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たこやきレインボー「一緒に帰ろう」

たこやきレインボーの「家にいるTV」から生まれた「一緒に帰ろう」。
この一曲から、さまざまな物語が生まれています。
さくちゃんのギターでメンバーが歌った動画に、なにわンダーたこ虹バンドが楽曲に寄り添うようなサウンドを重ね、さらに竹上さんがフルートを重ね、さらには歌詞を手話で表現した「HANDSIGN ver」へ。


そして、虹家族のメンバーで、ハンドサインの動画が作られて、それをみたメンバーが涙を流したり、2020年11月に発売される「Go! Go! GUITAR presents 楽しいアコギ弾き語り」で、たこ虹が表紙を飾ることになったり・・・。
その表紙の撮影で日刊スポーツが取材をして「日刊咲ドル」で記事として紙面を飾ったり・・・。
どんどんと、波紋が広がっています。
初披露された当初、CMJKさんも大絶賛し、MioFRANKYさんも歌詞についてツイートされてました。
まいまいは紙面でこのように語っています。

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「一緒に帰ろう」の歌詞は、全体を通じて静かで淡々としてて、日常的な言葉でつづられた歌詞ですが、冒頭部分が、私はすごいと思いました。

『今日は外が晴れだった 何かいい事がありそう』

「晴れだった」という「過去」に、「ありそう」という「未来」を示す言葉を繋げている。
本来なら 「今日は晴れだから何かいい事がありそう」という、「現在」から「未来」に繋げるもの。
この言葉が出てくる状況は、昼を過ぎた時間に目が覚めて、窓の外を見たら晴れだったんだな・・・と気がつくという感じでしょうか。
過去形からいきなり未来に繋がり「現在」が欠落している。これは自粛期間中の状況を的確に表しているんじゃないかと私は思いました。ネガティブな言葉を使わずして、不安な心情や漠然とした不安感が垣間見えるようにも感じます。
でも『何かいい事がありそう』とポジティブに捉えて、『あたりつきのアイス買って みんなで食べてみようか』と繋がるわけですが、現実問題として今は自粛期間中だからできないよね。というニュアンスも含まれてるようにも感じとれます。

ここから先の歌詞は「現在」を見つめて、掘り下げていくものになっていきます。
『言葉に出さなくても伝わる気持ちがある』は、冒頭の歌詞に漂うちょっと不安な心情を払拭するような心の動きを感じますし、
『血はつながってなくても 私たちは家族』と続くのはストレートで、ダイナミックだからこそ、聴く側の心に飛び込んできます。同時に、この楽曲はたこやきレインボーの歌であるという特別な意味も持たせています。

そして、現在の風景となる歌詞に繋がります。
『ききなれたみんなの声 たきたてのご飯のにおい』
『このなにげない日常が 幸せだったりするね』
4部構成、起承転結の「転」のパートで、声とにおいという、聴覚と臭覚という五感に触れる表現を使っているのが、本当にうまいなぁと思います。
そしてこの曲のテーマであるごく当たり前の日常が幸せであるということを分かりやすくに表現しています。

ここから先は「一緒に~」という歌詞が続きます。
『この場所で一緒に「話そう」「笑おう」「歌おう」「踊ろう」』

そして最後の歌詞は

『今日も一緒に帰ろう 私たちの家へ』

ここの歌詞は、アイスをみんなで買いに行った「帰りの光景」のように感じ取れます。
みんなであたりつきのアイスを買って食べて、こういう時はやっぱりれんれんがあたりを当てるんやな!っていう会話をしつつ、家に帰るというような光景を思い浮かべます。
そして、この光景は自粛期間後の「未来」でもあるわけです。
「今日は」から、歌詞がはじまってるのに対して「今日も」で終わらせている。つまりこのささやかな日常の繰り返しこそが大事であるということ。
「一緒に帰ろう」の歌詞から伝わってくるもの、心に響く理由・・・。
いろいろと考えてみましたが、やはりすごいな・・・と改めて思いました。

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