14.お別れ(最終話)

しばらく連載を休んでしまった。
振り返ってみると、なんと2022年5月から書いていなかったのか。しばらくどころじゃない、と愕然とした。

タイトルにもあるように清見オレンジは先日、処分した。
その間、我が家では何が起きていたか。ざっくり以下の通りである。

パートナーの認知症進行

ことし4月、自分が急性硬膜下血腫で入院

その間にパートナーの認知症さらに進行
↓自宅でワンオペ介護
6月、パートナー急性肺炎で二ヶ月入院

8月の退院後、在宅診療・看護の毎日

3週間後、パートナー他界
その後は葬儀、納骨、相続的なあれこれ。。。

───昨年からことしの春頃まではぼちぼち手入れができていたが、4月からはこうした激動の波に飲まれ、清見オレンジを丹精できなくなったのが最大の原因だろう。

実はある日、スス病にかかったので天然素材の農薬をかけていた。しかし、それでは追いつかない。そうかと言って、強いケミカル農薬だと果実ができたときに残留してしまうため、年間3回しか使用できないという制限がある。残留農薬は避けたいためケミカルの用法用量を守ると、スス病には効かない。

完全に鑑賞用として育てれば良かったのかもしれないが、作るからには実らせたい。そのオレンジを食べてみたかった。

そんなわけで、健康を害してしまった植物を治すことができず、変色した葉っぱが一枚ずつ朽ちるのを毎日見守るしかできないのがつらくなったのだ。

せっかく大きく育ったのに、たいへん残念無念である。

<終>


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