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山形県遊佐町少年議会のお二人に、お話を伺いました

*ウェールズの未来世代幸福法
日本版チームとして、活動してます。これはチームとして書いた2023.10月の記事です。あまりに楽しい内容だったのでこちらにもアップします。

以下報告記事

山形県遊佐町・少年議会のお二人に、
お話を伺いました   2023.10.31 未来世代幸福法日本版チーム前川

下がり続ける全国の選挙の投票率の中で、
4年連続1位の山形県。
その中でも18歳以上の投票率が平均より10ポイント以上高い、
人口13000人の遊佐町には
全国でも珍しい、少年議会、という取り組みがある。



2003年にはじまったこの議会は、
単に集められた子供たちが議会を開いて話し合う、というだけでなく、

中・高校生たちがマニュフェスト・政策を訴えて本格的な選挙活動を行い、
600人の有権者(こちらも同じく中高生)に投票してもらって
選挙によって少年町長や副町長、議員10人を選んでもらう制度だ。
実際に議会を開き政策を立案する。
もちろん予算もあり、年間45万円の予算が
子供たちが政策を実行するために使われている。
(街を紹介するパンフレット作製、選挙ボランティア、通学路の街路灯設置、駅に可愛いベンチを置くなど。少年議会の予算でまかないきれないものは、大人の議会で審議され、実現されることも)


わたしたち未来世代幸福法日本版チームは、2023年10月31日。
その山形県遊佐町、少年議会の議員で高校二年のこよりさん、同じく高2のうたさん(仮名)のお二人にお話を伺った。

事前に質問を用意して、答えてもらう。

● 少年議会の活動をして、変えられたこと、変えられると思ったことは何ですか?という問いには、
少年議会の活動をして、自分の得意なことで、誰かの役に立てると知ったこと。
それまでは自分のできないことは人の迷惑になるけど、得意なことは自分が楽しいだけで、誰かの役に立つことはないと思っていた。
という、こよりさんの答えに感動。

街のイベントに若い人を巻き込めるようになったのが、変えられたこと。7月に開催した遊佐高校祭「スポGOMI」―スポーツごみ拾い、3~5人でチームを組んで、ゴミ拾いをする。拾ったゴミ事にポイント計算をして勝敗を決める。ー
では、若者が遊佐町を楽しめるきっかけになったと思う。これからもそういう場を作っていきたい、ともう一人のうたさんは言う。



鳥海山のふもと、豊かな自然に恵まれた遊佐町

● 大人とのつながりや自分の意識に変化はあった?

少年議会は少年だけがやっていると思っていた。背後に町の人や、事務局の方や、たくさんのひとが支えてくれていることを知った。そういう意識をもってこれからも活動したい。

遊佐町の魅力に気付けるようになった。伝統文化が受け継がれていること。廃校になった建物を再利用しようとしている人がいることなど色んな良さが見えるようになった。

● 遊佐町の魅力

言葉にできないもの。目に見えない魅力がある。ぜひここに来て、五感で感じてほしい。

鳥海山があり、歩いているだけで四季が感じられる。それを伝えたい。

● なんでも2つ願いが叶うなら何を願う?

修学旅行に行きたい。あと好きなアイドルがいるので推しに会いたい。会えたら人生に悔いない。

今年中にディズニーにいって、来年修理が始まるスペースマウンテンに乗りたい。

一番面白かった質問は
仲間のうっちーの

● 大人に何か文句を言いたいことはないですか?

というもの。

ふたりの回答は、事務局の風間さんの
議会の連絡を送るラインのアイコンがおもしろすぎて
内容が頭に入らないので、なんとかしてほしい。

というもの!

風間さんが、ZOOMごしにラインのアカウントの写真を見せてくれたのだが、
顔が破けそうなほど大きな口をあけていて、
誰が見ても腹を抱えて笑ってしまいそう。

奥様セレクトのアイコンらしく、その破壊力は衝撃的だった。
大人として、少年議会をコントロールしたり、誘導したりという感じがどこにもない。

あまりに雰囲気が良いので、風間さんに少年議会をサポートするにあたって、
心掛けていることは何ですか?と聞いてみると、

前任者から、とにかく子供たちの自主性を大事に、
アドバイスはしない事と言われている。
自分も32歳だが、上からいろいろ言われると自分がやらなくてもいいんじゃないかと思うこともあるので、そうならないように注意したい。あくまで楽しく、でも政策実現のため5W4Hはきっちり抑えて取り組んでいる。とのことだった。
子供の活動をサポートするには外せない視点かもしれない。



古くから人々の信仰の対象 丸池様

少年議会のお二人は、もともと遊佐町の出身ではなく地域未来留学制度を使って、
都市部からやってきた。

たくさん高校がある中で、遊佐町を選んだ理由は、
ほかの高校は、学校の先生たちが学校を紹介していたが、
遊佐高校は、高校生が自分達で学校紹介していておもしろかった。
みんなが5人くらいづつ普通の家の寮でくらしているのもよかったという。

山形は雪が多くて寒いから、冬は寂しくなったりしない?と聞くと。

三年しかないから、寒いのももったいないと思う!

寒い冬になるとバックナンバーの曲を聞きながら
恋愛小説を読んで彼氏欲しいと思うのがいい。

というふたりの答えが
たまらなかった。

なによりもふたりが楽しみながら少年議会の活動に取り組んでいるところが、
見ていてうれしいのだ。これは大人も協力するだろう。
選挙率も上がるはずである。

もっといろいろな市町村で、選挙によって選ばれた少年議会が開かれ
政策を実現するようになると、
地域の風景もだいぶ変わってくるのではないか。

さらに以前国会を傍聴に行った時、動物園並みのマナーの悪さに辟易したことを思い出し、国会にも少年国会がほんとに必要だと改めて思ったのだった。



日本三大修験道の聖地の一つ、出羽三山主峰の月山を擁するここ遊佐町に、日本の参謀石原莞爾は民主主義の理想郷を夢見た。改めて取材したい。


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