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自分の絵がポケモンカードになるかもしれないと思っていたあの日

もう何年前になるだろうか。
小学生の時、男児は全員ポケモンカードを持っていた。
家が比較的裕福だった私も、ある程度の枚数のポケカを持っていた。
朧げな記憶だけど、クリーム色のプラスチックのケースに、デッキやダメージ用の石やコロコロコミックについてきた下敷サイズのでかいポケモンカード(?)を無理やり入れていた。

学習ノートの表紙よりも高級感があり、教科書の表紙ほどはツヤツヤしてない、さらさらとした触り心地のカードだったことを覚えている。
今はもう手元に1枚もないけれど、久しぶりに店頭で手に取ってみると、
「こんなに小さかったっけ?」と思ってしまう。私の手が大きくなったのだ。


ある日コロコロコミックを読んでいた小学生(私)は衝撃的な文を目にする。

「 君の描いたイラストがポケモンカードになる! 」

信じられなかった。
僕の描いたイラストがポケモンカードになる!?
「これ描いたの僕なんだ。」照れ臭そうに友達にカードを見せる私。友達がクラス中に聞こえる声で「これ描いたの○○だってよ!」
クラスメイトが大騒ぎ。集まる29人。「言うなよ〜」と言いつつ満更でもない表情の私。
そんな妄想をしていたあの頃が懐かしい。


大人になった今思えば、「下書きしろよ…」と言いたくなるが、当時の私は応募用紙に一発書きした。どのポケモンを描いたのかすらもう覚えてない。
実家の畳で、渋い葡萄みたいな色の広い机、ツヤツヤした色鉛筆をぎゅっと握って描いた私のポケモンカード。
お母さんにお願いして切手を貼ってもらった封筒をポストに カタン… と入れた。もう合格したような気持ちで家に帰った。


あれから約20年。私のポケモンカードが採用されたという返事の手紙はまだ来てない。
新しいポケモンカードが発売されたというニュースをTwitterで見る度に、私はこの記事を思い出すだろう。

最後まで読んでくれてありがとう。

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