勉強会の欠点
ここでいう勉強会は、一人の講師が複数の初心者である生徒に対して、スキルを教える数時間の会というイメージである。大学の授業などもこれに含まれる。
特徴としては次のようなものを持つ。
ハンズオン形式
知識が積み重ね(2章の内容には1章の知識が必要など)
生徒が初心者
したがって、LT的なものやゼミの発表系は含まれていない。
私はこの形式は結構苦手でデメリットが多い気がしている。その理由や、改善案について書く記事。
勉強会の問題点
- インプットが多すぎ
インプットに対して最近思うことは次のことである。
インプットを貯められる量は有限であり、意外と少ない
インプットは自分で実行して理解しないと消化できない
知識Aを利用して、インプットBを理解しようとする時、知識Aは消化されている必要がある
一般的な勉強会は、体系的なものが多く、Aを学ぶ→Aを利用してBを学ぶという積み重ねの連続である。私はそこにAを学ぶ→ Aを自分で使って見て理解する→Bを学ぶという間のアウトプットが必要だと考えている。
これは、単に演習問題のように講師から与えられるレベルのものではなく、自分で実際に問題に遭遇し、他の選択肢を考慮し、目的意識を持って利用する経験を含む深いアウトプットである。
勉強会では、この深いアウトプットを行う時間がないし、指示を出したところで生徒がそこまでのモチベーションを持っていない。
- モチベーションを維持できない
トップダウン方式で、自分の学びたいものがある→それを実行するたの要素を学習すると言う流れを考えてみる。
この場合のモチベーションの特長は次のものが挙げられる。
短期的
目的が分かりやすい
自分のため
それに対して、勉強会でのモチベーションは長期的で、目的が分かりづらく(全体像が見えづらく)、講師に指示されたというモチベーションでしかない。このような状況では、学習するスピードが落ちる。
教える側にメリットが少ない
次は講師側の話になるが、単純に講師は負担が大きすぎる。
具体的には勉強会の資料作りがとても大変である。特に初期の簡単なものを教えるが一番教えることが多すぎて手間がかかる。
次に講師のメリットが少ない。講師自身は自分よりスキルを持っていない人に教えることで、そこまで知識は増えない。目的にしているのは、生徒の成長という善意だけである。
しかし、結論、生徒は予想よりも成長しない。例えば、初心者10人に教えたする。結果として次のような場合になることが多いかった印象である。
長期の勉強会の場合は最後まで生き残るのが6人
ちゃんと最後までモチベーションを保てているのが3人
その後もその分野について続けてくれるのが0、1人
理由は、そもそもその分野を一番に学びたい人や、モチベーションが高い人がおらず、それを勉強会中に変えることは難しいからだ(私が教えるのが下手というのも、もちろんある)。
生徒が悪い訳ではないが、講師の理想である:やる気のある人がたくさん来て、勉強を糧に成長してくれるというストーリーとはだいぶ離れた結果となることが多い。サークル内や参加者のレベル制限をやれれば、まだマシになるだろうが、無制限で参加者を集うとこのような問題が起きることがある。
もちろん、この活動をする人を否定するつもりはないが、私にはメリットが少なすぎるので、やるとしてもやる気のある人を個別に教える方法を取るべきだという考えになっている。
ではどうすればいいのか
頭を悩ませた結果、勉強会の代替となるような仕組みを一様考えてみたのでその紹介。
1. 基本の学習は既存コンテンツ
まず、事前学習は生徒一人で既存のコンテンツをやってもらう。具体的にはYouTubeに載っているレベルのチュートリアルである。
理由としては次の2つ。
初期の内容はインプットが多すぎるので、自分のペースでちゃんと理解できるまで時間を使える
講師の負担軽減
資料作成をしなくて良い
複数人に対応できる
ここで、この分野が合わない人、やる気0の人をフィルターできる。
2. 取り組んでほしい機能や知識のリストを提供
1.が終わったあとは、知っておいてほしい機能や知識のリストを講師から提供する。
上記で話したとおり、アウトプット中心の学習が理想だと思っているので、キーワードとなるようなものだけ提供し、それを調べるところから生徒に行わせる。
疑問があれば初めて、講師に話しかけることで解決する。
3. 講師とアウトプットを中心に話す
自分の作品のレビューを頼んでもいいし、一緒に何かを作ってもいい。
文章化されていない細かい部分や裏技は、経験者から盗むのが一番早い。
この段階まで来れば、講師側もスキル、やる気が十分だと認めて、手伝いたいと思えると思う。また、この段階のレビューなら、講師の力にもなるので、おそらく断られないと思う。
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