5年前、自分の処理能力の低さに愕然としたことがあった。何がきっかけだったかについては、もう覚えていない。きっと、思っていた通りに仕事が進まなかったとか、まあそんなところだろう。考えるのが趣味な私は、そこから派生して「もっとも仕事をしていたのは、高校生の頃だったのではないか」ということに気づいてしまった。金銭を生むとか、そんな基準ではなく、想像を膨らませ、計画性を持って目の前の仕事をまっとうしているという充実感。仕事が楽しすぎて、時間を忘れ、気づけば深夜だった毎日。あの頃の高揚感をもう味わえないのかと思って悲しくなったことは、よく覚えている。

今から1週間ほど前、私は所属する新しい働き方LABの仲間と、オンライン文化祭を開催した。「同じコミュニティーのメンバーだから」というコネをフルに活用して、たくさんの大人の力を借り、家の中で思いっきり遊んだ。始まりは「みんなと一緒に、ゴールデンウィークを楽しく過ごしたい」という思いだけだった。しかし、結果として巻き込んだみんなに「ありがとう」と言ってもらえたのである。

私からすれば、「一緒に遊んでくれてありがとう」というのは私であって、感謝されるとは思ってもみなかった。しかし、たくさんの仲間と「ありがとう」と言い合った時間はとても幸福だった。思わず、仲間のひとりに「『ありがとう』って言い合える関係性、最高ですね。ありがとう」と言ったほどである。

文化祭の翌日は、全身筋肉痛で辛かった。しかしそこには、もう、一生味わえないと思っていた高揚感があった。この経験により、私のモチベーションは「誰かと一緒になんかする」ことによって、ぐんと一気に上がるということに気づくのである。

「誰かと一緒になんかする」というのは、裏を返せば、「ひとりでは何もできない」ということだ。思えば私は、今回のオンライン文化祭について、はじめからひとりでどうにかしようとはまったく思っていなかった。その理由はとても簡単で、「ひとりでは何もできない」ことを知っているだけなのだ。

文化祭の翌日は、高校時代の仲間との飲み会だった。住む場所が違ってなかなか集まれなかった仲間も、オンラインならすぐに集まれる。「もっと早く気づけば良かったね」とも話したが、これもこんな時代になったからこそ気づけた学びということにしておこう。

ここにきて初めて説明するが、私は高校時代、生徒会長だった。オンラインで集まったのは、へっぽこだった私を、なんとか生徒会長として成立させてくれた執行部の仲間たちだ。昨日の今日ということもあり、私は妙に懐かしくなって、十数年前の生徒会誌を引っ張り出した。そこに書かれていた文章を音読してみたのだが、「ひとりでは何もできない」ということを、16の私も知っていたことを知る。

私はとても周りの人に恵まれたなぁと思います。本当です。破天荒が何かをする度に手を貸してくれた全校生徒のみなさんはもちろんのことですが、実行委員のときから相談に乗ってくれたりわがままにつきあってくれた実委の先輩方、失敗ばかりしてたくさん迷惑かけているのに黙って私を受け入れてくれた女バスのみんな、無力な私と一緒に仕事をしてくれた実委のみんな、そしてゆか・かんかん・しぶ・白戸くん・なっちゃん・サク。本当に本当にありがとう。この出会いに感謝します♡そしてこれからもよろしく✨

ぶれないというのか、成長していないというのか。記念に、みずみずしい10代の私の文章を全文公開してみようと思う。



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