例の海
手で払うんだろう 手についた砂をも
それが砂になるために吹いた風はもう
例の海へ 例の海へ
かかってあった絵 いつか落ちるだろう
重さごと朽ちて 落ちていく額の
それを額と呼ぶ前の木材まで
痩せた潮騒が 届かない声が待ってる
例の海へ 例の海へ
やさしいのは君だけじゃないと言いに
空に鍵をかけて 青い土をひく
もう逃げる気も失せたよと地球儀が言う
波の倍音は 手付かずの銀河
さあ 行こう
例の海へ 例の海へ
やさしいのは君だけじゃないと言いに
やさしいのは君だけじゃないと言いに
「やさしいのは君だけじゃない」
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