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彩木咲良の言葉

『勉強はしていたんです!塾もそろばんも家庭教師もめちゃくちゃやってたんですけど、その家庭教師の先生に「さくらさんの頭脳は小学校2年生で止まっています」って小学校5年生くらいの時に言われたんです(笑)
だから、これを読んでくださっている女子高生の皆さんには、勉強が出来なくても生きていけるんだって事を伝えたいと思います…!!』

軟体的なボヤージュの発売当時、数多くのインタビュー記事がネットで公開されましたが、これは、その中のひとつ。女子高生が取材をするというWebマガジンで掲載されたものからの引用です。(現在は閲覧することができません。本当に残念)
これはインタビュアーがさくちゃんと同じ女子高生だからでてきた言葉だと思うのですが、これをさらっと言ってのけられるのが、彩木咲良のすごさと言えます。
勉強が苦手。出来ないということを、あっけらからんといえる強さを、彩木咲良は持っています。

彩木咲良のボキャブラリーは決して豊かとはいえません。
韓国旅行の動画では「準備万端」を「準備満タン」と言ったりもします。
でも、このような動画を気にせずに公開できる。
ムチャミタスでは、「磁気ってなんなん?」、「佃煮ってなんなん?」と、迷わず聴きます。
(余談ですが、さくちゃんが、まず理解できていないときに、ちょっと目線が上にいき、虚空をみる。とうクセがあります。そういうことを気をつけてみていると面白いです)

たこツボッの初期の回に、このようなことがありました。
このときのテーマは四角形。正方形、平行四辺形 台形の三つの中から、どれがツボかを選ぶというもの。
話の流れが、面積の求め方になり、さくちゃんが公式を答えられず、泣き出してしまいます。
そして、「勉強は諦めるから、芸能活動頑張ります」と言い、最後に泣き笑いで「おかあさん、さくらは頑張ってるよ」と画面越しに語りかけます。
(この動画は、スターダストチャンネルで視聴することができます)

勉強は、確かにできないかもしれない。
語彙は決して多くはない。
しかし、彩木咲良の言葉には、とても説得力があります。
ムチャミタスでも番組中にとても印象に残る言葉を言うので、しばしば彩木咲良語録のようにテロップで表示されます。

また、なにわン2017の最後の挨拶で、「たこやきレインボーは変わらないといけないんです」と語る。
「変わらないといけない」と語るタイミングで隣のくーちゃんは、そうだそうだというアクションをする。
これはメンバー全員から託された言葉を、さくちゃんが代表して語っているようにもみえます。

「SuperSpark」の歌詞にも不思議なほどの説得力がある。「一緒に帰ろう」にも、ごくごく普通の言葉を使ってるのに、胸に迫ってくるものがある。
ボキャブラリーは決して豊富ではない。
でも、言葉の選び方が的確。
たがら、説得力があり、心を揺さぶるものがある。

この彩木咲良の言葉の説得力は、私は彼女が現実主義の傾向が強いからだと思っています。
正確にいうならば、現実肯定主義という方が適切かもしれません。
現実主義というと、極端な印象があります。もちろん、さくちゃんの理想も大事にしてるでしょう。
彩木咲良の現実主義とは「現実を肯定する」。
現実という地面に根差した考え方をする。
勉強ができない自分を肯定する。
肯定することで、今、現在、何をすべきかが見えてくる。必然的に「語るべき言葉」が決まってくる。
「現実の肯定」
「自分自身の肯定」
これが、彩木咲良の行動の原点になっている。
だから、冒頭のインタビュー記事のような言葉が出てくるのではないかと思います。

「現実の肯定」と「自己の肯定」は、はじめて作詞をした「女の子」に、その傾向がはっきりとでています。
歌詞のほどんどは、女の子であるがための不満と葛藤を延々と歌詞にしている。
「男の子に産まれたかった」とさえ歌っている。
でもこの歌詞の最後は、見事なまでに現実を肯定しています。
「だけど私は女の子でアイドル それは変わらない事だから 最後まで みんなを幸せにするよ」
いさぎいいほどの現実肯定です。

特典会でおこなわれた「たこ虹お悩み相談室」のムービーでも、そのほとんどが「ええやん!」と言って肯定しています。
そして、似顔絵やインスピレーションひと言にも、現実主義の片鱗がうかがいしれます。

彩木咲良の描く似顔絵はとてもよく似ています。
とても写実的で「目」→「鼻」→「口」→「輪郭」という順番で、描いていきます。
じっと見つめて、見たままを気持ちのままに描いていく。ほうれい線を描くと老け顔になりますが、そんなことは気にしない。
何故なら「ほうれい線」があるから迷わず描く。
見たままの現実をトレースするように描いているからとてもよく似ている。

彩木咲良のインスピレーション一言は、直感ではなく、「見たまま」を書いています。
私は「友達のおじいちゃん」と色紙に書かれましたが、はっきり言って見たままです。
ツイッターでさくちゃんのインスピレーションひと言を検索してみると、「毎日コメントくれる人」「琵琶湖でよくとれる人」「ストーカーのイメージしかない」「家にたくさんフィギュアありそう」「いいお父さんになりそう」。
語尾に「に見える」を付けると、見たままの現実であることがわかります。

2018年の夏でのリリースイベントで、このようなことがありました。
炎天下の野外ステージ。ステージの床は熱くなり、振り付けの変更が余儀なくされる状況。そこで、具体的にどうするか、番長が相談したのは、さくちゃんにでした。(私はその現場にはいなかったのですが・・)
また、2018年の暮れに行われた、東京のRainbowSonicの鑑賞会でも、番長はステージ上で段取りの打ち合わせをするのは、さくちゃんとです。
そのような役回りをするというのは、メンバーの中でもっともさくちゃんがリアリストだからなのかもしれません。

ユニコーンが大好きになった経緯も、さくちゃんが現実主義者だからとも想像できます。
たこ虹バンドのバンマスとして、ユニコーンのテッシーがたこ虹に関わるようになる。
80年代から続く、ユニコーンのギタリストという「現実」が、さくちゃんの目の前に現れる。
調べてみると、すごい経歴という現実を目の当たりにする。
他のメンバーよりも強い衝撃であったということが想像できます。
また、お母さんの話になると、ついつい泣いてしまうような時期がありましたが、自分自身が現実に存在しているのは、お母さんのおかげだということを強く思っているからなのかもしれません。

ただ、現実主義だけでは説明できないものが、彩木咲良にはたくさんあります。

グループショットで、ひとりだけ他と違うポーズをすることで、断然面白い出来になる。
写真の全体のイメージを瞬時に理解して、その絵の中に自分を当てはめているようなふしさえ感じる。
現実を正確に捉えて自分のポーズや表情で、全体の完成度を高いものにしているわけですが、なぜ、そのようなことができるのかが分からない。

何故、あのようなTikTokが作れるのかが分からない。おそらく、撮影する前の段階に、完成品が脳内に明確にできあがっているんだろう・・と思うのですが、もうそれは、彩木咲良のブラックボックスとしかいいようがないものがあります。

ライブでみせる、あの卓越した表現力は、心の中にあるブラックボックス、もしくは、宇宙から生み出される。
もしかしたら、CMJKさんは、これを称して「天才」呼んでいるのかもしれません。

家庭教師の先生は、「頭脳は小学校2年生では止まっている」と語りましたが、そのような一般的なモノサシでは計り知れないものが、彩木咲良にはあります。
夢を食べる伝説の動物に「獏」がいますが、彩木咲良は、まるで「現実」を食べているように感じられます。
ユニコーンが大好き。ギターが大好き。ミュージカルも大好き。
その現実を食べて、彩木咲良は、どんどん大きくなっていく。
そして、その先に、なにがあるのか。
どんな、彩木咲良がそこにいるのか。

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とてもまとまりがなくなってしまいましたが、最後に、なんぼやツアーで、さくちゃんが語ったあいさつのことを書こうと思います。
「道のりはほんまに長いと思うけど、私たちはたこ虹に人生をかけているし、これからもずっとこの5人でやっていきます」
この中に出てくる「人生をかける」という言葉は、以前にも聞いたことがあることを思い出しました。
たこやきレインボーを立ち上げるときに、理事長は「人生をかける者はいないか」と言い、そして、番長は手を挙げたという経緯。
この話は、どこで聞いたか失念してしまいましたが、その言葉が、そのまま、さくちゃんの言葉に繋がっていると考えると、たこやきレインボーは、とても強い意志で動いているんだと私は思えています。

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