見出し画像

たこやきレインボー「なにわンダーランド2019~Joy to the World~」

なにわンダーランドは、たこやきレインボーの集大成。そして、ステップアップとして次に繋げる大事なライブです。
なにわンダーたこ虹バンドと2017~2018年を共に駆け抜けたたこやきレインボーは、2019年は打って変わって、ボーカル、ダンスパフォーマンス、トークといった能力を、自分たちのチカラだけで突き詰めていった一年。
その集大成になったライブが、この「なにわンダーランド2019」だったと思います。

本編、すべてがノンストップライブ。KiWiアレンジによる徹底的なサウンドのこだわり。アレンジの変更による振り付けの変更。職人芸ともいえる照明演出のすばらしさ。楽曲の中に、人生相談というガチのアドリブを入れるトーク力。メンバーひとりひとりの強烈な個性。そして、5人での絶妙なバランスでのボーカルとダンス。
特にボーカルは、ホールでは納まりきらないんじゃないかと感じさせるほどの力強さがありました。
衣装の着替えは瞬時におこない、まったく間延びしない本編。自信と楽しさに溢れたパフォーマンス。

まさしく、「Joy to the World」。
たこやきレインボーは天使。そして、エンターティナーであることを実感させてくれたライブでした。

このライブは、ナタリーの記事にもあったとおり、
“天使と夢の国”をテーマに、「羽のない天使たちがありったけの愛を届ける」というコンセプトであり、
さきてぃが最後の挨拶で語った、

”「天使のラブソングを」の歌詞を目にしたときに今回のコンセプトが浮かんだと説明し、「『君にありったけの愛を届けるために あの虹を降りてきた 羽のない天使』と書いてあって『うちらのことやん!』と思ったし、そういう存在でありたいんです」”

というもので、もうこれらの言葉にすべて集約されています。

そもそも、私は冒頭の「天使のラブソングを」で、すでに涙ぐみ、KiWiアレンジの「にじースターダスト」で涙腺が崩壊。その後の、KiWiアレンジパートのサウンドとボーカル、ダンス、照明演出に圧倒されて、せっかくピンクに塗装してきたそろばんのことも忘れて、「あきんどチャチャチャ」を大号泣で聴くという。
もうこの時点でなにがなんだか分からなくなってしまったんですが・・(笑)

オープニングで歌った「天使のラブソングを」。
フリなしで歌う姿は、まるでなにわン2015の「オーバー・ザ・たこやきレインボー」みたいだなぁ・・と感じました。
なにわン2015は、クリスマスをおよそ一月間、間違えてしまったあわてんぼうな天使たちの物語。
そんな天使たちも成長してカミサマに「多くの人に愛を届けなさい」と言われて地上に降りてきた・・というような続きの物語にも感じました。

なにわン2019と2015のセトリを見比べてみると、同じ「天使」をテーマにしているからという理由もあると思うのですが、全21曲中7曲の楽曲が重複しています。なんと1/3が同一の楽曲。
そして、4曲目に「あきんどチャチャチャ」があって、2015年では一曲目だった「オーバー・ザ・たこやきレインボー」が、今回では本編ラストの曲になっている。
まるで、2015と2019が時空を越えて、メビウスの輪のように繋がっているなぁ・・なんて思ってしまったんですが(笑)

セトリをブロックで分けるとこのような図になります。
たこ虹のライブは、3部構成になっていることが多いですが、これは序破急と呼ばれる伝統芸能で使われるスタイルで、3幕劇とも言われています。
物語などでよく畳み掛けるような展開があるものは、序破急の構成がよく使われます。たとえば、お笑いの三段落ちっていうのも、もしかしたらこの流れなのかもしれませんね。

たこ虹のライブが体感的に早く感じる要因のひとつは、本編がキッチリとした三部構成だからなんだろうと思います。
そして、今回、そのブロックの最後を「ナンバサンバイジャー」「たこ虹物語」「オーバー・ザ・たこやきレインボー」にしている。

この三曲は、たこやきレインボーにとって、とても大事な楽曲です。
たこやきレインボーは、楽曲で自らの物語を紡いでいるようなところがあって、「ナンバサンバイジャー」「たこ虹物語」「オーバー・ザ・たこやきレインボー」は、たこ虹の根幹となっている楽曲です。

「ナンバサンバイジャー」は、さまざまな葛藤を持ちながらも他人よりも何倍も努力しようという楽曲。
「たこ虹物語」は、一流のエンターティナーになって全国を駆け巡ろうという楽曲。テッシーはこの曲を聴いて、たこ虹バンドのバンマスを引き受けることを決めたという経緯もあります。
「オーバー・ザ・たこやきレインボー」は、たこ虹のはじまりの楽曲。

他にも、原点である「六甲たこおろし」。さらに、たこやきレインボーの物語を一歩も二歩も進める「虹色進化論」「SuperSpark」といった大切な楽曲がありますが、メンバーが二十歳を迎え、スターダストアイドルとしては意味深い中野サンプラザという場所。さくちゃんが高校を卒業し、来年にはたこやきレインボーが本格始動するというタイミング。

そこで、この3曲に絞ったセットリストを本編の重要な位置に盛り込み、たこやきレインボーの根幹というべきライブをみせる。
その愚直さ、潔さ、力強さ、決意。

そして、ダブルアンコールでは、序破急でいうとことの「破」パートの締めの曲「たこ虹物語」を選んだこと。
令和初のホールライブにおいて、たこ虹は、来年に向けて新しいスタートラインに立つんだという強い決意を感じました。

2020年のたこやきレインボーは、「たこ虹物語」の歌詞にあるように、縦横無尽に日本中を駆け巡り、更なる躍進を約束する。

令和元年のなにわンは、令和アイドルとしての第一歩を踏み出すライブなんだと私は受け止めました。

---------------------------------------------------------------------------------
【追記】

ツイッターで、どうきさいさんとやりとりをして気が付いたのですが、本編にクリスマスっぽさを極力なくしたセットリストは、クリスマスを前面に強調すると、期間限定感が出てしまうからかな・・と思いました。
クリスマスではなく「翼のない天使」ということに重点をおくことにより、「うちらはいつでもあなたの近くにいて、愛を歌い続ける天使なんだよ」ということ伝えたかったんじゃないかと感じました。
そういう意味ではテーマ的には「うちらは一緒に航海をしている」というライブだったなんぼやツアーと近いものがあるんじゃないかと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?