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3パターンの田舎で暮らして感じた事

今回は個人的に感じた田舎の人付き合いについて書きます。


私が生まれ育ったのは愛知のド田舎で里山と呼ばれる山間の集落です。

家が自営業という事も有り、毎日朝7時~夕方の4時位までは

近所のおじさんや親戚の叔母さんがリビングで

お茶をしているのが当たり前の濃厚で狭いコミュニティの地域でした。

お陰で困った時は誰かに必ず助けてもらえました。

しかしこのディープなご近所付き合いは

プライバシーがほぼ無い事を意味します。


ある時市街地のバス停で知らないお婆さんたち数人に囲まれ

「あれ?アンタちーちゃ(父方の祖母のあだ名)の孫やら?」

「そうや!丸顔だし間違いないわぁ!」と家を断定された事がありました。

祖母譲りの丸顔というだけで身元が判明してしまうとは驚きです。

こんな風に壁や障子だけではない程

ありとあらゆる場所に耳目が有る環境だったので

地元にいた頃は常に緊張感をもって過ごしていました。

それから心穏やかな生活を目指し山小屋の有る長野へ移住しました。

私達が暮らした山小屋は昭和の経済成長が著しい頃に山の麓に開発された

た村はずれの別荘地です。

近くに別荘を持つ人が来訪するのは春から秋までなので

冬場はほとんどぽつんと一軒家みたいな暮らしでした。

ご近所で地元民のYさんや集落に住む古くからの知人に

お世話になりながら感じたのは

長野の人の親切さや優しさが半端ない事です。

移住する前に10年程夏季限定のお店を開いていたのですが

そこに来てくださったお客様は皆さん気さくで

初対面でもざっくばらんに話しかけて下さったり

美味しい野菜や手作りのお惣菜をお土産に下さったりと

本当に良くしていただきました。

皆さんの優しさで厳しい冬を乗り越えられたと思っています。

現在はこれまで全く縁もゆかりもなかった

伊豆高原の別荘地に住んでいます。

別荘地は管理費が掛かる代わりに町内会が無いので

ご近所づきあいは非常にあっさりしています。

近隣に数件定住世帯が有るようですがリタイヤ後に移住してくる

シニアの方が大半なので入れ替わりがとても激しいです。

その為どんな人が住んでいるのか殆ど知りません。

勿論、地域に溶け込み社交的に暮らしたい人は

趣味のサークルに入ったりして親交を深めているようです。

地元の人との交流はというと、別荘地に住んでいると買い物の時位しか接点が有りません。

移住して以来週1で通っているお気に入りの八百屋さんが有るのですが、

レジのお兄さん達と少し雑談できるようになったのは

通い始めて3年以上経過してからです。

他のお店も不愛想なわけではなく、

そつなく感じ良く対応してくれる所が殆どですが

顔なじみになるのは稀です。

姉は塩対応だと言いますが私は塩じゃなくてシャイなのだと

都合よく考えています。


これは勝手な推測ですが特に伊豆高原は都会から移住してくる人が多い為、

よそ者に特別な興味関心を持たない寛容な土地柄なのかな?と。

個人的にはこの開放感とサッパリとした人付き合いも新鮮で心地よいです。

こんな感じで地域によって人との距離感が随分違うので

田舎暮らしをお考えの方は手始めに2拠点生活をしながら

自分に合うコミュニティを探してみると良いかもしれません。

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