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スピッツ「サンシャイン」

「ロビンソン」がきっかけで、
初めて聴いたスピッツのアルバムが「空の飛び方」。
そのアルバムの最後の曲が「サンシャイン」。
この曲で、私はスピッツの虜となる。

魅了されたのは、圧倒的な切なさ。

すりガラスの窓を開けた時に
よみがえる埃の粒たちを動かずにみていたい

忘れ去られていた埃が、息を吹き込まれたかのように
日の光に照らされてキラキラと舞っている。
美しいけれど、静けさが孤独を煽る。

許された季節が終わる前に
散らばる思い出をはじめから
残さず組み立てたい

このたった2行で、切なさが加速する。
許された季節…なんて悲しいんだろう。
思い出を残さず組み立てたい、というのも
過去を大切にしたいという思いと同時に
後悔のような思いも感じてしまう。

そして、この締め付けられた感情に追い打ちをかけるような、
サビ前のベースライン。

サンシャイン 白い道はどこまでも続くよ
サンシャイン めぐる風によろけても
変わらず夏の花のままでいて

メロディの美しさに、力が抜けるようだった。
圧倒的な切なさに支配されながら、ふと気づく。

この曲のタイトルは「サンシャイン」。

サンシャイン=日の光。

ポジティブなイメージの太陽の光の中にある、
静けさや後悔たち。
歌詞ひとつで、こんなにイメージが膨らむのは、
初めてのことだった。

そして、スピッツへの思いは
このまま加速していく。