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創作記録:05 五光の着物

制作期間:2022年6月


花札の役「五光」をイメージした創作撮影用に制作しました。
五光の札は文字通り5枚あります。
札のどの模様を、どのように配置するか、衣装に入れるのか、メイクに入れるのか、とにかくバランスを取るのがめちゃくちゃ難しかった記憶・・・。
悩んだ分、個人的にとても気に入った一品に仕上がったので、良かったなぁと思っています。

※あくまで撮影用に作った衣装なので、ちゃんとした和裁の技術で作った着物ではありません!

①型紙の作成

まずは図案起こし。画像のように、ざっくりでも良いので表裏、必要ならば横からの図を描いてみて、頭の中のイメージを整理します。
どんな生地を使いたいかなど、メモも入れます。

図案

図案が出来たら、型紙作成を開始します。
形自体は普通の着物と変わらないので、袖の長さと丈、裾の広がりを調整して、不識布で形だけまず作ります。

身頃、袖、おくみ、襟などパーツごとに切り離します。
写真の線が薄くて見づらいかもですが、図案とにらめっこしながら、色分け用の線を描き込みます。
型紙はこれで完成です。

後身頃


②裏地

先に裏地を作ってしまいます。
縫い方等についてはこちら。
「うさこの洋裁工房」様より、婦人浴衣の作り方を全面的に参考にしています。

今回は、リバーシブルに使えたら良いなぁ・・・という願望もあって、おくみから襟に向かって別の布を縫い合わせたりと、カスタマイズしています。

裏地(全体)


③表地

色分け線に沿って型紙を分割し、布の裁断に入ります。
型紙の色分け線は=出来上がり線なので、+1㎝で縫い代をつけて裁断して下さい。

袖、身頃、と着物のパーツを作っていきます。
写真のようにズレが生じることがあると思います。その場合は、他のパーツと並べてみて、縫い合わせたときに模様がある程度ピッタリはまる位置を見つけて、調整してみて下さい。

私はだいたい端がズレます

全てのパーツが用意できたら、あとは縫い合わせるだけです。
最終的に写真のようになります。

④仕上げ

表と裏を重ね、袖口や裾の端を処理します。
襟を付けたら完成です。
襟の幅は太めにしています。着たときにゴワゴワしないように、型紙作成の時点で調整をしてあります。

私服の上から羽織ってます

使用後のまとめ

・厳密に言うと、「五光」と言うより「桜に幕」の幕ですね。
鶴さんとか他の札の模様は、メイクや小道具などに振り分けました。

・使用した布のご紹介!
赤と紫はアムンゼンです。黒はシャガード(木目調)です。
1mあたりのお値段は黒がちょっとお高めです。
ですがこの木目調が、なんとなく煙のくゆる感じとか、沼の面のような、そんな怪しい感じがして大変好きであります。

・衣装用としてカスタマイズしているので、ちゃんと着物として着られるかというと難しいです。
綺麗に着られるように挑戦してみようとは思っています。

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