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3月13日(日)FX週間展望

【3月7日週の振返り】ウクライナ戦争に振り回される展開 

                                  ドル円は114.78円から117円台まで上昇。

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時間足です。興味深いのはpivot(破線)を割らず上昇している点。それだけドルが強いという印象でした。黄色い線は日足ベースの21EMA、細いピンク線は日足ベースの5SMAです。月曜日に両MAをブレイクした後は一気に上昇。FOMC利上げ確定と米長期債が2%に乗せたこともあり年初来高値更新という展開になりました。

ユーロドルは売りが継続される中、ECB理事会声明文から「金利gは現在よりも低くなる可能性」という文言が削除されたことで、反発する場面もありました。

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時間足です。ECBによって買われて、その後スタグフレーション懸念で売られたという展開。


ユーロスイスが月曜日にパリティ割れとなりましたが東京市場で反転し3日連騰となりました。

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月足です。パリティは心理的な節目でもありますが、それよりも見ていただきたいのは緑色のサポートライン。スイス中央銀行は自国通貨が高すぎると評価していたので、このラインが防衛線だったのでしょう。だたし、実弾だったかというと「違う」と考えています。

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日足にフィボナッチを引きました。見てわかる通り半値戻しです。思惑としては、①ショートカバー②ショート勢のポジション調整③過度なショートポジションの蓄積④スイス中央銀行の介入示唆、が考えられます。地政学的にはユーロの売りは継続されるので、意に反して上昇する背景はこの4点かと思います。ECB理事会の公表は一部サプライズがあったものの、米国との金利差は著しく近似値になることもなく、「米ドル>ユーロ」は継続すると思われます。このことからも、スイス中央銀行にとっては逆風が続くのではないでしょうか。もし通貨介入があるならば防衛ラインはユーロスイス0.9650と考えています。


【3月14日週の展望】ウクライナ戦争に引き続き警戒 

今週は何といっても15-16日のFOMC。利上げは確定済みなので、注目は利上げ幅。2月のCPIが高水準であったことから0.5%利上げする可能性が高くなりました。マーケットはおそらく0.5%で織り込みつつあると思います。0.25%だとしたら、年間の利上げ回数を増やすことになりますが、米大統領中間選挙も控えており、早急なインフレ対策が必要であることから、0.5%は固いと思われます。

日本の2月貿易収支は1月に続いて赤字が予想されています。このことからドル高円安は継続され、さらにウクライナ戦争の影響で原油高と穀物相場高は避けられずドル高円安は固いと思います。

ポンドはBOEでの利上げは0.25%で織り込み済みです。しかし、FOMCでの利上げが確実視されているので、BOEの利上げによるポンド買いは大きな材料にはなりにくく、もし買いが入っても限定的ではないでしょうか?はやりウクライナ戦争の緊迫化に影響されやすいと思います。

ウクライナ戦争の情勢とマーケットの思惑が絡み合った展開です。構図としては、米ドル・円・スイスフラン・豪ドルが買われやすく、ユーロとポンドが売られやすい状況です。


【中期的展望】

ウクライナ戦争が先行き不透明となっています。当初は早期にロシア圧勝かと思われましたが、ウクライナは守りに固く、戦況は長期化の様相を呈しています。経済制裁はボディブローのようなものなので、戦争が長期化することでロシアは不利になります。これを打破するために、ロシアの打つ手は次の通り。                              ●戦術核を使用することで短期で軍事的優位に立つ。              ●ロシア優位な停戦協議を結ぶ。                    ●傀儡政権樹立を諦めウクライナ東部併合のみで停戦協議を結ぶ。       ●長期化覚悟でロシア軍の増強でさらなる圧力をかける。              とはいえ、私はウクライナに侵攻するのは東部のみと考えていましたから、既に最悪のシナリオとなっています。ロシアの次の手は常識外のものとなるような気がします。となるとやはり戦術核の使用を警戒すべきでしょう。成層圏での核爆発により強電磁波を発生させ、ウクライナ国内での電子機器を無力化させるだけでもウクライナの軍事力は減らされます。T90戦車は電磁波対策は施されているので、恐らく電撃的蹂躙を目論んでいると思います。

ユーロドルは、大規模なEU圏共同債の発行が示されてユーロ買い。ですが短期的にみると、ウクライナ戦争が終結するまではユーロ売りは継続すると考えます。なぜなら、エネルギー危機からスタグフレーションに現実味が出てきているからです。早急な代替えエネルギー対策は無理でしょうから、もはや避けられないと考えます。

ユーロスイスは、中央銀行の示唆からもわかる通り、ユーロ売りが進むとどこかで通貨介入してくると思われます。トレードとしては押し目を想定して買いを考えますが、ウクライナ戦争の情勢次第といった要素が強く、買いでは分が悪いと思います。仮に0.9650で通貨介入が行われた場合、FXの口座にもよりますが、スプレッドがどこまで拡大するかわかりません。ストップに狩られる可能性もあるので、分が悪いことは確かです。資金管理とリスクを管理できるのであれば大丈夫だと思いますけど、有事の通貨介入時のスプレッドの想定などできませんよね?私は、100pipsくらい動くかもしれないし、スプレッドは拡大しないかもしれない、と思っていますので、そこにトレードのエッジはまだ見いだせていません。



来週も負けないトレードを!

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