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世界から支持される”アニメーター小美野 雅彦”が、デジタルグッズ・NFTに見出す希望、作品に掛ける想い

今回はMonthly MAL増刊号と銘打って、人気アニメーター小美野雅彦氏のインタビューをお届けしますので、お楽しみください!

ーイントロダクション

「ジョジョの奇妙な冒険」、「NARUTO」など、海外で圧倒的人気のアニメ作品に参画し、躍動感あふれる表現で世界中のファンを魅了するアニメーター小美野 雅彦さん(合同会社社ランチ・BOX)に、MyAnimeList(MAL)が企画した初めてのデジタルグッズ『 MangaFragment』を手掛けてもらいました。今回は、プロジェクトを担当したMALの岡村が、小美野 雅彦氏にインタビューを行い、本プロジェクトとデジタルグッズに対する思いを語っていただきました。

※最後にキャンペーンの告知もありますので、お見逃しなく!

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■小美野雅彦 プロフィール
「劇場版NARUTO」、「転生したらスライムだった件」、「ジョジョの奇妙な冒険」 シリーズ、「真救世主伝説 北斗の拳 ユリア伝 」など、誰もが知る数多くの有名アニメ作品に携わるアニメーター。好き なキャラはジャギ様。
■合同会社ランチ・BOX
クリエイティブ集団。アニメーション制作を中心に、映像作品の企画製作、コンテンツの開発まで、あらゆるクリエイティブをハイクオリティーに創り出す。「好きをつなげる」ため日々奮闘中。
 URL:http://www.l-a-unch-box.com/

ー海外ファンについて

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MAL岡村:
まずMyAnimeListはグローバルなアニメコミュニティなので、海外ファンについてお話をお聞きしようと思います。小美野さんは、世界のアニメファン、特にヨーロッパ圏の方に人気ですが、その事について実感することはありますか?

LB小美野(敬称略):
実際どれくらいの方がいらしゃるのか分かりませんが、私の親が、ルクセンブルグに旅行して山奥のホテルに泊まった時に、受付の女性から「あのコミノさんですか?」と聞かれたというエピソードがあります。僕がルクセンブルグで青春時代を過ごしたのも、影響しているかもしれませんが、とても嬉しかったですね。

MAL岡村:
海外ファンも対象にしたライブドローイングも行ってらっしゃいますが、海外ファンとの距離感などを意識されることはありますか?

LB小美野:
海外向けの活動をされている方にコーディネート頂いて、何度か実施しています。頻繁には出来ていないので、今後そういった活動を通じて、ファンのみなさんとの距離を近づけたいです。僕自身、アメリカン・スクールを卒業したので、英語を使って何かしたいのですが、使う機会がなかなかないんですよね笑

MAL岡村:
MyAnimeListでは、ProductionIGさんとWIT STUDIOさんとの取り組みで、海外ファンと直接コミュニケーションを取るイベントを実施する予定です。そういったイベントにはご興味ありますか。

LB小美野:
興味ありますね。コロナが収まれば、もうちょっと外に出ていきたいんですが、今の状況では難しいのが残念です。僕自身、絵描きであり、アニメが楽しくてやっているんですが、音楽とかライブ性の強いものに対して、憧れがあります。
アニメは、書いてから動くまでタイムラグがあるので、ライブで届けたい。何かをやりたいという欲求はありますね。

ーMangaFragmentについて

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■『MangaFragment』とは
Manga Fragmentsは、MyAnimeListのコミュニティが命名した、漫画コマNFT及びデジタルグッズの名称です。
この名前には、世界中の漫画ファンに『Manga Fragments』を通じて、漫画を読んだ感動を当時の記憶とともに呼び覚まし、ファン同士の会話のきっかけにして欲しい、漫画を読み返すきっかけにして欲しい、という想いを込めました。
プレスリリースURL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000077312.html

MAL岡村:
『北斗の拳 MangaFragment 漢の死に様シリーズ』ですが、お引き受けいただきありがとうございます。最初にお話したに「愛を込めて描きます」と言って頂いた事を、鮮明に覚えています。当時感じられたことなど、お話頂けますでしょうか?

LB小美野:
「北斗の拳」は(自分がリアルタイムで読んだ)世代ですからね。ジョジョのアニメに携わった時もそうですが、自分が子供の頃に読んだ作品は僕の血肉になっています。ヒロイズムだったり、哲学、美意識もそうですが、漫画から大きな影響を受けている方は沢山いらっしゃると思います。小さい頃触れたものって、人の根っこにあるので、大人になってその作品に携わるって、面白いですよね。
言葉にしにくいですけど、すごく面白いし、すごくうれしいです。

MAL岡村:
私もクリエイターではないですが、自分が読んで育った作品のプロジェクトに参加出来る喜びは特別でした。同じように感じてもらえてとてもうれしいです。

LB小美野:
あのときは言いませんでしたが、本当は、もっとアニメパートを作りたいと思っていました笑
昔、北斗の拳のOVAで『ユリア伝』*という作品に原画で参加させていただきました。そこで、ジャギ様の頭が破裂しそうになる、一連のシーンを担当したんですが、まだ僕は若かったんですよ。当時はまだ未熟だったので、そのリベンジをしたいと思っています笑 「ボコボコぼこおおおおお」みたいな笑 

*『真救世主伝説 北斗の拳 ユリア伝』

MAL岡村:
まだシリーズは続くので、是非お願いします笑
「漢の死に様」というコンセプトについてはいかがでしょうか?

LB小美野:
やっぱり「死に様」イコール「生き様」だと思います。何十年経っても、作品が色褪せない一番の根っこは、キャラクター達の生き様。生き様は死に様ですが、そこが人の心に強く残るんだと思います。ラオウが腕を上げて「一片の悔い無し」と昇天するのは、永遠に忘れられないシーンですから笑 それを含めて、強烈ですよね。

MAL岡村:
今回アニメパート以外にも、演出や駒選びまで行っていただきました。小美野さんをはじめ、御社のみなさんには、どのような思いで制作されてましたでしょうか。また、今回特にファンのみなさんに注目して欲しい部分や、MangaFragmentを通じて感じて欲しいことなどあれば教えてください。

LB小美野:
今回一番気をつけたのは、一つの絵(コマ)が凄いという事だけでなく、”そこに至るまでのバックグラウンド”の表現や、”つなぎ”の部分です。漫画のコマの選定作業から行って、限られたコマ数、尺の中で、最後の「死に様」に向かってつながっていくストーリーを、どう表現したらいいか。そこに苦心しましたね。

MAL岡村:
せっかくやるなら、これもやりたい、ここも使いたいと思いますよね。私も駒選びを少し行いましたが、楽しくて永遠に選んでました笑

LB小美野:
クリエイターは”掛け算、足し算”とよく言われますが、演出は「引き算の美学」だと言われています。引き算して、最終的に一番効果を上げるのはどれか?というラインを見つけていく作業が、一番大変でした。

また、過去の自分の印象値を超えたいと思ってこのプロジェクトにのぞみました。子供の頃、自分が読んだ感覚。あの当時の感覚って覚えているじゃないですか?今読むと全く違う感覚だったりする。

今回、表現したいと思ったのは、原作と同じものというよりは、当時小さかった時の僕が読んだ、あの「印象値」を超えたい。ジョジョもそうですが、子供の頃に親しんだ作品にたずさわるときは、そこが対抗馬といいますか、仮想敵なんですよね。時間が経つと記憶は美化されるので、そのハードルを超えていきたいと常に思います。

ーNFT、デジタルグッズに対する期待

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MAL岡村:
めちゃくちゃかっこいいですね。痺れます。
今回、新しいフォーマットのデジタルグッズ、NFTという新しい概念のグッズになりますが、NFTについて、何か見聞きされて、感じられていることはありますか?

LB小美野:
1年ぐらい前からNFTの記事をずっとチェックしていて、すごくやってみたいなと思っていました。
”紙の現物のリアルさ”とでも言いますか、数十年経って色あせた質感や、鉛筆の線。そういったものが味わい深いのは、激しく同意ですが、実際の作業現場はかなりデジタル化してきています。僕の作業も、いま完全にデジタルに移行しています。デジタルに移行して、描いたデジタル原画などが、”その後作業素材として使ったらもう使わない”使い捨ての状態になっていくということが、ずっと気になっています。そこで、デジタル素材、デジタル原画であっても、ブロックチェーン・NFTを活用して「これがオリジナルです」と、明確に価値を付与出来るのであれば、実際に手を動かしたその時の労力と想いなどを、保証されるのではないかと、可能性を見出しています。

どうしても今、作業を紙に戻すというのは物理的に出来ないです。効率性もありますし、コロナの状況もあります。なにより、一度デジタル化すると、紙の作業には戻れない。時間が経てば経つほど、アニメの現場も絵描きもデジタル化されていくので、止められないと思います。そんな中で、「単なる素材で終わっちゃうのかな〜」という不安があったのですが、NFTのような、デジタルに価値をもたせられる存在が出てくると希望を持てます。


MAL岡村:
デジタルな作業から生み出された素材も、それがNFTになることによって、紙とはまた違った価値ではありますが、新しい価値が生まれる。小美野さんをはじめクリエイターのみなさんにとってすごく大切なお話ですね。

我々としてもNFTをどう活用するか考えています。一つの活用方法としては、クリエイターの皆さまに収益還元するということです。MyAnimeListは、アニメファンが沢山いて、クリエイターを支えたい、作品に貢献したいという方も多くいらっしゃいますので、そうしたことに役立てて行きたいと考えています。

LB小美野:
アニメ業界の問題点の一つとして、若者たちが、アニメ制作の門戸を叩いてこない。少子化のせいもありますけど、アニメクリエーターの総人口が増えていっていません。デジタルグッズが、アニメクリエイターの希望になるのであれば、すごくその助けになると思います。
僕自身も、描いた絵、たずさわった作品が認められて収益として還元されるとうれしいですし、同じように希望を持つ若者が増えてくれれば、更に助かりますね。そろそろ我々おっさんなので、正直、体力任せのやりかたはきびしい笑。人が増えないとそこが解決しないですね。

MAL岡村:
クリエイターを直接支援したいというファンが沢山います。新しい取り組みですが、第一線で活躍いただいているクリエイターの小美野さんが、我々と同じ思いとお聞きして非常にうれしいです。

LB小美野:
ありがたいですね。
本当に、希望だなと思っています。

アニメ制作スタジオは、元請けでシリーズアニメを制作すると、沢山の紙の素材が、カット袋という分厚い袋に入れられ、沢山ダンボールに詰められて置いてあります。「これは何話だ」という袋が、ズラーッと大量に置いてあります。スタジオで、何にも利用しないのに2−3年保管しなければならない。保存していても結局産業廃棄物になります。ずっとこういった事を繰り返していたので、非常にもったいなかった。

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MAL岡村:
今後、それを活用していきたいですね!

今回、小美野さんに描いていただいたケンシロウのアニメパートの原画は、当然一枚一枚絵が独立したものですが、一枚一枚に魂を感じる迫力と、躍動感、動きを感じます。とても不思議な感覚です。

海外では、原画をアートとして捉えている方が多いです。こういった魂に直接触れられるような感覚をアートと表現していると思うと納得です。
もっと価値が見直されるべきだと思いますし、欲しがるファンが世界中にいるので、広く販売してファンに届けたい感じています。

LB小美野:
めったに褒められないので、うれしいですね笑
学生時代に絵を習った先生達に「一枚の止め絵を書くときでも、次どういう動きをするのか予想出来る絵を描きなさい」と指導を受けていたので、それが活きているのかもしれません。
需要と供給のバランスを取ってもらいたいですね。単なる素材だったものが、ほんとに使いみちのない素材だったんですよ笑 
それがデジタルで、世界に売れるようになるとうれしいです。

MAL岡村:
ちなみに、手掛けて頂いた『北斗の拳 Manga Fragments 漢の死に様シリーズ』ですが、第一弾は2時間で完売。現在二次流通で約21倍の単価で取引されているFragmentもあるようです。その点についてどう思われますでしょうか?

※2022年2月6日時点、1個約700円だったFragmentが、1.5万円で売買

LB小美野:
夢がありますね笑
売買の動きがずっと追えるのって、すごいですよね。一回こちらから売り出して、いくらで売れてというのを把握できますが、その先が分かる。さらに、それがレベニューシェアされる。不思議な座組ですよね笑 ほんとに楽しみです。

MAL岡村:
NFTが実現するデジタルグッズは、作品もクリエイターもファンも仲間として、一人ひとりが自分の出来ることでコミュニティに貢献して、やり甲斐を感じて楽しめるという世界を作れるツールになるのではないかと期待しています。
今回で言うと、MangaFragmentというフォーマットで、北斗の拳という作品と、小美野さんというクリエイターと、ファンという岡村と、購入してくれた皆さん。

LB小美野:
仲間ですね。お客さん=仲間達なんで、仲間達と祭りを盛り上げていけたらうれしいですね。仲間たちが揃って一つのプロジェクトを成し遂げて、その輪を広げていく。こういう祭りみたいなサイクルで回っているモノが、大好きですね。
是非、末席にでもいさせていただけるとうれしいです。

MAL岡村:
第一線で活躍されているクリエイターである小美野さんと同じ思いであるということがめちゃくちゃうれしいです。
ファンのみなさんがすごく喜ぶと思うので。我々はそういった企画を、これからもご提案したいと思います。

シリーズも続きますし、このシリーズが終わっても、北斗の拳の新シリーズ、色々な漫画やアニメで新しいデジタルグッズを作っていきたいと思っています。
MangaFragment以外のプロジェクトも考えていますので、これからもよろしくお願いします!

LB小美野:
ありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

ーキャンペーン

ケンシロウ アニメパートのデジタル原画NFTプレゼントキャンペーンについて

2022年3月1日12時時点で、FanTopで販売されている『北斗の拳 Manga Fragments 漢の死に様シリーズ』NFTを所持している方(第二弾販売記念事前登録キャンペーンで付与されるケンシロウNFTを除く)を対象に、抽選で7名様に同NFTのケンシロウアニメパートのデジタル原画NFTをプレゼント致します。

応募方法:
2022年3月1日12時時点で、『北斗の拳 Manga Fragments 漢の死に様シリーズ』NFT(第二弾販売記念事前登録キャンペーンで付与されるケンシロウNFTを除く)を、『FanTop』マイページに保有しているユーザー全員が対象

プレゼント内容:
『北斗の拳 Manga Fragments 漢の死に様シリーズ』ケンシロウアニメパートのデジタル原画NFT(1種)

プレゼント付与方法:
応募条件を満たしたFanTopユーザーアカウントへ、3月中に付与。(付与をもって抽選の発表とします)
■現在同時開催中のキャンペーン
『北斗の拳 Manga Fragments 漢の死に様シリーズ』第二弾発売記念事前登録キャンペーン

事前登録キャンペーン応募者全員に、限定の”ケンシロウNFT”がもれなくもらえる期間限定キャンペーンを実施中

応募期間:
2022年1月20日(木)11時~2022年2月14日10時
参加条件:メールアドレス登録
特設ページ URL:https://lp.fantop.jp/hokuto-vol2/202202-register/

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