要な音を削る働きをするのがVCFです。ここれ音の雰囲気を決めます(ざっくりとした表現ですみません)。最後に音量をVCAで指定し、その後音として出力されます。基本的な流れとしては、波形を決める→音を削る弥次r巣日音量を決めるの流れで音を作っていくイメージです。そして、メインの流れとは別にENVとLFOがあります。これらはメインの流れにある3つの要素の働きを時間経過とともに変化させる働きを持っています。実際にSynth1でそれぞれの働きをざっくりとまとめていきたいと思います。

シンセサイザーの仕組み2

赤枠→VCO(オシレーター)
青枠→VCF(フィルター)
橙枠→VCA(アンプ)
水枠→ENV(ADSR、エンベロープ)
桃枠→LFO

 メインの3要素の働きは先程説明した通り(詳しい説明は次回以降の記事で行うので現時点では上記の説明程度の理解で大丈夫です)なので、ENVとLFOの働きだけ軽く説明します。
 ENVはエンベロープジェネレータ―の略で、EGやADSRと呼ばれることもあります。Synth1の場合、オシレーター、フィルター、アンプの三つの場所に分散されて用意してあります。オシレーターでは音程、フィルターでは音色、アンプでは音量に変化を促す働きをします。
 LFOは音に揺らぎを与えるという働きをします。オシレーターでは音程、フィルターでは音色、アンプでは音量に揺らぎを生じさせます。
 詳しくは次回以降にやる、音作りの仕方に沿って説明していきます。

まとめ

今回は導入になりますので、DAW及びVSTプラグインとは何たるかということと、シンセサイザーのざっくりとした仕組みを紹介しました。これから効果音制作並びに楽曲制作を始めたいよという方に役立つ内容になるようにかみ砕いて説明できるよう努めますので何卒御贔屓にしてください(笑) シンセサイザーの仕組みを何となく理解すると音作りをしていく順序もおのずと決まってくるので、順番だけでも頭の片隅に置いておいてもらえるといいのではないのかなあと思います。次回以降からは実際にSynth1を使ってシンセサイザーの使い方、音作りの仕方について説明していきます。もし使用する予定のプラグインシンセがSynth1以外でも大まかな機能は同じだと思うので、ぜひ参考にしてみてください。次回の更新をお楽しみに!

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