ヤクにもタタない話 #190918

通勤で使う最寄り駅の吉野家が少し前にリニューアルオープンしていた。
たまたまオープン日に店の前を通りかかったおかげで50円引きのついたクーポンチラシを貰うことができた。晩飯は安く済ませることができそうだ、と帰り道に早速寄ることに決めた。

リニューアル前はごく普通のどこにでもある吉野家だった。
この店がよかったところは、おばあちゃんの店員が深夜でも働いていて、「しっかり食べてね」と優しい笑顔で接客していたのが印象的だった。まるで都会にいながら田舎に戻ったような温かさがあったので疲れたときはフラッと立ち寄っていた。

しかし一転してリニューアルオープンした店舗は、フードコートのように注文し、そのあと席を確保してから受け取りに行くシステムだった。
つまりものっすごい寒々しくなった。

注文後に席で待ち、ベルで呼ばれたら取りに行き、受け取り場所横にあるコーナーで紅生姜と七味をかけて、再び席に戻る。
席は壁に向けて作ってあり、プライベートが確保されていると聞こえは良いが、一切の温かみが消えていた。場所がら訪日客が多いせいもあるのだろうが、それにしても酷いダウングレードに感じた。

吉野家に何を求めているのだ。という話になれば牛丼を食べることにほかならないし、そこに人の温かみを求めるのはお門違いだろう。
それでもここまで儲け一点主義が形となったような店舗側の都合(人員コストの削減など)でダウングレードされると、行きたくないという感情の方が強く渦巻いた。
実際、同じ味だとは思うが美味しくも感じなかった。

しかしクーポンを消費しに行ったのに、またしてもクーポンの束を渡されて、当分は他店舗より-50円で食べれるというところが悩ましさでもある。
それでも前のおばあちゃんの配膳が良かったなぁ……と、ションボリしている。


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