吉野家のごはんお替り無料のポスター

千葉に温泉へ行った帰り道、ボクは晩御飯を大いに悩んでいた。
スーパーで牛肉を買って焼肉にしようか、それともセブンイレブンで肉団子を買ってルパン風ナポリタンにするか…そんなことを考えながら道を進んでいるとすき家の看板が目に入った。
牛丼がいいな。

牛丼といえば吉野家だ。
GW中の旅行で食べたすき家の牛丼は格別だったが、それよりも最近食べた吉野家の朝定食についてきた牛皿の小鉢の肉の味が忘れられなかった。
吉野家だ、吉野家に行こう。
帰り道途中にあれば迷わず入ろうと目をぎらつかせたが、千葉市内から自宅までの道沿いに吉野家は2件しかなかく反対車線だった。
それならばいっそ自宅の最寄り吉野家に行くことにした。

22時すぎに吉野家についたボクの心では牛丼並と味噌汁、キムチという鉄板メニューを注文するつもりだった。
だがここはひとつメニューを見てから注文しようと、メニューブックを広げ眺めた。
吉野家といえばメニューが少ないことが特徴だと思っていたが、松屋やすき家の多メニュー戦略に押されてか、レパートリーの多いメニュー展開がされていることに気づかされた。
定食メニューはどれもワンコインの価格帯が多く、かなり心を揺さぶられた。

だが初心貫徹、「並と味噌汁、キムチ」でと注文しメニューブックをもとの位置に戻してから水を飲む。
水を飲んだことで落ち着いたボクは店内に視線を向けた。壁かけTVではバラエティが放送され、壁には新メニューの案内ポスターが貼ってあった。それら新メニューポスターでひときわ目立つものが一つ
「定食のごはんお替り無料」

ボクはもう一度メニューブックを取り出し定食の項目を見た。
しかしどこにもそんなことは書いていない。
むしろごはん大盛が+34円と書かれていた。

定食のごはんがお替り自由だと、この大盛を頼むメリットは微塵も存在しないのでは?いやそんなバカな…
ポスターを凝視すると、昼3時から12時までと書いてある。
その時間が罠なはず…だがポスターが遠すぎて詳しく見えない。
なんだ、条件がないとそんなお得なことがまかり通るはずが…

「お待たせしました、並と味噌汁、キムチです」
食欲には勝てず、配膳された牛丼をいただく。
キムチを乗せ、これでもかと紅ショウガを乗せる。さらに七味をかけて完成。一口食べる。やはり美味い。

もくもくと食べ終わった後レシートを見ると530円と書いてあった。
再びメニューブックを開くと牛鮭定食が560円とあった。
もしごはんがお替り自由なら牛鮭定食は素晴らしく満足のいく食事になったのではないだろうかと考えたが、ポスターが遠すぎて詳細条件がわからないままだった。

結局会計を済ませて退転する際にポスターを見に行くのも抵抗があったため、そのまま店を後にした。
今度は牛鮭定食でお替りしてみようと心に誓った。

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