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反面教師

おはぎには弟と兄貴って呼び方があるらしい。 

先日父から聞いた話。

うる覚えだけど簡単に言うと、昨日作ったおはぎを「弟」、今日作ったおはぎを「兄貴」と呼ぶらしい。

父は、それに感激したという話を10分くらい1人で永遠と語っていた。

夢中にドラマを見ていた私に対し、
「そうやってTVばっかり見よる人にはこの良さ
 を感じる力が育たんとよ」
と言いながらも、思う存分語り尽くした父は上機嫌だった。


実は、私はその話をしっかり聞いていた。
きっと今の言葉でいう「エモい」が言いたいんだろうなと思っていた。

そして、人は身の回りのことがうまくいって充実している時は全てのことがキラキラして見えて、
些細なことに感動できるんだなぁ。

と、冷静に真剣に考えていた。


父はとても分かりやすい。
最近仕事が波に乗っているせいか、生き生きとしているためこの手の話が最近非常に多い。

父は、お金よりも夢を追いたい人で哲学的なことが好きな変人だ。
社会に迷惑かける系ではないけれど、これまでの転職で私の母に迷惑をかけまくっている。

対照的に母は現実的。
仕事に生きがいを感じる男性らしさがあり、夫がいなくても平気で生きていけるタイプだと思う。

母は、夫に対しこの20年以上呆れているのでエモい話をされたところで共感できる訳ないし、してあげる気にもならないだろう。
それどころか、
「そんなことよりも稼いでこい」
と思ったはず。

私は、父のようにロマンにふけることを悪いこととは思わない。

ただ、空気を読んで
「お前が言うな」と思われるような無神経な発言をしてしまわないように気をつけよう。
とだけ思った。

父よ、いつも反面教師になってくれて
ありがとう。
そのおかげで私は少しだけマシに育った気がするよ。



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