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清井咲希の理想

さきてぃスマイルと呼ばれる屈託のない笑顔。
圧倒的なセンター感。スタダの朝ドラ女優候補(という存在感)。
誰からも好かれる清楚さ。
抜群の運動神経(でも何故か何もないところでよくコケる)。
たこ虹随一と言っていいほどの天然(でも天然を自らは天然とは認めていないような・・)。
負けず嫌い。
ももクロ大好き。百田夏菜子の完コピといえるほどの歌マネができる。
正直。(正直すぎる一言で爆笑になることもあれば、えっ?と思えることもしばしば)

さきてぃで思い浮かべると、このような言葉が並びます。
私がさきてぃで特に印象に残っているのは、2017年4月9日。阪神巨人戦の始球式。美しいフォームで投げると、そのボールは落ちることなくキャッチャーミットへ。ノーバウンドを成功させ、飛び跳ねて喜びを表現する姿。そして、2018年1月ダブルレインボーのリリースイベントの特別企画。限られた時間の中で、長蛇の列のファンに、きっちりと対応していたこと。
この二つの出来事で、さきてぃの凄さを感じました。

清井咲希のももクロ好きは、彼女の言動からひしひしと伝わってきます。
俺の藤井2014では、ももクロを前に感動して泣きだす姿。おそらく楽曲を聴きこむことで、百田夏菜子の完コピといえるほどの歌マネを可能にしていることなど、いろいろとあります。
しかし、さきてぃからはオタクっぽさは一切感じません
感じられるものは、純粋に好き、敬愛、尊敬。もしくは、あこがれでしょうか。
たこ虹の他のメンバーから感じられるオタク的な雰囲気やマニアック感は、さきてぃには一切感じられません。アイドル好きのまいまい、アニメ好きのれんれん、ディープにユニコーンが大好きなさくちゃん、腐女子っぽい一面があるくーちゃんとは、明らかに異なるものです。

以前、ブログでさきてぃは「鋼の錬金術師が面白い」と書いたことがあります。もしオタクだったらそれが、旧バージョンなのか新版のフルメタルアルケミストなのか、映画なのかキッチリと書き、それがどれだけ面白いかを書いていく。それこそ、れんれんやさくちゃんだったら、好きの想いが溢れるはず。しかし、清井咲希にはそれがなく、とてもあっさりしている。

さきてぃは、よく「虹家族さん大好き」という言葉を口にします。
私は、この言葉の背景に、彼女が理想とする、ももクロとモノノフを重ねているようなものを感じています。
2017年のZEPPツアー。はじめてのなにわンダーたこ虹バンドを従えたライブ。たこ虹物語で、一発勝負のコールアンドレスポンスで、こんなことがありました。

コールアンドレスポンスがうまくいかず、まいまいが「ストップストップ!」と言って曲を止めます。
まいまい「すいません。今のは春名のせいです。春名がタイミングを逃しました」
さくちゃん「ちょっとだけ声がちっちゃかったね」
くーちゃん「やりにくいやろー」
さきてぃ「でも虹家族さんやったら応えてくれないと、やっぱり」
くーちゃん「ええええー!!」

さきてぃの言葉を補うならば、「理想とする虹家族さんやったら応えてくれないと」ということができるでしょう。
このやりとりで垣間見えるものは、理想主義者とまで言えるか分かりませんが、さきてぃは、こうあるべきという理想を大事にしているということです。

さきてぃが涙を見せる時は、感動したとき以外は、たいていが負けず嫌い、・・つまり、理想とする自分からかけ離れた面を出してしまった時のように感じます。
ムチャミタスのボルダリング回で、相当泣いたような話がありましたが、これは、運動神経がいい自分自身の理想像に追いつかなかった自分に対する悔し涙としてみることができます。

ときどき口にする「パリジェンヌ」という言葉も、彼女自身の理想とするひとつのカタチとみることもできます。
この点、現実主義者のさくちゃんとは、対照的に感じられます。

清井咲希は、とても正直です。その正直さは、たこ虹人生相談のムービーで垣間見えます。機転を利かせて賢く答えるまいまい、すべてを笑いへと変えてしまうくーちゃん。「ええやん!」と現実として肯定するさくちゃん。
そんな中で、さきてぃは、「それはアカン!」と顔をしかめて答える時もあります。
また、自分のネガティブさを包み隠さす表に出すこともあります。インタビュー記事で「私は歌にパワーがないから、このパートは別の子が歌うと思っていた」ということも、正直に話します。

まいまいがボジティブに徹して自分自身を奮い立たせたり、さくちゃんの現実を肯定する現実主義者なのに対して、清井咲希は、プラスもマイナスもすべてをオープンにする。

まいまいがポジティブに徹する強さ、さくちゃんが現実を肯定する強さを持つならば、さきてぃはどのような時でも正直である強さを持っている。その強さは、ベクトルの向きは違うものの、互いに強い個性になっている。私はそう思っています。

正直とは、ありのままを見せるということ。
ポジティブのネガティブのどちらも持つということ。ニュートラルであるということ。

そのようなことを考えていくと、私は「中道」という言葉を思い浮かべます。
中道とは、仏教用語で教義によってさまざまな考え方があるのですが、とてもカンタンに説明すると、すべてにおいてニュートラルな姿勢を貫くということです。

敬愛し愛するものはあっても決して偏っていない。ポジティブもネガティブもこわだわらず、常に正直である。
中道という個性は、これから女優の道に進んで行く上で、とても重要なものになると思います。
女優の才能は、さくちゃんにも感じられますが、さくちゃんは自らの個性を前面に出していくタイプ。この点でも対照的です。

たこやきレインボーの個性豊かなメンバーの中心に、中道という個性を持つさきてぃがいる。圧倒的に強烈な個性の4人の中心にニュートラルな清井咲希がいることによって、バランスを取っている。
たこやきレインボーは、あらゆる面でバランスの優れたグループだと思います。

なにわン2017の終演間近で、さきてぃは「大好き! とりあえず」と最後に言います。
私は、この言葉の意味が長いこと分かりませんでした。「とりあえず」という言葉は、どちらかというとネガディブです。
でもここまで考えていくと、このような気持ちの現れだったのかも、と思えてきます。
この年の冒頭、番長は「2017年は確変の年にする」と語った集大成のライブ。
「レインボーで歌詞が飛んじゃったりしたけど、この大切なライブが『とりあえず』無事に終わらせることができて本当に良かった」
この一言の裏には、そのような意味があったように思えてきます。

清井咲希の「理想」は、とどまらないと私は思っています。
理想は年齢とともに変化し成長するものです。
清井咲希は、その理想にこだわり続ける。
正直なさきてぃですから、そのような変化もわかりやすく伝わってるかもしれません。

メンバー内のミーティングで、まず口火を切るのは、さきてぃということを聞きますが、正直で理想を大切にするさきてぃならでは役割に思えます。
SuperSparkは、理想を大切にするさきてぃと現実主義者のさくちゃんの掛け合いになっているところが、とても面白く感じています。
さきてぃの「届くかな?」という問いかけに、「届くよ」と全員で応える。
SuperSparkの歌詞が心に響くの理由はこのようなところにもあると思います。

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