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普段撮る側が、被写体をしてみた。

お久しぶりです、吉沢です。
もうnoteに書くようなことはないかなと思ってたんですが、最近このことを思うことが多かったのでまとめてみようと思います。

普段は写真を撮ることを生業としてなんとか生きていて
その合間の週2の休みでさえほぼ写真を撮ってる。
その中でふと、「撮られる側の気持ちがわからない」ということに気付いた。

そこで、まだギリギリ年齢も若いうちに「撮られる側」を経験しておくのは強みなのじゃないかと思い立って、数回被写体をさせてもらった。そこで自分なりに思ったことをメモがわりにまとめてみる。

① 撮影日までに事前に方向性のすり合わせってやっぱり必要

いやそうだろ、と言われると思いますが…。
被写体として撮影日を迎えるまでに一番困ったのが、特に 服。
なんでもいいって言われた時が一番困るってやつ。
かっこいい系?可愛い系?ひらひらしてる服が撮りやすい?パンツスタイルの方がイメージに合う?色は?もういっそ、一緒に服を買いに行きたい…。
こういう気持ちに駆られた。

撮りたいイメージを言葉で表現するのはかなり難しいけど、そこすらおそろかにするのはさらに分からず当日を迎えさせてしまうこともあるかも、と気づいた。

なので ネットで拾った画像でも、撮る側が過去に撮った写真でもなんでもいいから
参考写真があるとこんなにわかりやすいものなんだなと感じた。
事前にもらってた情報が分かりやすいと、撮影当日も自信を持って表情を作ったりポーズが取れたりするのかなと。

これに加えて、終わらせたい時間もだいたい教えてくれてるととても親切。

②初対面の場合は、まず撮影より茶が大事だ!

出会ってすぐ、撮影って難しい。
撮る側もだけど撮られる側も初対面はやっぱり難しかった。

撮影当日にまず先にお茶に誘ってくれた子がいた。そこで、相手がこういう人なんだ!っていうのが分かって
その後の撮られる撮影がとてもやりやすかった。

撮影をリードするのはやはり撮る側だろうと思う。
撮る側が、最初から並々ならぬコミュニケーション能力で引き込んでくれない限り
茶を挟んでるのと挟んでないのでは 撮られやすさも変わるなと思った。

③撮ってる最中、どこまで写ってるか・どう撮ってるか教えてほしい

わたしなんか普段撮ってる側だからまだ分かる方なのかもしれないけれど、
それでも「今自分のどこを写されてるんだろう」が、撮影中 一番頭の中を駆け巡ってた。
これがもう、真髄なのでは?と思うほど撮られる側の苦悩だった。
(先日撮った九野ちゃんも言ってた)

撮られる側なんか、レンズのことなんか知ったこっちゃない人だらけだと思う。
遠くから撮られてたから全身写ってるかな?と思いきや望遠でバストアップ抜いてたり
近くから撮ってるからと言って顔のアップとは限らない。
だから、撮ってる最中に
「今ここまで写してるよ」とか「引いて撮りたいから全身動かしてほしい」とか言われるとすんなり入ってくる。

私は撮りっぱなし見せるのが恥ずかしいと思う派なのですが
見せられる人は、撮ってるそばからバンバン見せていくのがいいんだなと思った。
画面見せたほうが被写体が良くなる、っていうのはここが分からないのが原因だと思った。


④撮っている時の掛け声をもう一度振り返ってみて

やはり、褒めるのは大事。
テンションをお互い乗せていくのは大事。
途中で、「うーん…」みたいな空気になるとそれ以降動くのが少し怖くなった。
この人が好きじゃない表情かもしれないな…とか少し考えてしまって、撮られる側としての自分が思う出来が悪かった。

撮る側をしていて、「そのポーズ違うな」とか何かマイナスなことを感じた時は、
黙る・否定する・濁す ではなく それよりもより良くなる代替え案を出すといいかもしれない。
「そのポーズで、表情をこう変えてみたのも良いかも」「首だけこっちに動かしたほうが綺麗に見える」とか。

逆に、良いと思ったことは言葉や態度に表してしっかり伝えるのがシンプルに効果がある。
撮る側が思ってるよりも、「良いね」「可愛い」みたいな言葉が、そのシーンとともに思ったよりも頭に残る。
この表情が好きなのか!この動きが画として綺麗なのかな!を一日繰り返していくから
撮影の後半って良い写真が残りやすいのかなと思った。

⑤被写体を少し動かしたい時の声のかけ方に気をつけて

撮る側撮られる側が向かい合った時、すぐに「被写体から見た方向」が指示できるとすんなり動けた。
右に動いて欲しい、左を向いて欲しいの主語をきちんと被写体に出来てる人は 言葉をうまく伝えられる人だなと感じた。

プラスして、顔だけ動かしたい・手だけ動かして欲しい時の声のかけ方のポイントとして
動かさない部分を言うのも大事だと思った。
「体の向きはそのままで…」「ポーズはそのままで表情だけこう…」みたいな言い方はとてもわかりやすいなと。

⑥撮り終わった後のデータ、どうしてる?

これは、撮る側してても結構みんなに聞くんだけど。
みんなどれぐらいの期間で・どれぐらいの枚数くれるものなのか…。

期間は、もちろん早い方が嬉しいに決まっている。(フィルムは仕方ないと思うけど)
デジタルなら、数枚だけでも先にもらえるのは嬉しかった。
でも、撮る側としては 数枚先に渡すとそこで満足して、現像する気が少し失せる気がする。
もしそういうタイプなら、速報なんかあげる暇があったらとっとと現像した方がいい!の一言に尽きる。
現像を溜めるのは一番ダメだと思う。

どれぐらいの枚数、に関してはやはり多い方がもちろん嬉しい。
なんで嬉しいかと言うと、「あのタイミングの自分がどう見えてたか」の枚数が多ければ多いほどまた次の勉強になるから。

一日中、何時間も撮ったのに数枚しかもらえなかった人がいるって話を被写体さんから聞いたことがある。
これってつまり「あの時の自分がどう映ってたかわからない」まま次に持ち越すわけだ。

よくある話だけど、カメラマンがいいと思う写真と被写体が良いと思う写真の齟齬の話。

被写体は、絶対自分の顔の良し悪しを見る。
この顔をした時の出来上がりが悪かったら、この顔は次からしないでおこう…とか
この立ち方、痩せて見える。とかそういうのを見る。だから もらえた枚数が少ないと、その勉強ができない。
なので、その被写体さんの次を考えて、枚数は多い方が良いと思った。
(セレクトする よりも 除外する のニュアンス)

だから、素人さんが撮ってもらう写真のリクエストで

顔が写ってない写真・思いっきり引きの写真・シルエットの写真が人気なんだろうな。
自分の被写体としてのスキルをあまり問われず、良い写真が残りやすいから。



以上、こんな感じでした。
言われればわかるけど、改めて考えてるカメラマンも少ないと思うし
私自身、こう思ったのに 撮る側としてこれを反映させるのは本当にとても難しい。。

どこかで誰かの参考になれば幸いです。


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