2024.7.21 満月「凪のとき。」
こんにちは、MOONSOAPです。南国のように気温、湿度が高いので、外で活動するのは朝夕のそよ風が心地よいときに、と思ってしまいます。今年は日本全国で少しずつ、お祭りが復活していて、夏らしい夏になるとよいですね。
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1.MOON LETTER
2.花葉月果(かようげっか)
Contents
1.MOON LETTER
7月21日19時18分、山羊座で満月を迎えます。
おだやかな満月です。
ふだんの生活を成り立たせているものには、人間関係、経済面、仕事内容………改善したいこと、このままでいいこと、いろんな要素があると思います。
この満月は「バランスをとる」ということを心がけると良さそうです。
例年ならもう少しで梅雨が明けて夏に入る直前、というこの季節、一度自分の周りの地固めをするとよさそうなタイミングになりそうです。
OSHO
◆GUIDANCE ガイダンス
虹色の天使は、
誰もが自分の中に持っている「ガイド」。
自分を信頼することで、
外の情報ではなく、本当の自分の中にあるものが
本当にむかうべき方向を教えてくれる。
※西洋占星術とインド占星術では春分点の度数が違うため、月の入るハウスが変わることが多いのですが、今回は西洋占星術でもインド占星術でも山羊座です。
☺︎ゆき
2.『花葉月果(かようげっか)』 第四十八話
「まるで老夫婦のような 〜アーユルヴェーダ 彼はKaphaっ子編」
我が家には2人の子どもがいます。
太陽のように明るく燃える小学六年生のお姉ちゃんとおっとりと優雅に自分の時間をすごしている寡黙な小学三年生の弟です。
彼らは本当に仲良しで、いつも二人で戯れあって遊んでおり、お姉ちゃんは弟が大好きで、弟もお姉ちゃんが大好きな様子がいつも手に取るようにわかるのでした。
***
ただしお互いの性格は真逆。
お姉ちゃんは目立つこと大好き!みんなのリーダーになること大好き!な元気っ子で
どんなタイミングでも遠慮なく私に話しかけてきて、授業参観も運動会も「ママ絶対見にきてね!」というタイプ。
一方で弟は発言するのも目立つのも苦手。私の様子をいつも静かに観察しており、遠慮がちで、「授業参観は絶対こないでね。」と言って一人で淡々と歩いて行ってしまうタイプ。
アーユルヴェーダのドーシャ理論*でいうとPitta(火)の要素とKapha(水)という水の要素の違いがよく現れている2人です。
***
今月のある日、小学校六年生のお姉ちゃんは修学旅行に出掛けてゆきました。
前日からそわそわして眠れなく、朝起きたら大声で旅のしおりを読み上げ、髪型をセットしたりキャアキャアいいながら大きな荷物を抱えて、意気揚々と出発していったお姉ちゃんを見送りました。
Pittaのお姉ちゃんがいなくなった我が家は、まるで太陽を失った世界のようでした。
思えば下の子と2人きりになる、ということがこの8年間一度もなかったという事実に衝撃を受けながら
物静かなKaphaの弟に、同じくKaphaという要素が多めな私でスタートした朝は、まるでお通夜のような重たさになり
お互いに聴く方が得意で、話すことが苦手、という性格なので朝ごはんを終えたら沈黙が続き、なんとなく手持ち無沙汰なので、いつもより早めに私たちは学校と仕事へでかけたのでした。
帰宅したら帰宅したで黙々とご飯を食べ、やることないから今日は早めに寝よっか、とお互いに言って21:00には床に就くまるで老夫婦のような2人。生活ってこんなに静かでシンプルなんだったっけな、、今まで何がそんなに慌ただしかったんだろう、、と少しきつねにつままれたような気にもなりながら
こんなKapha × Kapha生活にも徐々に慣れてきた2日目の朝。(※慣れるまでに時間がかかるというのもKaphaの特徴)
彼が「今日プールだ。やだなー。」とポツリといいました。
私は、お、と思いました。
日頃であれば太陽の明るさの前でかき消されてしまっていたであろうこんな小さな声が耳に入り、私もふと自分の子ども時代、Kaphaっ子だった頃の様子を思い出したのでした。
「そうなんだ?プール楽しみだったんじゃなかったっけ?」
と尋ねると、最初は楽しみだったけど、人が水をかけてきたりするし、口にも鼻にも水が入るし、それに僕泳げないんだよ、、、
と答える彼。
彼は自分が泳げないことも知らなかったし、プールがこんな感じだとも知らなくて
でもやっていたらあれ?って思い始めたことなどをポツポツと語るのでした。
悲しい気持ちや惨めな気持ちのことは一切外に出さないお姉ちゃん。
裏ではいろいろあるのだろうなと思いつつ、それは彼女のプライドでもあるから、敢えて見えないことにして一緒に楽しい時間、明るい時間を共有してきたけれど
それだと彼のこういう柔らかなところを受け止める隙がなかったんだなあ、、、と改めて気付かされながら
「えー、ママもそうだったよ。子どもの時プール嫌いだったし、なんなら走るのも遅かったから学校の体育は嫌いだったけど、でもね、実は大人になったら関係ないんだよ〜。ふふふ。」とニヤニヤしていると
え?と顔を上げる彼。
「泳げるか泳げないかなんて大人になったら誰にもバレないし、なんなら人に走っているところなんて見せなくていいから、なんにも問題ないんだよ。」
と教育的な観点とは別の、でもKaphaっ子が大人になった時のリアルな驚きと本音を吐露する私の言葉に、うそでしょ〜?!というような顔をしながらも目を輝かせる彼に私は重ねて
「海がない国の子どもたちは泳げないし、そもそも走るのが早くても、大人になった時にかっこいいかとは別だからねえ。大人はおしごとができて、優しいかどうか、それが大事だから、別にいいんだよ。大人は最高だよ。」
と、ある意味私も彼が日常で気に病んでいることが手に取るようにわかるので、少し先回りをして言ってみました。
動きもゆっくりで、少し太めのKaphaっ子は、学童期はなんとなくコンプレックスを感じ易いし、周囲と比べた時に自分のことを劣った存在だと感じる瞬間が多くあるのも、よくわかる。
「えー。そうなの?大人いいなあ!大人になりたい!」
という彼。
「そうだよ。大人は最高だよ。君もはやくこっちにおいで。」
そんな風にして、Kaphaの絆を確かめながら、2人で滞りなく朝の支度を進めました。
太陽のない、静かな世界に心を浸してみると、小さな物音や小さな蠢き
小さな心が世界を見上げているのがわかる。
なんの取り柄もなく、争うことも頑張ることも好きじゃなく
それだとなんとなく世界から置いていかれそうな気持ちで
でもニコニコとただ日向ぼっこをしていたかった、そんな子どもだった時の私へ。
そんな頃の私からは想像もできないような今があるけれど
やっぱり「大人は最高だよ」とその時の小さな彼女にも声をかけてあげたい。
***
私たちは完全に調和したKaphaの波動で、静かに満たされて
ニコニコしながら2人でドアを閉め、またそれぞれの学校と仕事へ向かう。
「お姉ちゃんがいない方が早く寝られるし、学校も早く行けるし、なんだか健康的だね。」
なんて言う彼。でも明日の夕方にはお姉ちゃんが帰ってくる。
きっとまた大声で、遠くから私たちの名前を呼びながら手を振って、山ほどのお土産話を持って。
Our sun is coming back.
また私たちはいつものハーモニーに戻る。お姉ちゃんの明るい光を中心とした世界。でも束の間の間訪れた、私と彼の、老夫婦のような静かな世界のことを
一生忘れないだろう、と強く思っています。
Ayurveda for your Life --Therapist & Counselor SAKI IKEDA
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アーユルヴェーダのドーシャ理論*=アーユルヴェーダという伝承医学の中心となる理論の1つ。ドーシャとは要素、体質。人間も自然界の一部と見做し、Vata(風)Pitta(火)Kapha(水)の3つの要素で人間の肉体や精神の特徴を捉え、病気や不調を予防、改善する。
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