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家探し その2

朝9時、伊東駅前でB不動産のSさんと待ち合わせです。

挨拶もそこそこに「今日はたくさんご案内したい物件が有りますよ!」と

元気に物件資料の束を手渡してくれました。


まずは私が問い合わせた物件に案内してくれるとの事。

この家が大本命なので否が応でも期待が高まります。


伊東駅から15分程車を走らせ閑静な住宅街に入りました。

坂道をぐんぐん上り行き止まりまで来てしまったようです。


「到着しました」Sさんに促され車から降りると

 
??? 家が見当たらない。


目の前に見えたのはコンクリートでできた細くて急な階段が1本。

擁壁にへばりつくように作られていました。

「エッ・・・この階段の上?」


手すりも設置していない階段をへっぴり腰で20数段上がると

ようやくお目当ての洋館建てが現れました。

その後室内を見せて貰いましたが、コケたら即天国に行けそうな階段が衝撃的過ぎです。

残念ながら父だけでなく私達も定住する事はムリでしょう。

物件紹介の写真は期待フィルターが掛かると魅力が3割以上増すのだと痛感しました。


次の物件に移動する途中、よっぽど私の落胆が顔に出ていたのか

Sさんが気を使って「ちょっと寄り道しましょう」と一碧湖とその畔に広がる別荘地を見せてくれました。

高級別荘地なだけあり広くゆったりとした道の両側には瀟洒な豪邸が建ち並びます。

美しい湖の景色とハイグレードな街並みで目の保養をして目的地に向かいました。


案内されたのはお椀を伏せたような形が可愛い大室山の麓の別荘地。

人気の観光施設の近くという事も有り少し賑やかな雰囲気です。

お手頃価格のコンパクトな別荘も多くこの別荘地だけで多分5,6軒内見しました。


別荘故にオーナーの拘りと個性が炸裂しているクセ強物件が大半を占めていてとても面白かったです。

中でも玄関を開けたら数十体のこけしがズラッとこちらを見てお出迎えしてくれた <こけしの家>と

霊感強めの叔母が家に入る事を頑なに拒否した <何かが棲む家> が妙に印象に残りました。

その後予算オーバーな駅近の二階建てを内見しましたがいまいちピンときません。


こんな感じで昼食やトイレ休憩を挟まず午後3時までみっちり内見をして2日目の物件巡りが終了しました。

Sさんに伊豆高原の駅まで送り届けてもらい構内のお蕎麦屋さんで遅い昼御飯です。

蕎麦を啜りながら叔母とどの家が良かったか話していると

初日に保留したリフォーム済みの家が気になり出しました。


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