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鈴木さえ子「恋する惑星コンサート」 (1984年11月2日、京都・同志社大学学館ホール)

鈴木さえ子「恋する惑星コンサート」 (1984年11月2日、京都・同志社大学学館ホール)

演奏曲目:
1. Ísland
2. おかしなおかしなフェリーボート
3. 天国への螺旋階段
4. 鍵とスタンプ
5. 魔法の国
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6. にわとりの王様 featuring 渡辺等
7. 海の沈黙 featuring 美尾洋乃
8. 工場と微笑 featuring 鈴木慶一
9. BLDG (ジャックはビルを見つめて) featuring 鈴木慶一
10. 鬼火 featuring 鈴木慶一
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11. Nightmare
12. ガールスカウト
13. 毎日がクリスマスだったら (I Wish It Could Be Christmas Everyday)
14. 銀のエンゼル
15. フィラデルフィア
16. 血を吸うカメラ
17. 恋する惑星
18. Hacker ARUIWA 2 Ear Drums

演奏者:
鈴木さえ子:vocals, drums, percussions
鈴木慶一:guitar, keyboards, vocals
美尾洋乃:violin, vocals
渡辺等:bass, cello
小滝満: keyboards


 同志社大学の創立記念日(11月29日)を前に行われる記念行事「同志社EVE」の関連イベントとして行われたコンサートです。前日には、神戸女学院大学でコンサートが行われており、関西学祭ツアーとなっていました。当時の最新作で、第2作の『科学と神秘 Visinda og Leyndardómur』(1984年6月21日発売)から全曲が演奏されています。

 コンサートは通しで行われましたが、中盤に、参加メンバーをフィーチャーしたコーナーがあり、それをはさんだ二部構成のようになっています。
 「にわとりの王様」は、渡辺等さん、美尾洋乃さんが参加していたリアル・フィッシュ Real Fish のレパートリーで、渡辺等/戸田誠司作曲作品。鈴木慶一プロデュースのデビューアルバム『天国一の大きなバンド  A Very Big Band In Heaven』に収録されていますが、発売は1984年12月16日で、この時点ではリリース前でした。鈴木慶一さんは、このとき、プロデューサーとしてはほとんどやることがなかったと話されています。鈴木さえ子さんは、リアル・フィッシュの福原まりさんの作品を気に入っており、「天国への螺旋階段」は、リアル・フィッシュの福原まり作曲作品「恋はビーチパラソル」に歌詞をつけたカバーでした。また、「魔法の国」も福原まり作詞作曲作品です。
 「海と沈黙」は、美尾洋乃さんと鈴木博文さんのデュオ、ミオ フー Mio Fou のレパートリーで、デビューアルバム『ミオ フー Mio Fou』(1984年4月21日発売)に収められた美尾洋乃作詞作曲作品。
 鈴木慶一さんをフィーチャーした「工場と微笑」、「BLDG (ジャックはビルを見つめて) 」、「鬼火」は、ムーンライダーズのレパートリー。「工場と微笑」を収録した『マニア マニエラ Mania Maniera』カセットブック版の発売が1984年10月10日、「BLDG」を収録した『アマチュアアカデミー Amateur Academy』の発売が1984年8月21日というタイミングでした。「鬼火」では、美尾洋乃さんのバイオリンが印象的でした。

「第2部」では、デビューアルバム『毎日がクリスマスだったら I Wish It Could Be Christmas Everyday』のハイライトと言える「ガールスカウト」、タイトル曲、「フィラデルフィア」も演奏されています。クライマックスは、コンサートタイトルであり、シングルとしても発売された「恋する惑星」。最後に、ドラムを主にした強烈なインストゥルメンタル曲、「Hacker ARUIWA 2 Ear Drums」で締めくくられました。

鈴木さえ子「恋する惑星コンサート」ポスター

余談その1。中盤のメンバーをフィーチャーしたコーナーで、鈴木慶一さんが、『アマチュアアカデミー Amateur Academy』の次に制作していたシングル盤「愛の壊しかた」について話されています。愛の壊しかたがいくつあるかという、ポール・サイモンの「恋人と別れる50の方法 50 Ways to Leave Your Lover」のような歌で、歌以外の録音は終わっていたが、「やめました」と。のちに「Don't Trust Over Thirty」になる曲です。

余談その2。会場で販売されていたコンサートのポスター(上の画像)を買い、長らく部屋に貼っていました。なお、ヘッダーは、チケットのコピーです。実物もどこかにあると思いますが、探し出せませんでした。

余談その3。コンサート開始直後から、「さえ子ちゃーん」と、女性からの声援が多数投げかけられていました。

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