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彩木咲良の表現

さくちゃんは表現をするために生まれてきたような人に思えているんですよね。その表現は、歌、ダンスパフォーマンス、演技、撮影、映像編集、作詞作曲、絵、ギターと多岐に渡ります。そのひとつひとつが、大胆で個性的で、人の心をつかむものがあります。
私は、さくちゃんの表現の特徴のひとつに「情報量の多さ」があるように感じています。たとえば、別の記事でも書いていますが、さくちゃんの書く歌詞の一行でも、たくさん語ることができる。ダンスパフォーマンスでも、たとえば恋のダンジョンUMEの「吸い込まれてく 生命の渦」の歌うときに表現する「眼力」。別のパフォーマンスでは眼力ではなく、すがるような切ない表情で後退して吸い込まれていくように表現する。
表現の情報量が過剰といっていいほどに多いのです。

たとえば、2018年にこのようなことがありました。

さくちゃんがInstagramにあげた写真。構図や醸し出される不安感。どことなくキューブリック監督の「シャイニング」のオマージュのように感じられます。
そして、このあとすぐに、さくちゃんはTikTokをスタートして、クオリティの高いムービーを短期間に大量に公開して、これまた驚かされることになったのですが・・・。
TikTokのムービーひとつひとつに解説ができるんですが、いちばん分かりやすく凄さが伝わるのは、バイオハザードっぽい低予算ゾンビ映画をそのまま、ムービーにしたこの作品でしょうか。

カメラワークはもちろん、メンバーの動きも凄くて、まるで映画のワンシーンのようです。

では、表現とはなんなのか。表現する才能とはなんなのか。

以前、私は、大手出版社のファッション誌の編集長だった方と、そのことを話したことがあります。
その方が言うには、

「膨大な写真の中から、もっとも良い1枚の写真を選ぶようなこと」

と、おっしゃって、なるほどと思いました。
ファッション誌の編集長だったからこその言葉。表紙にする写真の選び方ひとつで、売上が大きく変わってくるもの。ものすごい説得力を感じました。
このことはありとあらゆることに通じてると思うんですよね。
たとえば文章を書くのは「たくさんの言葉の中から最適なものを選び繋いでいくこと」。
写真や動画の撮影は「空間の中から最適な構図を選ぶこと」。
歌やダンスパフォーマンスの表現は、とても高度で、実力をつけて表現できる幅を広げなければならない。そのために、ボイトレをして体幹を鍛える。
実力が伴うことで、表現できる選択の幅が広がり、説得力のあるパフォーマンスが可能になる。
たこやきレインボーは、そのための努力を積み重ねてきたことは、ライブをみれば、すごく伝わってきます。

さくちゃんは、2020年のキューティーハニーエモーショナルの舞台に出演しましたが、私はステージに立つさくちゃんを見るのがとても楽しみにしていました。
演技において「立つ」ということは、簡単なようで難しい。何故なら、立つという演技は無限にあるわけですから。シーンごとに最善の「立つ」を選ぶということになります。
キューティーハニーの舞台を見た理事長が、公演中の舞台の写真を2枚ツイートしました。

舞台に立つ、アッシュハニーツヴァイ。
登場シーンは多くはなかったですが、舞台に立つアッシュハニーツヴァイに、私は、圧倒的な存在感を感じました。おそらくツヴァイには過去の記憶がない。心もない。長い時間を持て余している。戦うことは、少し楽しくもあり、悲しくも感じている。
私は、さくちゃんの演技から、そんなようなことを受け取りました。

表現をするということは、一番を選ぶということ。最善を選択するということ。正しい選択をするということ。

たとえば、グループショットで、さくちゃんだけ突飛なポージングで面白くなるのも、番長がステージの段取りをさくちゃんに相談するのも、ハロウィンの仮装の買い物に行った時に「袋入りますか?」と店員に聞かれて「いる!!」と答えるのも、あながち大富豪で一番になってしまうのも、さくちゃんが正しい選択をしているから、と言えるかもしれません。

そして、家にいるTV#17の「おかえりなさいませご主人様」が、異質といえるほど格段に面白いものになったのは、さくちゃんがさくぴょんのキャラクターを綿密に設定し、メニューを用意することで、世界観と段取りをメンバーに伝えるツールにして準備し、さくちゃんがシーンごとに「正しい選択」をしていった結果、とても演劇的なエチュード(視聴者がいるのでインプロとも言えます)というか、ホラー映画やスリラー映画のようなものになったのではないかと思います。

さくちゃんのGo!Go!GUITERの撮影で語ったこの言葉からも、いろんなことが感じられます。

「私はギターに出会えて人生が音楽になってすごく楽しい」

さくちゃんのこれから表現するひとつひとつを、とても楽しみにしています。

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【2020.11.29追記】

さくちゃんのインスタグラムにあげた、ムービーと写真があまりに素敵だったので追記します。
服装から考えると夏でしょうか。去年か一昨年か分かりませんが・・・。
写真だけなら美しい1枚のショット。それをセルフタイマーで撮影する18秒のムービーを添えることで相乗効果を生んでいる。ムービーに音がないからこそ伝わってくる引き算の演出。だからこそ、伝わってくるもの。さくちゃんの表現力。凄いなぁ・・・と思いました。

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