私は大丈夫

「あなたは大丈夫だから」
今まで何回もいろんな人から言われてきた。

友達から
保健室の先生から
大学の相談員から
カウンセラーから

どの辺が私を大丈夫に見せているのだろう。

同級生から身体を触られたことがトラウマで震えながら教室にいたときも、
元交際相手から有る事無い事言われてプライバシーなんて殺されながら講義を受けていたときも、
職場の人間から暴行を受けても、会社に迷惑かけられないと思い何も言わずに出社していた時も、

何も大丈夫じゃなかった。
でも大丈夫じゃないと言ってしまうと迷惑をかけると思って必死に黙っていた。
黙っていると「大丈夫」だとされてしまうなら、私は黙っているべきじゃなかったのに。

弁護士に渡すため、加害者のハラスメントの音声をまとめながら
「私は全然大丈夫じゃない」と思う。
加害者の声なんて二度と聞きたくなかった。
音声を聞いて手の震えが止まらない。

全然大丈夫じゃないのに、私は鬱病になっていなかった。
こんなに大丈夫じゃないのに、うつ病ではないのか。病院で薬をもらい、カウンセリングを受け、今は薬すら飲んでいない。
なりたかったわけじゃないけど、そうなると「あれ、私って実は大丈夫なんだろうか」と思ってしまう。


毎日、加害者が死ぬことを祈りながら過ごしている。

新しい非正規の仕事をし、恋人と電話し、ご飯を食べながら、ずっとずっと加害者が死ぬことを祈っている。

祈りながら、傍目からは大丈夫そうな日常っぽいものを過ごしている。

本当は大丈夫なのだろうか。

心から、私はもう大丈夫だと思いたい。
加害者の死を祈りながら過ごすのをやめたい。

でも今も、ずっと加害者が今すぐ死にますようにと祈っている。
どうかあいつが今この瞬間にでも、死んでくれますように。


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