金子みすゞ最強説
「どうして結婚しないの?」
「まだ、良い人に出会えるよ」
30代を迎えようとするとき、多くの女性が乱暴に浴びせられる問いかけだ。恋人や結婚相手がいなければ、パートナーがいなければ、伴侶を見つけなければ、誰が不幸と決めたのだ。「どうして結婚しないの」という問いかけには、「男と女がつがいにならなければならない」という、見えない前提がある。これが非常に厄介だ。常識が私たちを苦しめる。常識なんて、今やないに等しいと言っても過言ではないのに。
小学生のとき、松たか子が食べるわかめおむすびがとてもおいしそうに見えた。小さな手でつまんで口に頬張るわかめおむすび。彼女が口にする「わかめおむすび」の七文字さえ可愛らしく思えた。そのドラマで彼女が演じていた偉人こそ、金子みすゞだ。当時、私は国語の授業で金子みすゞに触れ、柔らかな言葉の並びに魅了されていた。
「みんなちがってみんないい」
結論のように詩の最後に並んだこの一文に、約20年の時を経て私は再びたどり着く。そして、思うのだ。100年以上も前に、この言葉を唱えた彼女は最強なのではないか、と。
私にはいくつものこだわりがある。しかし、その考えや法則を私と関わるすべての人に押し付けたいわけではない。ただひとつ、願っても構わないのであれば、私が“そういう”考えを持っているということをわかってほしいのだ。より厳密にいうのであれば、考えをわかろうとしてくれるだけで良い。たったこれだけ。それがなかなかどうして難しいことだが、それだけで世界が幸せになると思っている楽天家が、私だ。
つまり、どうかあたたかく見守ってください。
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