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2022/11/8 皆既月食&天王星食、2018年から2025年までについて

11月8日20:02に満月となります。
ニュースでも聞かれている通り、皆既月食が日本でも観測されます。
そして、そこに天王星食も重なります。
天王星が月に隠れて見えなくなるという現象ですが、いつもなら天文ファン以外にはあまり注目されないイベントも、皆既月食という大イベントに重なると話は違ってきます。
わけもなく「すごい!」となったり、400年ぶりらしいと年数を引っ張り出したり、大騒ぎになるわけですね。

そのくらい、月食はお祭り騒ぎです。
特にわかりやすい皆既月食は、古代は不吉だと言われたり(確かに急に月の色が変わったらちょっと不安になります)、いやいや英雄が現れる先ぶれだと言い出す人がいたり、みんないろんなことを言いたくなってしまうのです。
そしてそれに振り回されて、一緒にうわさ話に興奮したり、不安にさいなまされてお祈りをしたり、過去も多くの人たちがやってきたのでしょう。
似たような感覚は現代の人間の中にもしっかりと残っている感じが、こういう大型天文現象の時に感じられます。

古い人間の、動物的な不安感や衝動、妙な興奮(月がちょっと陰っただけなのにみんなできゃあきゃあ盛り上がるのは不思議と言えば不思議です)。そういったものを、なんとなく自分にも、他人にも、そしてニュースの中にも見ることができます。

そういったことがあるからこそ、楽しいのですね。
すでに計算しおえたイレギュラーが予告されており、その予告通りに月食が起きるということは、ミステリー小説の一番いい所だけを見ているような、大自然のスペクタクルショーと、すでに人間によって計算された「予言」の答え合わせの二重の楽しさと興奮があります。地震のように災害でなく、ただ珍しいだけの自然現象がみられることはなかなか得難い事なのかもしれません。
それが、一部の人だけでなく、地球上の多くの人が(時差の関係で見えない地域もあるし、もちろん天気の都合で見えない時もありますが)共有していることを感じられるのです。

これは、一般的なカレンダーにおける年末年始と似ている感じもあります。
みんなが、関係のない人たちも、なんとなくそろってカウントダウンをして、年が明けた時になんとなく新しくすがすがしい気持ちを感じる、あの感覚です。
ただ、カレンダー上の事は、やはり社会の動きとつよく連動しているので、今の社会の中でいまいちうまくやれてないと感じている人にとっては、うまくやれていない社会の節目に強制参加させられる苛立いらだちや、世の中にちゃんと参加できていないような悲しさを感じることも、往々にしてあります。
でも、月食って、そういうことはあんまり関係ありません。今回はただの火曜日です。

カレンダーは、社会の基盤のひとつです。
多くの人たちが「いつ」を共有して約束を実行するために非常に重要な役割を果たしています。
ある意味、権力のかたちでもあり、昔の王様たちは自分流のカレンダーを作ることがよくありました。(でも、使いにくいと定着しないのですぐ廃れるパターンが多い)
昔は科学が今よりも発達していなかったこともあり、月の満ち欠けという分かりやすい指標を大変大事にしていましたが、現代は満ち欠けを無視しても大丈夫なくらいに安定した形でカレンダーが運用されています。
だからこそ、そこからはみ出してしまった人にとっては、「時間」さえ居場所がなくなってしまうところがあります。

これは「場所」がなくなるのと同じようなもので、居場所とは時間と場所の両方を伴っていると思うのです。
「1週間なにもしなかった」、逆に「毎朝早起きして朝活しているのになんらいい事がない」……このような時間にまつわる苦しみは結構あります。

もっと踏み込んでいくと、余命がわずかなことが分かった時にどうするのか……。あるいは、自分以外の身近で大事な人がそうなった時、その人が余命を終えた時に残った自分の人生の残り時間をどう過ごすのか……。
これはとても重い時間にまつわるテーマです。
実際にそのテーマに向き合い、経験している人たちがたくさんいらっしゃるのに、誰もが共通の簡単な答えのようなものはいまだに出ていません。

「それぞれの時間」というのが、そこに存在していることを思い出すのが、こういった太陽に基づいた時間で出来ているカレンダーから、ポンと飛び出したところにある、満ち欠けのイベント(日食も、太陽単体ではなく月が関わることで起きる天文イベントです)の意義ではないかと思います。

星の並びに、意味も意義も、本当はありません。
あるかのように見ようとする人間の思いがあるだけです。

でもその「人間の思い」は、意味も意義も、あるのではないでしょうか。
だからこそ、星の並びに意味を持たせます。月食と天王星食に興奮し、そわそわと理由や価値や意味を探し回ることも、自分にとって意味のあることが欲しいという気持ちの裏返しかもしれません。

蝕に対してソワソワしたり、なにか期待している気持ちを「子供っぽいバカみたいなこと」と否定せずに、「もし、ここで何か大きな魔法のような力が生じるのだとしたら、私はなにを期待しちゃうのかな?」と素直に受け止めること。これだけでも全く次の景色が変わってくると思います。
身体にもいいと思います、ずっと自分を偽り続けるよりも。
また同時に、それがなぜ叶わないのかも、わかることがあります。そこも含めて、意味があるはず。

月食は、満月です。
満月は、今までの出来事が完成し、ひとつステージをのぼるタイミング。卒業とも言えますし、完成品の納品が始まるとも言えます。

今回は牡牛座で月食が起きます。
天王星も同じ位置にあり、特に「突発的なトラブル、既成概念の破壊」を意味するのが天王星と言われています。
牡牛座は、物質的な価値や資産などを意味しています。
文字通りとるなら、お金や資産、富に関することに青天の霹靂&急転直下の大変革が事故のように突然起きる、というふうにも読めるかもしれません。

でも、実際には天王星が牡牛座に入ったのは2018年ぐらいからです。実質的には2019年あたりからずっとという感じですが、そのくらいの時からの課題に、ガツンと大きめの中間報告総会がある、ようなイメージのほうが近いかもしれません。

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